今回は、地元の海や市場を歩きながら「今、この地域でどんな魚と出会えるのか」を探しに行きました。
訪問したのは、播磨灘で獲れた海の幸を販売している市場やスーパーです。
その中で、ひときわ目を引いたのが「ぼうぜ鯖」。近海で漁獲された天然物を坊瀬島でじっくり育て上げたブランド鯖で、脂のりの良さと、アニサキスなど寄生虫リスクの低さが特徴です。一本の魚が海で育つ環境と、人の手による丁寧な管理が重なって生まれる、まさに「海の恵みを活かした一尾」です。
私たちは日々、昆布をはじめとする海藻を扱っていますが、魚とは異なる場所で育つ海藻にも、海の環境の変化は大きく影響します。
潮の流れや海水の状態が変わることで、昆布の厚みや香り、旨みにも違いが生まれます。
「海の状況が素材の味にそのまま現れる」という点では、魚も昆布も同じ海の恵み。
料理に組み合わせたときの相性の良さは、こうした海の背景が重なっているからかもしれません。
今回は、ぼうぜ鯖の豊かな脂の旨みを活かしながら、焼き鯖の棒寿司風に仕上げました。焼くことで余分な脂が落ちてうまみが凝縮し、皮はパリッと、身はふっくらとした食感になります。
梅のさっぱりとした風味と、香ばしい焼き鯖の間に、とろろ昆布のまろやかな旨味も加わり更に美味しい◎
■材料(1人分)
・鯖/ぼうぜ鯖(半身) 1枚
・塩 2g
・ご飯 200g
・とろろ昆布 6g
・はちみつ梅(種を抜いたもの) 15g
・みつば 適量
■作り方
1.鯖の両面に塩を振って10分程度置き、余分な水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
魚焼きグリルで焼きます。
2.みつばを茹で、小口切りにします。
3.梅干しの種を抜き粗く刻みます。
ボウルにご飯、刻んだ梅干しを入れ、混ぜ合わせます。
4.ラップを大きめに敷いて3のご飯を鯖の大きさに合わせて棒状にして乗せます。
その上にとろろ昆布を広げ1の鯖を乗せて、ラップで形を整えながら軽く押さえます。
5.食べやすい大きさに切り、みつばを飾ります。
今回の天然魚クエストでは、地域の天然魚を探す中で、海と人がともに育んできた食文化の豊かさを改めて感じることができました。海の恵みを扱う企業として、これからも海と食のつながりを大切にしながら、季節ごとの出会いを形にしていきたいと思います。
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