柿の剪定は、主に冬と夏に行います。
・冬剪定(12月~2月)
木が休眠期に入るため、ダメージが少なく済みます。翌年の成長を促進し、実付きを良くする効果があります。
・夏剪定(6~7月)
新芽が伸びる時期に行い、樹形を整え風通しを良くします。これにより病害虫の発生を抑えることもできます。
柿の木の剪定は、木の健康を保ち、果実の質を向上させるために重要です。不要な枝を取り除くことで、木全体に栄養が行き渡りやすくなります。
また、木の形を整えることで見た目も良くなり、管理もしやすくなります。
≪必要な道具≫
・剪定ばさみ:細かい枝を切るために使用します。
・枝切りばさみ:太めの枝を切るのに適しています。
・ノコギリ:太い枝を切る場合に必要です。
・園芸手袋:手を保護するために必須です。
≪あると便利な道具≫
・高枝切りバサミ:脚立を使わずに高い枝を切ることができます。
・保護メガネ:剪定枝の落下や裁断時の細かな塵から目を保護します。
・癒合剤:剪定後の切り口を保護し、病気の侵入を防ぎます。
・ビニールシートや新聞紙:剪定後の枝葉を集めるために敷きます。
・ゴミ袋:剪定後の枝葉をすぐに片付けるために使用します。
・ちりとりやほうき:剪定後の掃除をスムーズに行えます。
・脚立:高い場所の枝を剪定する際に便利です。
≪脚立を使用する際の注意点≫
・安定した足場:脚立を使用する際は必ず平らで固い安定した足場を確保してください。
・取り扱い説明書の確認:脚立の取り扱い説明書を確認し、脚立が倒れないよう十分に注意しましょう。
・安全第一:慣れていない作業は大きな怪我につながる可能性が高いため、少しでも不安を感じる場合は自身で作業を行わず、業者へ依頼することをおすすめします。
1.適切な時期を選ぶ
2.必要な道具を準備する
3.剪定の基本手順
①枯れた枝や病気の枝の除去:枯れ枝や病害虫に侵された枝を取り除きます。
②形を整える:主要な枝(主枝)とそれに続く副枝を選びます。主枝は太くて健康な枝を選び、副枝は主枝からバランスよく伸びているものを選定します。
③枝の間引き:枝が密集している部分を間引きます。これにより、日光と風通しが良くなり、果実の成長が促されます。
④切り戻し:選定した主枝と副枝の形を整えるために、不要な部分を剪定ばさみや剪定鋸で切断します。切り口は斜めにして、水が溜まりにくくするとよいです。
⑤摘心:剪定後、新しい芽が出やすいように、枝先を軽く摘んであげると効果的です。
・枯れた枝や病気の枝:これらの枝は柿の健康を損なうため、早めに取り除きます。
・徒長枝:真上に伸びる長い枝は無駄に栄養を消費するので切ります。花芽は太くて元気の良い枝の先端に作られますが、徒長枝に形成されることはありません。春から夏にかけて徒長枝が生えることがあるので秋の段階で根元から切り取ります。
・混み枝:風通しを悪くし、病害虫の発生を促すため、間引いて風通しを良くします。
・逆さ枝:幹の内側に向かって伸びている枝で、樹形を乱すため取り除きます。
・絡み枝:他の枝と交差している枝で、摩擦によって傷がつきやすく、病気の原因となるため切り落とします。
・形を乱す枝:突出している枝や不格好な枝は全体の形を整えるために剪定します。
柿の木の剪定では、花芽を落とさないように注意が必要です。
花芽がついていない徒長枝や込み合った不要な枝を見極め、根元から切り落とします。
花芽は前年に新しく伸びた枝(結果母枝)の先端部分に付きます。
この結果、母枝は他の枝に比べてやや緑がかっていることが多いので、その枝を見つけることが剪定のコツです。
柿の剪定は、枝が混みすぎないようにすることが重要です。1本の結果母枝(果実が実る枝)から4~5本の新しい枝が出るため、適切な間隔を保ちながら剪定しないと、枝や新梢が混雑してしまいます。
枝の切り落としは花芽を落とすことになるので基本的には間引き剪定になりますが、これだと木が大きくなりすぎるので、何年かに一度は実をあきらめて大きく切り戻す必要があります。
・適切な場所:日当たりが良く、風通しの良い場所が最適です。日陰では実の付きも悪くなります。
・土質:柿は、排水性が良く、有機質が豊富な土壌が理想的です。土のpHは中性からややアルカリ性が良いでしょう。
・肥料:油かすや鶏糞などの有機肥料が良いです。冬に与える「寒肥」、春から夏にかけての成長期には速効性の化成肥料、収穫後には「お礼肥」を与えると良いでしょう
・乾燥対策:成長期には朝夕の2回、水をたっぷり与え、腐葉土を混ぜた土を使います。また、根元に藁を敷くと良いでしょう。冬の寒さ防止にもなります。
・病害虫対策:柿の木は、いくつかの病害虫にかかりやすいです。黒星病や炭そ病といった病気や、カキノヘタムシガやカメムシ類などの害虫がよく発生します。これらの病害虫は、湿度が高い時期や成長期に注意が必要です。
柿はある程度、自然に樹形が整います。しかし、放任するとどんどん大きくなり、実もたくさんつけます。そうすると木が疲れ翌年の実数が減ります。
果樹が1年ごとに豊作と不作を繰り返す隔年結果は柿の木ではよく見られる現象です。
この現象を防ぐためには、摘果や剪定を行い、果実の数を調整する必要があります。
大きくなりすぎた柿の対処は難しいため、プロに任せるのが安心です。
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