セミナーではまず、山王病院 名誉病院長の堤 治先生より、妊娠を考える前に知っておきたい知識についてのお話がありました。
まず、月経について。
ついつい我慢をしてしまいがちな月経痛ですが、日常生活に支障をきたすほどの月経痛、いわゆる月経困難症は、子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫という不妊に繋がる病気が隠れている場合があるので注意が必要とのこと。
また昔と比べて妊娠の回数が少ない現代は、月経の回数が多く、それだけ不妊の原因となる疾患にかかる人が増えているそう。
月経で気になることがある場合はためらわず、婦人科を受診することをおすすめしたいとのことでした。
次に不妊について。
不妊は特に病気のない健康な男女が1年経っても妊娠しない場合と定義されていて、排卵因子・卵管因子・男性因子の3つが不妊の原因となっているのだとか。
不妊症は増加傾向にあり、現在では4.4組に1組が不妊治療を受けていて、年齢が上がるにつれて妊娠率が下がることから、早めの対策が重要だそう。
また卵子は胎児の時に作られてから新しく作られることがなく、減っていく一方で、しかもエイジングの影響を受けるとのこと。
なるべく早い時期に卵子凍結をするのも将来の妊娠を考える際の方法の一つだそうです。
妊娠を望む前から定期的に健康診断を受け、自身の健康状態を把握するプレコンセプションケア健診が山梨では無料で受けられるそう。(山梨県内在住・在勤の18歳〜39歳の女性)
その健診の内容と日頃注意したい項目について、山梨大学医学部附属病院 教授 吉野 修先生からお話がありました。
まず食生活を見直し、バランスの良い食事を心がけること。
その中でも特に葉酸が細胞の増殖や成長のために不可欠だそう。
また適正体重を維持し、生活習慣病のリスクを減らすことも子どもの先天異常の頻度を下げる上で重要になってくるのだとか。
性感染症に注意を払う・妊娠を望む前に風疹やHPVワクチンの接種状況を確認し、必要に応じてワクチン接種を受けることも大切だそうです。
プレコンセプションケア健診では、採血を行い、貧血・生活習慣病・感染症などのリスクをチェックし、必要に応じて医療機関を受診するよう促してくれるそうです。
パートナーがいなくても、早い内から自身の健康状態を知ることで、選択肢が増え、対策することができるプレコンセプションケア。
なかなか自分の体調を思いやることが二の次になってしまう忙しい現代ですが、後悔しない未来のために、一度向き合ってみてはいかがでしょうか。
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