サフランモドキは、メキシコやグアテマラ原産のヒガンバナ科タマスダレ属(ゼフィランサス属)の多年草です。江戸時代末に日本に渡来しました。
美しいピンクの花が特徴です。丈夫でよく増えるため、道ばたで雑草のように見かけることもあります。
名前に「サフラン」がついていますが、実際のサフランは秋に薄紫の花を咲かせる植物です。江戸時代に渡来した際、本種が本物のサフランと誤認されましたが、明治初めに誤りと判明し「サフランモドキ」と呼ばれるようになりました。
標準和名は「サフランモドキ」ですが、流通名には「ゼフィランサス・カリナタ」「ゼフィランサス・カリナータ」「レインリリー」「ゼフィランサス・ピンク」「ピンクゼフィランサス」などがあります。
このお花にそっくりな白い花もよく見かけますが、実は同じゼフィランサスの仲間です。ゼフィランサスには、白い花を咲かせるタマスダレと、ピンク色の花を咲かせるサフランモドキがあります。他にも様々な品種が存在します。
この仲間は非常に強健で、野性化しやすい植物です。タマスダレは寒さに強く、育てやすいため、公園や道端でもよく見られます。花の色が違うので識別は簡単で、サフランモドキのほうがタマスダレよりも雄しべが長いのが特徴です。
開花時期も異なり、タマスダレは7月から9月、サフランモドキは6月から10月に咲きます。写真撮影時期は6月の2週目、時間は昼過ぎです。
開花時期は6月から10月で、花径は約7cmのピンク色です。雄しべは6本あり、葯(やく)は鮮やかな黄色、雌しべの柱頭は3つに裂けており、とても美しい花姿をしています。次々と咲き続けるため、長期間楽しめます。
サフランモドキは可愛さとエレガントさを兼ね備え、多くの花を咲かせて華やかです。そんな素敵なサフランモドキには「便りがある」「歓喜」「清純な愛」「期待」といった花言葉があり、プレゼントしたくなるような魅力があります。
しかし、実はサフランモドキの花を摘んでプレゼントしてはいけない理由があります。お子様がママのために摘んでくると危険です。その理由は…
実は、この植物の葉や球根には『毒性』があり、誤って口にすると中毒を引き起こす可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。
サフランモドキは「ノビル」や「ニラ(韮)」に似ていますが、サフランモドキはヒガンバナ科の植物で、リコリンなどのアルカロイド成分を含んでおり、摂取すると嘔吐やけいれんの症状を引き起こします。実際にノビルと間違えて誤食した例もあるため、畑や家庭菜園などの野菜を植える場所からは離れた場所に植える方が良いでしょう。食糧不足や飢餓状態の時などでも、決して食べてはいけない植物です。
同じヒガンバナ科の有毒植物には、「ヒガンバナ(彼岸花)」「スイセン(水仙)」「タマスダレ(玉簾)」などがあり、葉が似ています。
サフランモドキは野生化もしているので、お子様やペットが安易に触れないようにした方がよろしいかと思います。
知っていれば、悲報は避けられます。こちらの情報が誰かの助けや喜びになりますように…。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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