まずはこのドラマ、一切安心させてくれません。
敵かと思った人が実は味方で、済んでのところで助けてくれてホッとしようと思ったら、今度は味方だと思っていた人間から裏切られ…の繰り返し。韓国ドラマ王道の「沼」エッセンスでありますが、このドラマは特に展開が早すぎる。だからずっとモヤモヤ。次が気になって止めるタイミングを見失い…もう私、シーズン1の途中から「ヘラパレス」(ペントハウスのあるマンションのこと)に住んでました(笑)
主要人物のうち極悪な2人の欲望、渇望が物語の起点となります。極悪その1がチョン・ソジン。人気ソプラノ歌手であり、財閥の令嬢という超セレブ。
この人が特にひどい。人に助けてもらってもぜんぜん改心しません。美魔女らしくそのたびに流す懺悔の涙が美しいのですが、すべてまったくのウソ泣き。
助けてもらったくせに「あいつが悪い」とか平然と言い放ち、逆恨みまでします。劇場型ならぬ「激情型人間」。この人のせいで常識とかモラルとかぶっ飛んでいきます。
もう1人の極悪人が、チュ・ダンテ。ペントハウスに住む「ヘラパレス」の実質的支配者。三つ揃えのスーツをビシッと着こなし見るからに切れ者…かと思ったら、意外と詰めが甘い。甘すぎる。重要なことを、使えない秘書に任せちゃったりして(何度も)、悪事のミッションも一向にクリアしません笑。一発必中だとドラマがすぐ終わっちゃうので“必要ポンコツ”ではあります笑
前出のソジンさんもまたポンコツ。すぐに「チョンマルヨ?(本当?)」と言って未確認情報を都合よく信じたり、タイトなドレス姿でダンテ氏と本気で乱闘したり、セレブなのにいつも全力なのでちょっと好きになる瞬間もあります。
チュ・ダンテの妻、シム・スリョン。
このドラマの主軸はスリョンさんの復讐劇なのですが、“復讐の鬼”と化しても基本は清く正しく育ったお嬢様。しかしながら正義や常識の名のもとに取った言動や行動が意外と致命的なトラブルとなり、果ては殺人にまでつながったりします。
わが子だからと甘やかさず厳しく接するところはあっぱれなのですが、その後のフォローがまったくないため闇落ちさせてしまいどんどん火種を作り出してしまう…。この人もまたトラブルメーカーなのです。
韓国では『ペントハウス』のような、奇想天外なんでもありのドロドロなドラマを「マクチャンドラマ」と呼ぶそうです。
マクチャンドラマらしく、もつれにもつれて…途中よくわからなくなり、シーズン3に至っては笑ってしまうほど。ソジンさんの顔芸もおなじみになってきます。
それぞれが迎える結末は?愛憎劇の幕は降りるのか?ツッコミどころも満載なのでぜひとも『ペントハウス』マラソンを完走してほしいです!
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