シーズン3は、あのヘラパレスの住人達が拘置所へ放り込まれたところから始まります。
最高級のタワーマンションであるヘラパレスからの拘置所生活。絵にかいたような天から地へのドン底生活が面白すぎます。
あまりに極端な転落ぶりに唖然としてしまいました。
しかも、その拘置所生活ではヘラパレスのような上下関係が通用しません。拘置所内には既にボスがいて、それに従うしかないのです。
その不慣れな生活に、ヘラパレスの住人達の体当たり演技がめちゃめちゃ笑えてきます。
頭をハンバーグの空気抜きのようにパンパン投げられたり、髪の毛をつかみあったり、地面をはいずりまわったり。拘置所の粗末な食事もガツガツ食べたり、慣れない掃除や洗濯をさせられたり。
ひっちゃかめっちゃかな場面が、お笑いコントのようで大笑いしてしまいました。
ヘラパレスの住人達が、おとなしく拘置所生活を過ごすと思ったら大きな間違いです。
反省するどころか、試行錯誤しながら騙し合いの連発。どう自分が再びのし上がるか、どうやって拘置所から出られるかの策を練るのです。
普通はドン底まで落ちた人、全てを失った人は観念して反省したり、落ち込むはずなのに…。
諦めずに再び失ったものを回収しようとする執念が半端ないです。
そのエネルギーがパワフルすぎます。ここまでくると逆に勇気さえもらえそうですし、尊敬さえしちゃいます。
シーズン3はシーズン1や2に比べ、さらに思考を活性化させないとついていけなくなりそうです。
相手の巧妙な手口をどう見破ってゆくかも面白い見どころです。見ているこちら側も“誰と手を組むべき?この人を信じて大丈夫?この人の真の目的は?”ますます相手の行動や思考、本心までも探りたくなっていきます。
ですから、自分もドラマの登場人物になったように、頭をフル回転させながら画面にかぶりつき用心深く見てしまいました。
シーズン2のラストでシム・スリョンの生存が明らかになり、ドラマの流れがガラリと変わりました。私自身も「え?どういうこと?」と、かなり心がどよめきました。
そして、その生存を知ってから彼女の事がますます好きになりました。見た目の美しさはもちろんのこと、慈悲深さ、賢さ、そして強さを犇々と感じてしまったのです。
派手にふるまうソジンとは、全く対極の美しさを兼ね備えた女性。スリョンは、自分の生存をなくすことで影であれこれ動いていたのですね。それは全て愛のある行動だったように感じます。
母親としてのユニの気持ちを汲み取ったり、ロナの声楽の才能を認め支援したり、自分の子供達にも“自分がやりたいことをして”とアドバイス。
自分の子であっても、悪いことはしっかりとがめて罰する。それが本当の愛情。スリョンの心は、まるで海のように広く深く、そして花のように優しく美しいです。
シーズン3で拘置所に送り込まれ、全てを失ったダンテ。
そこから、また再び自分を陥れた者達への復讐が進められます。そのやり方が人間とは思えないほどえげつなく、思わず目を覆いたくもなりました。
その徹底的な反撃の仕方、欲に対する執着心が、粘着質でとてもしつこい。身が震えるほどの恐怖さえも感じます。
シーズン3では、「ダンテを殺すのは自分。」と願い出る人が大勢出没。このドラマで、最も多くの人から憎まれた人物といっていいのではないでしょうか。
シーズン3では、ドラマのキーマンとなる人物が2人も登場してきます。
1人はユ・ジェニの父であるユ・ドンピル。多くから憎まれるダンテの弱みを握る重要な人物。
そしてもう1人がペク・ジュンギ。誰も知らないダンテの過去を知る男。
ユ・ドンピルとペク・ジュンギ。彼らはダンテから恐ろしい過去の傷をもらっていた。その真実を知った時、今まで見てきたダンテが分からなくなりました。嘘と偽りで作られたダンテ…本当に恐ろしすぎます。
ヘラパレスに住む子供達にとっても、声楽を極めトップに立つことは譲れない夢のようです。
親だけではなく、子供達までもそう強く望むのは、親が望んだ願望が自然と子供達に根付いてしまったのでしょうか?
声楽のトップ争いは、哀れなことに世代を超えて繰り返し続く悲劇の連続。最後に声楽の神は誰にほほ笑み、栄光を与えるのかが見ものです。
シーズン3は、おぞましい復讐劇だけでなく、大切な誰かを守るための愛情があふれていて、何度も涙を流しました。全てを見終わった終わった時…無言でうん、うんと頷いている私がいました。
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