ドラマの舞台は、世間でも話題となるほどの最高級のタワーマンションである「ヘラパレス」。そこで開かれたパーティーで、人がまっさかさまに落下してゆくシーンからドラマは始まります。
最初からかなり急展開なシーンに心が釘づけになりました。なんとも衝撃的なシーンからの幕開け。
かなり心がドキドキさせられ、“その先のストーリーが早く知りたい!”と、かなり先を急ぎたくなりました。
まだ話の内容も、人間関係(登場人)も全く見えていない段階で、いきなり映し出されたこのシーン。一気に心を持っていかれました。これは自殺なのか、殺人事件なのか、落下していった人はいったい誰なのか、しょっぱなからハラハラさせられました。
このドラマの背景には、“人間の欲の塊”ともいえる地位・名誉・金・恋愛(異性)・才能と、本来人間が欲しいと望むものがあちこちにちりばめられ、それを手にしたいと必死になる人間の傲慢な態度が表現されている面白いドラマです。
ある意味、とても欲まみれで分かりやすい設定となっているので、スッとストーリーに入り込みやすかったです。
子供の名誉のため、親の名誉のためなら手段を選ばない場面。子供も大人も舞き込んで嘘をついて自分を有利な立場へもってゆく場面。人間の汚さが見事に表現されている部分も、心がゾクゾクと震え上がる感じです。
お金があれは立場が上で、貧乏であれば立場が下。富ある人には決して逆らえない現状。収入でマンジョンの住む階までもがわけられてしまう、誰もが分かるランク分け。
子供が通う学校に寄付金を収めていれば、子供を有利な立場や優先的にできる暗黙の了解が見え隠れしています。富さえあれば上へのし上がれる。なんともストレートすぎる図式が、ある意味見ていて面白すぎます。
私は韓流ドラマを見るのは初めてです。日本のドラマと違い、これほど人間の本質部分をあからさまに表現されているドラマに新鮮さを感じました。
最高級のタワーマンションである「ヘラパレス」の85階に住むチョン・ソジンは、このドラマの重要人物です。誰もがうらやむ富と美貌の持ち主で、さらに声楽におけるコンクールで賞を獲得し、声楽の先生としても有名で引く手あまたの引っ張りだこの存在。
見るからに、こわいものなどないといったオーラをまとったチョン先生。とにかく自分が一番でないと気が済まなそうな女性であることが犇々とつたわってきます。
でも、そんな誰もがうらやむチョン先生ですが……なぜだか幸せそうに見えないのが、このドラマの面白いところです。彼女の心の底には、満たされない欲望の闇のようなものを感じてしまうから不思議です。
実際に、過去の声楽コンクールで手にしたトロフィーも、彼女自身の実力というよりは……父の富があるからこそ手に入れることができたという疑惑。
その証拠に、過去の同級生でありライバルのオ・ユニの歌声を今でも忘れることができていないからです。ライバルの歌声が耳から離れないでいるチョン先生。本当の声楽の素晴らしさ、本来の声の美しさを耳では感じているのではないでしょうか?
このドラマで、もう一人の重要人物となるオ・ユニ。オ・ユニは、シングルマザーで金銭的には貧しい女性。
彼女には1人娘のぺ・ロナがいて、娘の夢は声楽でトップを極めることではありますが、現実的な母親であるオ・ユニは、娘の夢をあきらめさせて現実的な方向へ進ませようとします。ですが、このまま平凡に進まないのがこのドラマの面白いところです。
ある時、運命のいたずらで過去の同級生と遭遇するのです。それは声楽の先生として有名なチョン・ソジン。なんとオ・ユニとチョン・ソジンは、あの有名なチョンァ芸高の同級生であり、声楽のコンクールで戦い合ったライバル同士であったのです。
もちろんそのコンクールは、経済的に豊かな父のもと生まれたチョン・ソジンが賞を獲得。声楽の実力で言えば、オ・ユニの方が上であったはずなのに、圧倒的な貧富の差で負けてしまうのです。
この運命の再会により、オ・ユニは昔の因縁が沸々と湧きおこり、その想いは娘に託されることになるのです。再会したチョン・ソジンのことをオ・ユニが「泥棒猫」と呼ぶあたりも、思いっきり憎しみ込めた挑戦的なフレーズに、思わずふふふっと笑えてしまいました。
この先待ち構える、過去の因縁対決。このバトル勃発に目が離せませんし、見ている側の心が燃えないわけがありません。
オ・ユニとチョン・ソジンの因縁の戦いは、シーズン2、そしてシーズン3と続いていきます。
2人を取り巻くその他大勢のキャストの動きからも目が離せません。夫婦仲、親子関係、大人だけでなく子供達の上下関係や心情の変化。それらが同時進行で展開され、とてもスピーディーに進んでゆくので見ていて休む暇がない程ハラハラが止まりません。
シーズン2へ、そしてシーズン3も見るのが楽しみです♡
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