物語の冒頭は都会の街並みの中でもひときわ目を引く厳美な高層ビルが始まりの舞台。外では夜の街には花火が打ち上げられ暗闇の中を華やかに照らしています。
外の喧騒とは相対して、明らかに庶民が住む場所とは程遠いビルの一室では、煌びやかなドレスに身を包んだ女性がひとり。彼女は高層階の自室からどこかへと向かうためエレベーターにて下降していきます。
再度、大きく鳴り渡る外の花火をエレベーターのガラス越しに彼女が気づき振り返ると、バルコニーから人が投げ出される瞬間を目撃。
下降を続けるエレベーターの中から落ちてゆく女性の瞳と目が合い、エレベーターより早く落下していく女性を見て悲鳴をあげる彼女。
一体何が起こっているのかを把握できずに観ている私をよそに話は物語の2ヶ月前へと遡っていきます。
衝撃的なシーンから始まるペントハウスは予備知識ゼロで視聴を始めた私に、予期せぬサスペンスからの幕開けとなりました。
庶民の感覚からは程遠い、登場人物を一目見ただけで分かる生活水準の違い。彼らの望むものは幸せな時間ではなく、プライドが満たせるひとときの優越だけ。
視聴した誰もが一度は憧れたことがあるだろうと思う生活の裏側には「こんな生活をしてみたいけど、こんな人間になりたくない」が詰まっています。
ある意味、お金を持ってしまったことで当たり前の幸せに気づけなくなった哀れな人を観察する感覚が味わえるかも。
安心してください、登場する全てが共感できないキャラクターだけではないですよ。
声楽という音楽家の領域へ、恵まれた家庭とは言えない家柄の中で夢を追いかける少女(ぺ・ロナ)はなぜか頑なに反対する母親にも屈せずに歌の道へまっすぐに突き進みます。
彼女に待っている未来はいったいどんな形を迎えるのか、高層ビルに住む彼らとどのように物語が交差していくのか、鼻につく金持ちばかりの中だからこそ特に応援したくなってしまいます。
人間の心の中にある光と影を余すことなく、表現されており2話まででは分からないたくさんのストーリーが隠れていそうな演出でした。
少々過激な描写も多いですが、ありがちなシーンよりも想定外の結果を迎えることばかりで観ていて次はどうなるの?と期待させるシーンが散りばめられています。
1話と2話では声楽を舞台にした女性2人の確執のみ明かされますが、それぞれの登場人物にどんなストーリーがあるのか気になってしまいます!
冬の締めくくりに、退屈な日常へスパイスを与えてくれる「ペントハウス」が気になった方はNetflixをはじめ各動画配信サービスで視聴できるので、まずは1話を観てみてくださいね。
© SBS
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