プレスリリース
「瀬戸内産業芸術祭2026」10月3日(土)開幕~産業の現場を舞台にした新しい分散型芸術祭~
一般財団法人日本産業芸術財団
2026.10.03
一般財団法人日本産業芸術財団(所在地:岡山県玉野市、代表理事:伊藤 正裕)は、本日2026年10月3日(土)、岡山県および愛媛県の稼働中の工場・産業現場7会場を舞台とする「瀬戸内産業芸術祭2026」を開幕いたしました。会期は10月31日(土)までの約1か月間です。本芸術祭は、地域の企業・団体7社の参画のもと、産業の現場そのものを会場として開催する、初の分散型芸術祭です。

『最終処分場 -自然と産業、人とつくる風景-』(オオノ開發株式会社、愛媛県東温市)
製塩、学生服、デニム、造船関連、蓄電池、資源循環--瀬戸内の暮らしを支えてきた産業から現代の産業まで、多彩なものづくりの現場を、国内外のアーティスト・建築家・キュレーターが作品として再解釈します。普段は扉の向こうにある産業の現場がアートを通じてひらかれ、地域全体がひとつの「分散型美術館」になります。
各会場の作品は、その企業に受け継がれてきた技術や哲学、働く人々の営みを出発点に、作家・監修者と参画企業が対話を重ねながらかたちにしたものです。塩や工業製品といった企業の製品そのものを素材にした作品、製造工程を巡るツアーと一体になった作品など、いずれもその場所と切り離しては成立しません。作家・監修者・参画企業が共につくり上げた作品を、稼働中の現場でご覧いただけます。

開幕に先立ち、前日の10月2日(金)には玉野市役所にてオープニングセレモニーを開催しました。セレモニーには、当財団代表理事の伊藤 正裕をはじめ、岡山県知事の伊原木 隆太氏、玉野市長の柴田 義朗氏、建築家の妹島 和世氏、キュレーターの長谷川 祐子氏、クリエイティブ・ディレクターの佐竹 正基、ならびに参画企業・団体の代表者が登壇し、芸術祭の開幕を宣言しました。
若い世代をはじめ、多くの方々に日本の産業を新たな視点で捉え直し、そこに秘められた魅力と可能性を感じていただきたい。その思いから、瀬戸内産業芸術祭では、著名な芸術家の皆さまの力をお借りし、参加企業の工場に、それぞれの企業を象徴するアート作品を展示し、一般公開いたします。
構想から4年。本日、こうして瀬戸内産業芸術祭の開幕を迎えられることを、大変嬉しく思います。実現に向けてご協賛、ご協力を賜りましたすべての皆さまに、心より御礼申し上げます。」
- 製塩、学生服、デニム、造船関連、蓄電池、資源循環など、多彩な産業を横断
- 妹島和世、長谷川祐子、佐竹正基らの監修のもと、作家と参画企業が共につくり上げた、その場所でしか成立しない展示・ツアー
- 全作品事前予約制。ツアー形式または個別チケットで、工場見学とアート鑑賞を一体で体験

【プレミアムオフィシャルパートナー】
あいおいニッセイ同和損保 / ちゅうぎんフィナンシャルグループ / JR西日本グループ
【協賛】
両備ホールディングスグループ / 株式会社山陽新聞社 / 双葉電気株式会社 / HALEグループホールディングス株式会社 / ナカシマホールディングス株式会社 / ときわグループ / 瀬戸内温泉たまの湯 / 丸五ホールディングス株式会社 / 株式会社コアマネジメント / アイサワ工業株式会社 /株式会社植田板金店 / 株式会社トヨタレンタリース岡山 / 岡山放送株式会社(OHK) / RSK山陽放送株式会社 / TSCテレビせとうち / きづきアーキテクト株式会社 / こうず株式会社 / 平林金属株式会社 / おもちゃ王国 / 廣栄堂 / 株式会社アールケア
【後援】
岡山県 / 玉野市 / 一般社団法人 岡山県商工会議所連合会 /玉野商工会議所/一般社団法人吉備オープンイノベーション協会(KOIA) / 株式会社電通西日本 / KEIRIN HOTEL 10 by 温故知新
Nile Koetting/Elliott Etzkorn『Re:Cycle』

作品「Re:Cycle」は、同社のリサイクルセンターで実施されてきた見学ツアーと、現在稼働する施設そのものを舞台に、アプリケーション、サウンド、学びの要素を重ね、廃棄・再生・循環を多層的な体験として提示するパフォーマティブ・インスタレーションです。観客は、施設内の音やガイドの声、そこで扱われるモノの過去・現在・未来を手がかりに、資源が循環していくプロセスを辿ります。
● 児島ジーンズストリート・旧野崎家住宅(岡山県倉敷市)
SYMBOL PLUS『一粒の布』

デニムづくりの原点である綿花から、一着のジーンズへと受け継がれる児島デニムのものづくりをテーマに、デザインユニット・SYMBOL PLUSが手がける空間インスタレーションを歴史的な日本建築の中に展開します。かつて海だった児島の地は、干拓によって陸となり、その土地に根づいた綿花はやがて糸となり、布となり、縫製の技へと受け継がれ、今日の児島ジーンズへとつながっています。綿花畑を再構築した空間とともに、児島ジーンズストリートの工場やショップを巡るスタンプラリー形式のツアーを通して、分業によって支えられる職人の手仕事や地域に根付くものづくりの文化を体感。旧宅で配布される台紙に加盟店のスタンプを押していくことで、藍染の綿花のグラフィックを参加者自身で完成させます。あわせて、児島の産地としての歴史や作り手のこだわりを紹介する本芸術祭限定の特別ガイドブック『MADE IN KOJIMA, JAPAN.』をチケット購入者に配布します。
● ナイカイ塩業株式会社(岡山県玉野市)
山本 基『たゆたう時』

瀬戸内の風土が育んだ製塩文化をテーマに、アーティスト・山本基がナイカイ塩業の塩だけを用いて制作する大規模インスタレーション。山本はこれまで、忘れてしまうような小さな出来事や大切な人との記憶の積み重なりを、塩の渦として描いてきました。本作ではその渦を「時」として、真っ暗な空間に浮かぶ小さな時の粒として描きます。長い歴史を持つナイカイ塩業で、今働く人々の手の奥にある試行錯誤と営み、そして塩がやがて海へ還り新しい循環へと戻っていく時の連なりに思いを馳せる作品です。空間演出はデザインユニット・SYMBOL PLUSが手がけ、工場の風景や歴史を再編集した導入空間とともに、製塩工場の製造ラインを巡るツアーとして構成されます。
● 株式会社トンボ(岡山県玉野市)
オーディオドラマ『TOMBOW Voice Theater - 制服にまつわる3つの物語 -』

制服は、ただ身につける衣服ではなく、誰もが青春を重ねた記憶の器でもあります。日本中の学生服を生み出すトンボの工場で、資材倉庫から縫製、検品、アイロンまでの製造工程を巡りながら、テレビドラマ、映画、舞台と異なる分野を主軸に活動する3名の作家がそれぞれ手がけたオーディオドラマを鑑賞。それぞれ異なる視点から紡がれる“もうひとつの青春”を通して、ものづくりの現場に宿る想いや、制服がつないできた時間に出会うツアーです。
・ 『心臓に一番近いとこ』(資材倉庫) 脚本:武田 雄樹/声:木竜 麻生、山脇 辰哉 ―― 卒業式の前日、「第二ボタンいる?」と冗談めかして交わした幼なじみとの会話。言えなかった想いを胸に、大人になった彼女は学生服工場でボタンを扱う仕事に就いています。
・ 『おしゃべりな彼女』(縫製工程) 脚本:田中 未来/声:桜井 日奈子、安竜 うらら ―― 黙々とミシンを動かす職人の頭の中では、制服への愛が止まりません。「この制服を着る誰かの青春」を想像しながら一着一着を縫い上げる、笑いと誇りに満ちたストーリー。
・ 『私と日南』(仕上げ工程) 脚本:三浦 直之/声:森本 華 ―― 「かわいい制服が着たい」と親友と同じ高校を目指した少女。合格したのは自分だけでした。制服を交換して過ごしたある秋の日を描く、切なくも温かな物語。
● 株式会社パワーエックス(岡山県玉野市)
SAI『調整力』
再生可能エネルギー時代に欠かせない蓄電技術をテーマに、目に見えない「電気」と「調整力」を空間全体で可視化したインスタレーション。頭上の一つひとつの光は日本各地の発電所を、地面に投射される光は安定した電力を表します。天候によって発電のタイミングが異なる発電所の光が明滅しても、地面の光は暗くならない--その間を埋める蓄電池の役割を、光の対比によって直感的に体感できます。大型蓄電池を製造するパワーエックスの工場「Power Base」を舞台に、超急速EV充電器や大型蓄電池、生産ラインの見学と一体で構成されるツアーです。制作を手がけるSAIは、本芸術祭の展示制作のために発足したアノニマスの産業芸術家集団です。
● 三国工業株式会社(岡山県玉野市)
『MANTLE『船・心臓音・鉄』

三国工業は、船舶のエンジン部品などの製造や組み立て、塗装を手がける会社です。巨大な部品の製造のための工場には柱や空間を隔てる壁がなく、溶接や加工のための光や音が空間に瞬き、響き渡ります。本会場では、伊阪柊と中村壮志によるアーティストユニット「MANTLE」が、出荷される前の製品を設置するための台座と、それら工業製品の製造風景や3DCGなどを用いた映像作品を展示します。台座に製品が設置されることで、それらはひとつのマシンのように起動し、映像と連動しながら、私たちの生活を支える工業製品が繋ぐ未来の可能性を示唆します。
● オオノ開發株式会社(愛媛県東温市)|西沢 立衛/増田信吾+大坪克亘/山田 紗子
『最終処分場 -自然と産業、人とつくる風景-』

サスティナブルな環境の実現を目指すオオノ開發。会場となるのは、東温市の複合リサイクルプラント内にある管理型処分場です。処分場として使われる谷は、廃棄物と土が混ざらないよう地面と縁を切られた大きな鉢のような構造で、およそ15年をかけて廃棄物で埋まっていきます。見学者はマテラカラーの現場服をまとい、バスで頂上近くへ。谷の淵や人工的につくられた丘の上から、ダイナミックな処分場の風景を体験します。自然と人工物と人間がつくる風景が浮かび上がり、循環を身体で感じることのできる展示です。
展示作家と担当箇所:
西沢 立衛:展望台、増田 信吾+大坪 克亘:広場・バス停、山田 紗子:バス・ウエア

瀬戸内の暮らしと産業は、その土地の環境を守る営みによって支えられています。岡山に根ざす藤クリーンは、「廃棄物を資源へ」を掲げ、それを体現する企業です。産業廃棄物の収集運搬から中間処理・最終処分までを一貫して担い、近年は家庭のプラスチック資源のリサイクルにも取り組む、地域の循環を支える会社です。
● 児島ジーンズストリート協同組合(岡山県倉敷市)
瀬戸内・倉敷の児島は、足袋や学生服で培った裁断・縫製の技術を礎に、日本で初めてジーンズを生み出した「国産ジーンズ発祥の地」です。児島ジーンズストリートは、その歴史をそのまま体現する通りといえます。約400メートルの道沿いに地元メーカーの約40店舗が軒を連ね、世界に誇る一本を求めて、国内外から多くの人が訪れています。
● ナイカイ塩業株式会社(岡山県玉野市)
瀬戸内は、温暖で雨が少なく、海に恵まれた、古くから塩づくりに適した土地でした。岡山・玉野に根ざすナイカイ塩業は、この土地の風土をそのまま体現する一社です。かつての塩田で培われた製法を礎に、余計な殺菌などを加えず、自然のままに、それでいて安全に食塩を仕上げる。瀬戸内の海と歴史が生んだ塩を、今に受け継ぐ会社です。
● 株式会社トンボ(岡山県玉野市)
瀬戸内・岡山の地で、足袋づくりから学生服へと継承された熟練の縫製技術。その歴史を体現するのが「トンボ」です。1876年、玉野・八浜の足袋製造を起点に、時代とともに学生服へと進化。子どもたちの成長を見守り続け、創業150年を誇る日本有数の学生服メーカーとして、今もその伝統を紡いでいます。
● 株式会社パワーエックス(岡山県玉野市)
瀬戸内・玉野は、ものづくりの技と海の歴史が息づく土地です。次世代エネルギーカンパニーのパワーエックスは、この地に日本最大級の蓄電池工場「Power Base」を構え、2025年には本社も玉野へ移しました。系統用大型蓄電池をはじめ、電気運搬船といった製品の開発を通じて、目に見えない電気を社会に届け、持続可能なエネルギー社会の実現に挑む会社です。
● 三国工業株式会社(岡山県玉野市)
瀬戸内は、古くから造船の歴史が根付く土地です。玉野に拠点を置く三国工業も、その産業を支え続けてきた一社です。大正6年の創業以来、国内シェアトップを誇る舶用大型エンジンの部品製作をはじめ、産業機械や鋼構造物まで、設計から製作・修理までを一貫して手がける、まさに日本のものづくりを体現する会社です。
● オオノ開發株式会社(愛媛県東温市)
瀬戸内の豊かな自然は、その土地の環境を守る人々によって支えられてきました。愛媛・松山に根ざすオオノ開發は、まさにその担い手のひとつです。解体・土木から産業廃棄物の処理、汚染土壌の浄化までを一貫して手がけ、使い終えたものを資源として循環させる環境事業を、半世紀にわたり地域で築いてこられた会社です。

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『最終処分場 -自然と産業、人とつくる風景-』(オオノ開發株式会社、愛媛県東温市)
製塩、学生服、デニム、造船関連、蓄電池、資源循環--瀬戸内の暮らしを支えてきた産業から現代の産業まで、多彩なものづくりの現場を、国内外のアーティスト・建築家・キュレーターが作品として再解釈します。普段は扉の向こうにある産業の現場がアートを通じてひらかれ、地域全体がひとつの「分散型美術館」になります。
各会場の作品は、その企業に受け継がれてきた技術や哲学、働く人々の営みを出発点に、作家・監修者と参画企業が対話を重ねながらかたちにしたものです。塩や工業製品といった企業の製品そのものを素材にした作品、製造工程を巡るツアーと一体になった作品など、いずれもその場所と切り離しては成立しません。作家・監修者・参画企業が共につくり上げた作品を、稼働中の現場でご覧いただけます。

開幕に先立ち、前日の10月2日(金)には玉野市役所にてオープニングセレモニーを開催しました。セレモニーには、当財団代表理事の伊藤 正裕をはじめ、岡山県知事の伊原木 隆太氏、玉野市長の柴田 義朗氏、建築家の妹島 和世氏、キュレーターの長谷川 祐子氏、クリエイティブ・ディレクターの佐竹 正基、ならびに参画企業・団体の代表者が登壇し、芸術祭の開幕を宣言しました。
■ 開幕にあたって 一般財団法人日本産業芸術財団 代表理事 伊藤 正裕 コメント
「日本はかつて、第一次産業や第二次産業の発展を通じて、大きな経済成長を遂げました。その後、長年にわたる経済の停滞や産業構造の変化により、製造業をはじめとする国内産業は厳しい時代を経験してきました。しかし今、日本を取り巻く環境は変わりつつあり、これらの産業に再び大きなチャンスが訪れています。若い世代をはじめ、多くの方々に日本の産業を新たな視点で捉え直し、そこに秘められた魅力と可能性を感じていただきたい。その思いから、瀬戸内産業芸術祭では、著名な芸術家の皆さまの力をお借りし、参加企業の工場に、それぞれの企業を象徴するアート作品を展示し、一般公開いたします。
構想から4年。本日、こうして瀬戸内産業芸術祭の開幕を迎えられることを、大変嬉しく思います。実現に向けてご協賛、ご協力を賜りましたすべての皆さまに、心より御礼申し上げます。」
■本芸術祭の特徴
- 稼働中の工場・産業現場等7会場を、アートの舞台として一般公開- 製塩、学生服、デニム、造船関連、蓄電池、資源循環など、多彩な産業を横断
- 妹島和世、長谷川祐子、佐竹正基らの監修のもと、作家と参画企業が共につくり上げた、その場所でしか成立しない展示・ツアー
- 全作品事前予約制。ツアー形式または個別チケットで、工場見学とアート鑑賞を一体で体験
■開催概要

■ 協賛・後援
本芸術祭は、以下の企業・団体のご支援により開催しています。(敬称略)【プレミアムオフィシャルパートナー】
あいおいニッセイ同和損保 / ちゅうぎんフィナンシャルグループ / JR西日本グループ
【協賛】
両備ホールディングスグループ / 株式会社山陽新聞社 / 双葉電気株式会社 / HALEグループホールディングス株式会社 / ナカシマホールディングス株式会社 / ときわグループ / 瀬戸内温泉たまの湯 / 丸五ホールディングス株式会社 / 株式会社コアマネジメント / アイサワ工業株式会社 /株式会社植田板金店 / 株式会社トヨタレンタリース岡山 / 岡山放送株式会社(OHK) / RSK山陽放送株式会社 / TSCテレビせとうち / きづきアーキテクト株式会社 / こうず株式会社 / 平林金属株式会社 / おもちゃ王国 / 廣栄堂 / 株式会社アールケア
【後援】
岡山県 / 玉野市 / 一般社団法人 岡山県商工会議所連合会 /玉野商工会議所/一般社団法人吉備オープンイノベーション協会(KOIA) / 株式会社電通西日本 / KEIRIN HOTEL 10 by 温故知新
■各作品の紹介
● 藤クリーン株式会社(岡山県岡山市)Nile Koetting/Elliott Etzkorn『Re:Cycle』

作品「Re:Cycle」は、同社のリサイクルセンターで実施されてきた見学ツアーと、現在稼働する施設そのものを舞台に、アプリケーション、サウンド、学びの要素を重ね、廃棄・再生・循環を多層的な体験として提示するパフォーマティブ・インスタレーションです。観客は、施設内の音やガイドの声、そこで扱われるモノの過去・現在・未来を手がかりに、資源が循環していくプロセスを辿ります。
● 児島ジーンズストリート・旧野崎家住宅(岡山県倉敷市)
SYMBOL PLUS『一粒の布』

デニムづくりの原点である綿花から、一着のジーンズへと受け継がれる児島デニムのものづくりをテーマに、デザインユニット・SYMBOL PLUSが手がける空間インスタレーションを歴史的な日本建築の中に展開します。かつて海だった児島の地は、干拓によって陸となり、その土地に根づいた綿花はやがて糸となり、布となり、縫製の技へと受け継がれ、今日の児島ジーンズへとつながっています。綿花畑を再構築した空間とともに、児島ジーンズストリートの工場やショップを巡るスタンプラリー形式のツアーを通して、分業によって支えられる職人の手仕事や地域に根付くものづくりの文化を体感。旧宅で配布される台紙に加盟店のスタンプを押していくことで、藍染の綿花のグラフィックを参加者自身で完成させます。あわせて、児島の産地としての歴史や作り手のこだわりを紹介する本芸術祭限定の特別ガイドブック『MADE IN KOJIMA, JAPAN.』をチケット購入者に配布します。
● ナイカイ塩業株式会社(岡山県玉野市)
山本 基『たゆたう時』

瀬戸内の風土が育んだ製塩文化をテーマに、アーティスト・山本基がナイカイ塩業の塩だけを用いて制作する大規模インスタレーション。山本はこれまで、忘れてしまうような小さな出来事や大切な人との記憶の積み重なりを、塩の渦として描いてきました。本作ではその渦を「時」として、真っ暗な空間に浮かぶ小さな時の粒として描きます。長い歴史を持つナイカイ塩業で、今働く人々の手の奥にある試行錯誤と営み、そして塩がやがて海へ還り新しい循環へと戻っていく時の連なりに思いを馳せる作品です。空間演出はデザインユニット・SYMBOL PLUSが手がけ、工場の風景や歴史を再編集した導入空間とともに、製塩工場の製造ラインを巡るツアーとして構成されます。
● 株式会社トンボ(岡山県玉野市)
オーディオドラマ『TOMBOW Voice Theater - 制服にまつわる3つの物語 -』

制服は、ただ身につける衣服ではなく、誰もが青春を重ねた記憶の器でもあります。日本中の学生服を生み出すトンボの工場で、資材倉庫から縫製、検品、アイロンまでの製造工程を巡りながら、テレビドラマ、映画、舞台と異なる分野を主軸に活動する3名の作家がそれぞれ手がけたオーディオドラマを鑑賞。それぞれ異なる視点から紡がれる“もうひとつの青春”を通して、ものづくりの現場に宿る想いや、制服がつないできた時間に出会うツアーです。
・ 『心臓に一番近いとこ』(資材倉庫) 脚本:武田 雄樹/声:木竜 麻生、山脇 辰哉 ―― 卒業式の前日、「第二ボタンいる?」と冗談めかして交わした幼なじみとの会話。言えなかった想いを胸に、大人になった彼女は学生服工場でボタンを扱う仕事に就いています。
・ 『おしゃべりな彼女』(縫製工程) 脚本:田中 未来/声:桜井 日奈子、安竜 うらら ―― 黙々とミシンを動かす職人の頭の中では、制服への愛が止まりません。「この制服を着る誰かの青春」を想像しながら一着一着を縫い上げる、笑いと誇りに満ちたストーリー。
・ 『私と日南』(仕上げ工程) 脚本:三浦 直之/声:森本 華 ―― 「かわいい制服が着たい」と親友と同じ高校を目指した少女。合格したのは自分だけでした。制服を交換して過ごしたある秋の日を描く、切なくも温かな物語。
● 株式会社パワーエックス(岡山県玉野市)
SAI『調整力』
再生可能エネルギー時代に欠かせない蓄電技術をテーマに、目に見えない「電気」と「調整力」を空間全体で可視化したインスタレーション。頭上の一つひとつの光は日本各地の発電所を、地面に投射される光は安定した電力を表します。天候によって発電のタイミングが異なる発電所の光が明滅しても、地面の光は暗くならない--その間を埋める蓄電池の役割を、光の対比によって直感的に体感できます。大型蓄電池を製造するパワーエックスの工場「Power Base」を舞台に、超急速EV充電器や大型蓄電池、生産ラインの見学と一体で構成されるツアーです。制作を手がけるSAIは、本芸術祭の展示制作のために発足したアノニマスの産業芸術家集団です。
● 三国工業株式会社(岡山県玉野市)
『MANTLE『船・心臓音・鉄』

三国工業は、船舶のエンジン部品などの製造や組み立て、塗装を手がける会社です。巨大な部品の製造のための工場には柱や空間を隔てる壁がなく、溶接や加工のための光や音が空間に瞬き、響き渡ります。本会場では、伊阪柊と中村壮志によるアーティストユニット「MANTLE」が、出荷される前の製品を設置するための台座と、それら工業製品の製造風景や3DCGなどを用いた映像作品を展示します。台座に製品が設置されることで、それらはひとつのマシンのように起動し、映像と連動しながら、私たちの生活を支える工業製品が繋ぐ未来の可能性を示唆します。
● オオノ開發株式会社(愛媛県東温市)|西沢 立衛/増田信吾+大坪克亘/山田 紗子
『最終処分場 -自然と産業、人とつくる風景-』

サスティナブルな環境の実現を目指すオオノ開發。会場となるのは、東温市の複合リサイクルプラント内にある管理型処分場です。処分場として使われる谷は、廃棄物と土が混ざらないよう地面と縁を切られた大きな鉢のような構造で、およそ15年をかけて廃棄物で埋まっていきます。見学者はマテラカラーの現場服をまとい、バスで頂上近くへ。谷の淵や人工的につくられた丘の上から、ダイナミックな処分場の風景を体験します。自然と人工物と人間がつくる風景が浮かび上がり、循環を身体で感じることのできる展示です。
展示作家と担当箇所:
西沢 立衛:展望台、増田 信吾+大坪 克亘:広場・バス停、山田 紗子:バス・ウエア
瀬戸内産業芸術祭2026 展示作品一覧

参画企業・団体のご紹介
● 藤クリーン株式会社(岡山県岡山市)瀬戸内の暮らしと産業は、その土地の環境を守る営みによって支えられています。岡山に根ざす藤クリーンは、「廃棄物を資源へ」を掲げ、それを体現する企業です。産業廃棄物の収集運搬から中間処理・最終処分までを一貫して担い、近年は家庭のプラスチック資源のリサイクルにも取り組む、地域の循環を支える会社です。
● 児島ジーンズストリート協同組合(岡山県倉敷市)
瀬戸内・倉敷の児島は、足袋や学生服で培った裁断・縫製の技術を礎に、日本で初めてジーンズを生み出した「国産ジーンズ発祥の地」です。児島ジーンズストリートは、その歴史をそのまま体現する通りといえます。約400メートルの道沿いに地元メーカーの約40店舗が軒を連ね、世界に誇る一本を求めて、国内外から多くの人が訪れています。
● ナイカイ塩業株式会社(岡山県玉野市)
瀬戸内は、温暖で雨が少なく、海に恵まれた、古くから塩づくりに適した土地でした。岡山・玉野に根ざすナイカイ塩業は、この土地の風土をそのまま体現する一社です。かつての塩田で培われた製法を礎に、余計な殺菌などを加えず、自然のままに、それでいて安全に食塩を仕上げる。瀬戸内の海と歴史が生んだ塩を、今に受け継ぐ会社です。
● 株式会社トンボ(岡山県玉野市)
瀬戸内・岡山の地で、足袋づくりから学生服へと継承された熟練の縫製技術。その歴史を体現するのが「トンボ」です。1876年、玉野・八浜の足袋製造を起点に、時代とともに学生服へと進化。子どもたちの成長を見守り続け、創業150年を誇る日本有数の学生服メーカーとして、今もその伝統を紡いでいます。
● 株式会社パワーエックス(岡山県玉野市)
瀬戸内・玉野は、ものづくりの技と海の歴史が息づく土地です。次世代エネルギーカンパニーのパワーエックスは、この地に日本最大級の蓄電池工場「Power Base」を構え、2025年には本社も玉野へ移しました。系統用大型蓄電池をはじめ、電気運搬船といった製品の開発を通じて、目に見えない電気を社会に届け、持続可能なエネルギー社会の実現に挑む会社です。
● 三国工業株式会社(岡山県玉野市)
瀬戸内は、古くから造船の歴史が根付く土地です。玉野に拠点を置く三国工業も、その産業を支え続けてきた一社です。大正6年の創業以来、国内シェアトップを誇る舶用大型エンジンの部品製作をはじめ、産業機械や鋼構造物まで、設計から製作・修理までを一貫して手がける、まさに日本のものづくりを体現する会社です。
● オオノ開發株式会社(愛媛県東温市)
瀬戸内の豊かな自然は、その土地の環境を守る人々によって支えられてきました。愛媛・松山に根ざすオオノ開發は、まさにその担い手のひとつです。解体・土木から産業廃棄物の処理、汚染土壌の浄化までを一貫して手がけ、使い終えたものを資源として循環させる環境事業を、半世紀にわたり地域で築いてこられた会社です。
■ 一般財団法人日本産業芸術財団について

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「ウィズ京葉ガス」2026年6月に掲載されました
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