プレスリリース
【福井県坂井市】「開化絵」が描かれるほど三国港はハイカラだった
坂井市役所
2025.11.28
龍翔小学校、エッセル堤描いた引札 新たに発見

今回新たに見つかった引札。右手に三国港の文明開化のシンボル、五層八角形の龍翔小学校が大きく描かれ、河口奥にはエッセル堤が見える。まさに三国港の開化絵と言える貴重な資料
福井県坂井市の龍翔博物館で、12月7日まで開かれている秋の特別展「文明開化の華~龍翔小学校とエッセル堤~」で、明治前期の三国港の“文明開化のシンボル”として紹介されている擬洋風建築の「龍翔小学校」とオランダ人技師設計による「エッセル堤(三国港突堤)」の2つが描かれた引札(広告チラシ)が新たに見つかった、と同館が発表し特別展に追加展示されている。同館が確認した龍翔小学校とエッセル堤が描かれた引札は、同じ絵柄のもので3枚目となるが、今回のものが最も保存状態が良く、1882(明治15)年~88(同21)年の間に金沢(石川県)で印刷発行されたことも分かった。同館では、「当時の三国港が西洋化の先進地であり、開化絵として描かれるほど、近隣地域からも注目を浴びていたことが分かる」としている。
印刷は金沢 保存状態良く福井県内で見つかる
今回新たに見つかった引札は、和紙(縦25センチ×横36.5センチ)に木版で多色刷りされた版画。開化する三国港のにぎわいを描いた絵柄で、当時「開化絵」とも呼ばれた。九頭龍川河口の港には建ち並ぶ蔵、右手の丘の上には、五層八角形の龍翔小学校がそびえるように描かれている。左手には、海に延びるように築造された「エッセル堤」、入港してくる大型汽船、さらにその手前に掛かる橋の上には、シルクハットをかぶった男性やこうもり傘を持つ女性が描かれ、当時の三国の開化ぶりを強調している。
図面の左側には「広告主」の業種や店名を入れるスペースがあり、今回の引札は、地元三国の「阪井港竪町 鈴木喜三郎」という宿泊所が広告主。三国港が「阪井港」と呼ばれたのは1871(明治4)年から、89(明治22)年までで、この引札も住所に「阪井港」と記されている。また図面の左下には版元の「松岡堂」という印も見える。住所が「金沢区」とあることから、エッセル堤が完成した1882(明治15)年から、金沢区が金沢市に変わる1888(同21)年までに刷られたとみられる。引札は3枚とも展示されているが、今回見つかったものが、やぶれや色あせもなく一番保存状態が良い。

展示ケースには、先に見つかっている2つの引札も展示。保存状態は今回発見のものが一番良い
この引札は福井県南越前町の個人宅で見つかった。所有者の祖父が、自宅に大切に保管していたものという。当時、この引札が何枚刷られたかは不明だが、東京や横浜の開化の進展ぶりを描くことが一般的であった「開化絵」で、地方を題材にしたものは珍しく、同館の月僧亮我学芸員は「先に見つかっている引札では、金沢の広告主のものもあり、今回の発見した引札で、改めて版元が金沢であったことも判明した。これらの引札から、三国港の開化ぶりが、金沢など北陸一帯に伝わっていたことが読み取れる」と話している。
特別展では、三国港に築かれた重要文化財「エッセル堤(三国港突堤)」と、かつての越前を代表する擬洋風建築の「龍翔小学校」をメインにスポットをあて、貴重な写真や資料類約60点を展示、明治前期に北陸でいち早く進んだ三国港の開化ぶりを紹介している。会期は12月7日まで。午前9時~午後5時開館。水曜定休。観覧料は入館料を含め大人700円(高校生は無料)となっている。関連行事として、12月7日(日)午後2時から、同館の月僧亮我学芸員が「龍翔小学校にまつわるエトセトラ」と題して講演する。いずれも入館料が必要。問い合わせは、坂井市龍翔博物館=☎0776(82)5666=まで。
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今回新たに見つかった引札。右手に三国港の文明開化のシンボル、五層八角形の龍翔小学校が大きく描かれ、河口奥にはエッセル堤が見える。まさに三国港の開化絵と言える貴重な資料
福井県坂井市の龍翔博物館で、12月7日まで開かれている秋の特別展「文明開化の華~龍翔小学校とエッセル堤~」で、明治前期の三国港の“文明開化のシンボル”として紹介されている擬洋風建築の「龍翔小学校」とオランダ人技師設計による「エッセル堤(三国港突堤)」の2つが描かれた引札(広告チラシ)が新たに見つかった、と同館が発表し特別展に追加展示されている。同館が確認した龍翔小学校とエッセル堤が描かれた引札は、同じ絵柄のもので3枚目となるが、今回のものが最も保存状態が良く、1882(明治15)年~88(同21)年の間に金沢(石川県)で印刷発行されたことも分かった。同館では、「当時の三国港が西洋化の先進地であり、開化絵として描かれるほど、近隣地域からも注目を浴びていたことが分かる」としている。
印刷は金沢 保存状態良く福井県内で見つかる
今回新たに見つかった引札は、和紙(縦25センチ×横36.5センチ)に木版で多色刷りされた版画。開化する三国港のにぎわいを描いた絵柄で、当時「開化絵」とも呼ばれた。九頭龍川河口の港には建ち並ぶ蔵、右手の丘の上には、五層八角形の龍翔小学校がそびえるように描かれている。左手には、海に延びるように築造された「エッセル堤」、入港してくる大型汽船、さらにその手前に掛かる橋の上には、シルクハットをかぶった男性やこうもり傘を持つ女性が描かれ、当時の三国の開化ぶりを強調している。
図面の左側には「広告主」の業種や店名を入れるスペースがあり、今回の引札は、地元三国の「阪井港竪町 鈴木喜三郎」という宿泊所が広告主。三国港が「阪井港」と呼ばれたのは1871(明治4)年から、89(明治22)年までで、この引札も住所に「阪井港」と記されている。また図面の左下には版元の「松岡堂」という印も見える。住所が「金沢区」とあることから、エッセル堤が完成した1882(明治15)年から、金沢区が金沢市に変わる1888(同21)年までに刷られたとみられる。引札は3枚とも展示されているが、今回見つかったものが、やぶれや色あせもなく一番保存状態が良い。

展示ケースには、先に見つかっている2つの引札も展示。保存状態は今回発見のものが一番良い
この引札は福井県南越前町の個人宅で見つかった。所有者の祖父が、自宅に大切に保管していたものという。当時、この引札が何枚刷られたかは不明だが、東京や横浜の開化の進展ぶりを描くことが一般的であった「開化絵」で、地方を題材にしたものは珍しく、同館の月僧亮我学芸員は「先に見つかっている引札では、金沢の広告主のものもあり、今回の発見した引札で、改めて版元が金沢であったことも判明した。これらの引札から、三国港の開化ぶりが、金沢など北陸一帯に伝わっていたことが読み取れる」と話している。
特別展では、三国港に築かれた重要文化財「エッセル堤(三国港突堤)」と、かつての越前を代表する擬洋風建築の「龍翔小学校」をメインにスポットをあて、貴重な写真や資料類約60点を展示、明治前期に北陸でいち早く進んだ三国港の開化ぶりを紹介している。会期は12月7日まで。午前9時~午後5時開館。水曜定休。観覧料は入館料を含め大人700円(高校生は無料)となっている。関連行事として、12月7日(日)午後2時から、同館の月僧亮我学芸員が「龍翔小学校にまつわるエトセトラ」と題して講演する。いずれも入館料が必要。問い合わせは、坂井市龍翔博物館=☎0776(82)5666=まで。
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