介護中のばぁちゃん(じぃちゃんが介護している)が、元気な時に植えた植物のお花が、今年も無事、お花を咲かせました。雑草以外は、お世話をしていたんですが(雑草は暑いので放置)、少し涼しくなってきたので、鉢の中の雑草を抜いていると、この間調べて育ててみたくなった珍しい植物が生えていたんです。
その名は「マツバラン(松葉欄)」。
マツバラン(松葉蘭)は、マツバラン科のシダ植物で、マツバランには根も葉もありません。
地下部も、仮根(かこん)と呼ばれる根に進化する前の組織が見られるだけです。
生育環境は、湿った木の根元です。なんでも、岩の隙間などに生える着生植物だそうです。
原始的な植物で、茎だけで生きているのです。
現在では、品種改良も盛んにおこなわれ、美しい花を開花させる植物が多くなりましたが、もともと植物は、このような姿から進化したとされているようですよ。生きた化石のような植物だと分かって、大興奮!
世界的に分布している植物ですが(熱帯と亜熱帯が生育適地)、日本のほとんどの生育地域において絶滅危惧種の扱いになっていているんですって(環境省のカテゴリでは準絶滅危惧種に指定)。
こちらの雑誌『にっぽんの伝統園藝 vol.2』に16ページにわたって「マツバラン」が掲載されています。
一番知りたかった「マツバラン」の品種についても、写真付きで紹介されています。
緑のマツバランや黄色いマツバランなど、いろいろあって素敵ですが、正直どれも似ていて、素人判断では識別困難で、道端で出会ったものがどの品種かは解説はできません。
でもでも、自信を持って、この植物が「マツバラン」であることは間違いないので、スッキリしましたよ。
1764年~1771年頃に、マツバランは愛好され、珍種奇品を求め培養の成果を競うようになったものであろうとあります。1818~1829年頃には、異常なほどの流行があったそうです。
流行のはじまりは江戸時代とあり、全国の大名、富豪を含めた上流階級の愛玩植物(珍品)として高値で取引されていたことも書かれていました。
なんでも、最初に陸に生育できた植物(約4億年前)は、根も葉もないマツバランのような姿(マツバランではない)をしていたそうです(化石が発掘されています)。
マツバランは、植物の原型の姿を保ち、葉も花などは持たず、余計なものは全くなし。
シンプルな生き方を選んでいるとされていることろが、なんだかカッコよくも思えますね。
地上茎は、分枝し伸びてゆき、3つに分かれた胞子のうを付け、熟すと胞子を放出していきます。
植木鉢などの地下部の菌根類たちから栄養をもらって、胞子は育っていくのだそう。
数か所、ちょろちょろっと生えてきているんです。
探求心をそそられる奇怪な姿の植物は、絶滅危惧種の「マツバラン」。現在では、苗もあまり流通していなくて入手困難です。欲しいと思っていた植物が、生えてきて嬉しいです。
皆様も、この時期、夏場に生えた雑草を駆除する際に、このような植物を見つけたら育ててみませんか?入手困難なとても珍しい植物ですよ。
こちらの情報が誰かの助けや喜びになりますように…。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
別の鉢にうつしたいんですが、「マツバラン」が好む環境はこの場所のようで、そのまま増えるまでそっとしておくことにしました。観察が楽しみです。「マツバラン」は、新しい土を入れた鉢よりも、長年植物を育てていた鉢の中が好きなような気がします。そのような場所(長年育てている鉢、湿った木の根元付近)に自生しているかもしれませんよ。
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