カルミアは北アメリカやキューバが原産の、ツツジ科カルミア属の常緑低木です。
コンペイトウのような形をした色の濃いツボミを持つのが特徴で、花が開くと5角形の皿形になります。花は1cm〜3cm程で、白やピンクのものが多く、薄く模様が入ります。
可愛らしい花とは打って変わって、葉にはグラヤノトキシンという毒を含んでおり、食べると中毒を起こすことがあります。ペットや小さいお子様がいるご家庭では注意してください。
カルミアは北アメリカからキューバにかけて約7種が分布していますが、園芸品種は、ラティフォリア種、アングスティフォリア種、ポリーフォリア種の3種が主な系統です。
その中でもラティフォリが代表品種になります。どの系統も花は白やピンク、赤がほとんどで、特徴の違いは葉の大きさや模様などに現れます。
ラティフォリア種は葉が広くて厚く、花弁の中央には紫色や赤色の模様が入ることが多いです。
代表的な品種には、「オスボレッド」、「レッドクラウン」、「ピンクチャーム」、「フレックルス」、「エルフ」などがあります。
アングスティフォリア種は葉が細長く、花弁の中央には黄色や赤色の模様が入ります。代表的な品種には、「カオーセル」、「サラー」、「タイディー」などです。
ポリーフォリア種は葉が小さくて丸いです。花弁の中央には黒色や赤色の模様が入ります。代表的な品種には、「ポリフォーリア」、「ラブリー」、「バンディット」です。
「優美な女性」、「大きな希望」、「裏切り」
「優美な女性」はカルミアの花が、レースの日傘をさしている女性に見えることからこの花言葉が生まれました。
また、「大きな希望」もカルミアは多くの花が集まって咲くことから、希望に満ちた様子が伺えることからつきました。
他にも、「裏切り」などがあります。カルミアの葉には有毒成分が含まれているため、英語で「Lambkill(羊殺し)」という別名があります。
これは、かわいらしい花を咲かせるものの危険な植物であることからつけられた花言葉です。
カルミアは、日当たりと水はけの良い場所を好みます。日当たりが良いほうが花つきがよくなりますが、真夏の直射日光や、西日が直接当たる場所は避けてください。
カルミアはツツジ科の植物なので、やや酸性の土を好みます。鉢植えの場合は、市販のツツジや、サツキ用の培養土を使うと簡単です。
地植えの場合は植えつける場所にピートモスや鹿沼土などを混ぜ込んでおくのがポイントです。
水分を好むので、夏と冬に乾燥しないように特に注意し、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。
肥料は、2月頃に寒肥、花後の5月下旬から6月下旬にお礼肥、9月下旬から10月下旬に秋肥として固形の油かすや緩効性化成肥料を与えてあげましょう。
剪定は、自然に育てていても樹形が大きく乱れることはありませんが、木の内側に向かって伸びる枝や、飛び出した枝を整えてあげるとより美しくまとまります。
カルミアは、病害は少ないですが、褐斑病や黒斑病などの菌類による病気に感染することがあります。これらの病気は、葉に茶色や黒色の斑点ができたり、花が腐ります。
害虫は根本に雑草が生えていると、コウモリガが発生して幹に大きな穴をあけるので周辺の除草を心がけましょう。
ワシントンに贈った桜の返礼品が「ハナミズキ」だったことを知っている方は多いかもしれませんが、そのときに贈られたのは 「ハナミズキ」だけではなく、「カルミア」 も一緒だったと言われています。
そんな友好の証であるカルミアは日陰にも適応する丈夫な植物なのでシンボルツリーとしてもオススメです。
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