インドや中国南部を原産とするミソハギ科サルスベリ属の落葉高木です(日本には江戸時代以前に渡来)。樹高2~10mほどに生長し、夏場の炎天下の中、花を絶やすことなく、街行く人を楽しませてくれています。
すべりやすいことと(受験にすべる、落ちる)、公園や街路樹だけでなく、お寺や墓地などでもよく見かけることなどが重なって、庭に植えてはいけないと言われることもあったり、縁起が悪いとされています。こちらについては、迷信だという方も多いようです。夏空に、輝くように咲き誇っていている「サルスベリ」は、皆に元気を与えてくれています。
植え付け後、8年ほどたつと、幹の直径は太くなり、ヒンヤリした 白っぽい樹肌で、その名の通り、猿もすべるほどすべりやすくなっているのが特徴的です(樹皮が剥げ落ちてツルツル)。
開花時期は、7月下旬から10月上旬です。ひとつひとつの花は数日程度の日持ちですが、次から次へと蕾を付けて、開花します。間隔を空けず、ずーと咲き続ける特徴から、「百日紅」という漢字で書きます。
雌雄同株で、縮れた6枚の花弁は扇形です。よく見ると、不思議なお花ですねー!
サルスベリをよく見ると、黄色い糸状の長いものが、フリルのようなピンクの花の中にあるんです。調べてみると、このほとんどの糸状のものは、虫をおびき寄せる(虫の餌)、雄しべなんですって!
そして沢山の雄しべに混じって1本だけある先端が緑色のものが雌しべなんだそう。雌しべのみが、交配能力がありますよ。
サルスベリの花は、ハチなどの仲間が花粉を運んで受粉します。黄色い部分は、昆虫の食餌となります。もじゃもじゃに見えているものは、サルスベリの子孫繁栄に関わる大切な場所で、昆虫を誘い、誘われた昆虫は、そこにある黄色い花粉を集めている間に、雄しべの花粉を背中につけてしまいます…。
今度は、その近くにある雌しべの柱頭に、背中の花粉が動くことによって、引っ付くようにできているんです。この狭い場所で、受粉が一度に完了してしまうんです。植物って、賢いですー!
よく見ないと、人は見逃してしまいますが、奇妙なもじゃもじゃは、虫達を呼び込んでいるんですね。策略家でもありますね。
「サルスベリ」なんて名でなく、もっと素敵な名前が良かったですね?!
春の桜も綺麗ですが、炎天下の中、咲き誇る「サルスベリ」。桜に負けず劣らず綺麗ですね。
こちらの情報が誰かの喜びになりますように…
最後まで読んでくださりありがとうございます。
・「百日紅」という漢字が示すとおり、この花の花期は長く、おおよそ100日間も咲き続けると言われています。暑い夏、絶え間なく花を咲かせます。癒されますね。
・春の桜のように、夏は「サルスベリ」のお花がよく見られますね。実は、不思議なところがたくさんあるので、夏休みの自由研究のテーマなどにも向いていると思いますよ。
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