SNSで何かと話題のSpaghetti all'Assassina。
本家イタリアのYouTubeをきっかけに人気が出たようですが、もともとは1967年、南イタリア・プーリア州のBari(バーリ)という地域のAl Sorso Preferitoというレストランで作られました。
※数年前にBariに行ったことがあるものの、ほかにも名物が多いエリアなので、all'Assassinaはノーマークでした。。
ちなみに日本語だと「スパゲッティ」ではなく「暗殺者のパスタ」で検索したほうがヒットします。
Assassinaというのは「暗殺者」の意味(英語でもassassin/アサシンといいますね)。
前置詞 alla (「〜で」「〜風」)とくっついて、all'Assassina、読み方はアッラサッシーナとなります。
なぜ「暗殺者」なんて名前が付いたかというと、出来上がりのトマトソースに焦げ目がほんのりついて黒っぽくなり、血の色に見えるから、らしいですよ。
名前のインパクトのおかげでバズったともいわれているので、まぁ「この名前でよかったな」と思うことにいたしましょう^^
イタリアのパスタって「娼婦風」とか「炭焼き職人風」とか、果ては「貧乏人の」とか、なかなかユニークなネーミングも多いですが、結局どれもおいしい。
もちろん、暗殺者のスパゲッティもとってもおいしいんです!
「イタリアの郷土料理だなんて、食材も特別なものが必要なのでは?」と思われるかもしれませんが、今回使う材料はとってもシンプルです。
ポイントは、「トマトピューレ」と「トマトペースト」を両方使うこと。
両者の違いは何かというと、ピューレ(イタリア語ではパッサータ)はフレッシュなトマトを裏ごしして煮詰めたもの。
ペーストはピューレをさらに煮詰めて水分を飛ばし、濃厚にしたもの。
イメージ的には、ピューレはジャムっぽくて、ペーストは歯磨き粉っぽいテクスチャーですねw
Spaghetti all'Assassinaの場合、ピューレ(パッサータ)はそのまま、ペーストはお湯で溶いて「トマトのブロード」にして使いますよ〜。
基本の調理はホットプレートのみですが、ブロードだけは小鍋を使います。
お湯を沸かし、塩とペーストを溶かしたら、火を止める。これだけです。
塩の量は、パスタの茹で汁を用意するときのように、けっこうたっぷり。
味見してみて、塩味とおいしさをしっかりと感じるくらいの味にしておきます。
使ったのは、象印の『ホットプレートEA-KK30』。
このホットプレートには「深型プレート」「傾斜溝つき焼肉プレート」「たこ焼きプレート」と3枚が付いていますが、今回は「深型プレート」を使用。
あとで詳しくレポートしますが、この「深い形状」がスパゲッティ調理に向いているんです!
にんにくはみじん切り、鷹の爪(あれば、生の唐辛子)はあらみじんにして、たっぷりのオリーブオイルととともにホットプレートに投入します。
さて、にんにくを炒めるときの注意点は、ホットプレートを「予熱しない」こと。
ほかの料理は予熱をしてから作ることが多いですが、にんにくのみじんぎりに関しては、予熱しておくと香りが出る前に焦げてしまうので、冷たいままプレートにのせます。
(フライパンでにんにくを炒めるときも同じやり方です)
香りが立ってきたら、それ以上焦げないようにいったんスイッチを「切」にしてもOK。
この、つけたり消したりがラクラクできちゃう点も、ホットプレートの良いところかもしれません。
トマトピューレ(パッサータ)を加えて再び加熱します。
トマトが煮えてきたらスパゲッティも投入します。
ご覧ください。
スパゲッティを長いまま入れても、こ〜んなに余裕があります。
え? 当たり前でしょって?
いえいえ、フライパンでこれをやろうとするとなかなか難しいんですよ。
スパゲッティって長さがだいたい25cmはあります。
わが家の一番大きいフライパンの内径は28cmですが、内側に向けてテーパーがかかっているので、スパゲッティとの設置面は実質24cm程度しかなく、ホットプレートのようにスパゲッティを広げて並べることはできないのです。
広げて並べないと焦げ目がつかないし、トマトのブロードを十分に行き渡らせることもできません。
なので、以前フライパンで作ったときはスパゲッティをパリッと半分に折ってました。
(YouTubeを見ると、イタリア人でもそうやって作る人はけっこういるようです)
今回は折る必要がなく、「ホットプレートのためのスパゲッティなんじゃないか」と思ったくらい。
ちなみに今回は3人分で調理していますが、ホットプレートならもっと大量に作れますね。
具が不要なので失敗知らずだし手間もかからない、しかも安上がり!
大人数が集まるパーティ料理のひとつとしてもおすすめです。
ピューレをしっかりからめながら加熱していると、スパゲッティに焦げ目がついてきます。
ほどよく焦げ目がついたら、最初に用意しておいた「お湯+トマトペースト」のブロードを入れましょう。
お玉などを使って、3〜4杯。スパゲッティの上からかけていきます。
ブロードがなくなってきたらさらにもう少し加熱して、この時点で焦げ目を十分につけます。
おいしそうな焦げ目がついたら、さらにブロードを3〜4杯。
このブロードで煮込むという作業ができるのも、深さのある深型プレートならでは。
このくらいまでくると、焦げ目がつくだけでなく、スパゲティ自体がちょうどいい感じのかたさになっているはず。
そうしたら、何本か取って、味見。
かたさと塩味をチェックして、好みの頃合いに仕上げてくださいね。
このホットプレートは本体ガードがプレートより高くなっていて、熱いプレートに触れにくくなっているので、息子の調理中も安心して見ていられました。
「にぃに、そろそろいいんじゃない?」と待ち遠しい、毛むくじゃらのムスメ(味見係)。
はい、完成しました!
い〜い感じの焦げ目がついています♡
このお焦げがパリッとした食感を添えてくれて、おいしいんですよ!!
レストランでよく見かける、「美しいお山のように高く丸く盛り付けられたあのパスタ」を再現するには、お玉とピンセットを使います。
お玉で軽くスパゲッティをすくってから、ピンセットの先端がプレートに当たらないように気をつけて、お玉の中でスパゲッティを適量はさみ、くるくると巻き付けていく・・・そんなイメージです。
※プレートを傷つけないよう、ピンセットで直接プレートからすくわないように注意を。
このピンセット(イタリア語ではピンツェッタ)、イタリアでは盛り付けによく使われますが、日本で買うときは「料理用」ではなく「熱帯魚」の世話をする道具として検索したほうが、すぱっとヒットしますw
普通のトングよりつかみやすく、繊細な作業にも向いているのでおすすめです。
息子はこの盛り付けがとっても上手。
今回も上手に盛ってくれました◎
ではではさっそくいただきましょう。
ムスメはいつも最後にもらうことになっているので、しばらくおあずけです。
おいしそうな匂い、たまりませんな。
ちなみにパパは撮影係なので写っていません(笑)。
お味はどうかというと。
お湯+塩で茹でる普通のパスタより、トマトのブロードが麺の内側までしっかりと浸透している感じで、とってもおいしいです。
シンプルな材料なのに濃厚だし、何よりこのパリッとした食感が新しい!
どこのメーカーのピューレやペーストを使うかによって酸味のバランスなどが変わってくると思いますが、おすすめはやっぱりイタリアのものです。
そして先ほどから書いている通り、スパゲッティを折らずにそのまま入れられるフライパンって意外と持っていなかったりしますよね。
しかも、煮込む作業までできるとなれば、
「ホットプレート、いいねぇ」と何度もつぶやいてしまいました。
今回はスパゲッティを作ってみましたが、わが家のホットプレートメニューはほかにもいろいろ。
たとえば休日のブランチには、ハム&ベーコン、たっぷりのチーズをサンドして、バターを塗りながらカリッと焼き上げるトースティ。
フライパンだと1人分ずつしか焼けないのですが、このスクエア型のホットプレートなら一気にいけます。
すき間で目玉焼きを作ることもできますね♡
あと、私はよく広島風のお好み焼きを作るのですが、広島風って「こっちで生地とキャベツと豚肉を焼く」「あっちで焼きそばを作る」、そして「最後に全部一緒にする」みたいな手順なので、フライパンだと2個使いをすることになるんです。
やっぱりホットプレートよねぇ、としみじみ感じるメニューのひとつですね。
そしてもうひとつ。
最近ハマっている「ガチ中華」を作るにもホットプレートが大活躍。
とくに麻婆豆腐は、豆腐2丁、お肉500gをはじめ、スパイスや醤(じゃん)をいろいろ入れるので、一番大きいフライパンを使ってもあふれそうになり、いつも混ぜるのに苦労していました。
この深型プレートは、そういう悩みを一気に解消してくれて、とっても作りやすいと感じました。
それこそ、朝食・昼食・夕食と、いろいろなシーンで活躍してくれます。
コードが長めなので置ける場所を柔軟に選択できるのもとっても便利。
あ、そうそう! 汚れの落ちやすさも文句なしです。
今回のスパゲッティも焦げ目が付くくらいに焼き上げるので、どうしても汚れが残ってしまいそうなのですが、まったく苦労することなく楽に汚れが落とせました。
また、本体ガードが外せるので、丸洗いできるのも◎。いつでも清潔に使えていいですね。
片付けが面倒だと「しまいこんだまま」になってしまいがちですですよね。。
これだけすすっと汚れが落ちるなら、頻繁に使いたくなります。
今回ご紹介したSpaghetti all'Assassina。
スープで茹でるなんて、日本人からしても「目からウロコ」の調理法ではありますが、最近誰かが思いついた斬新なやり方というわけではなく、リゾッタータという伝統的な調理法にのっとった「イタリア人も納得」の方法です。
つまり、「ちゃんとおいしい」ので、試してみて損はないと思います!
※リゾッタータ:リゾットの調理法をパスタに応用したもので、炒めて香ばしさを出したパスタにブロードを少しずつ加えながら煮る方法のこと。
もちろん普通はフライパンで調理しますが、工程を考えるとむしろ「このホットプレートのための料理」なんじゃないか!と思えるくらい、ぴったりでした◎
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