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「ラタトゥイユ雑穀ごはん」で、子どもも喜ぶ「夏越ごはん」の新習慣

「ラタトゥイユ雑穀ごはん」で、子どもも喜ぶ「夏越ごはん」の新習慣
投稿日: 2022年6月7日 更新日: 2022年11月29日
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ライター/料理人。息子、夫、ロングヘアード・ワイマラナーと4人で、極...
ツヤツヤおいしそうな夏野菜を見かけると毎年作りたくなるのがラタトゥイユ。
フランス・プロヴァンス地方「ニース」の郷土料理です。

わが家では、ラタトゥイユといえば「レミーのおいしいレストラン」のあれ。
まだ幼かった息子と一緒にあの映画のDVDを何度も見て、
「このラタトゥイユが食べたい!」と大人も子どももテンションがあがりまして。

夏野菜のおいしいシーズンに再現してみたところ、当時は野菜が得意でなかった息子が
「おいちい♡」と喜んで食べてくれたのです。

実際食べると「レミー方式のほうが野菜ひとつひとつがおいしい」と感じるため、
以来、夏には必ず「レミーのラタトゥイユ」を作っています。

そして今年から、夏を迎える新習慣が新たにプラスされました。
それは、「夏越ごはん」として、雑穀ごはんとラタトゥイユを一緒に食べること。

夏越ごはんって何?
雑穀ごはんとラタトゥイユって合うの?

そんな疑問におこたえしつつ、レシピをご紹介したいと思います。
本当に心からおすすめしたい新習慣なので、ぜひぜひお試しください!

材料 (作りやすい分量でどうぞ)

  • 雑穀ごはん(今回は十穀米を白米に混ぜて使用) :人数分
  • ※今回は27cmのオーバルStaub鍋1杯分です
  • にんじん :1個
  • パプリカ(何色でもOK。今回は赤) :1個
  • 大きめのミニトマト(orミディトマト) :10~15個
  • 緑・黄ズッキーニ :各1本
  • 茄子 :2~3本
  • ハーブ(タイム、オレガノ、ローズマリーなど) :適量
  • オリーブオイル :適量
  • :適量

「夏越ごはん」って?→6月30日頃に作りたい行事食

みなさん、「茅の輪くぐり」ってご存知ですか?

神社の鳥居の下などに茅(ちがや)で作られた大きな輪っかが設置されて、
8の字を描きながら3回くぐり抜けて厄を落とすという伝統的な行事です。

全国の神社では年に2回、6月と12月の晦日に「大祓(おおはらえ)」という神事が行われ、
身についた穢れや罪障を祓い落とし、身を清めます。
無病息災や厄除け、家内安全を祈願する重要な行事なのですね。

6月末に行われる大祓を「夏越(なごし)の祓」と言い、
茅の輪くぐりはその中で行われる儀式のひとつなのだそうです。
茅の輪をくぐることで、半年の間に知らず知らずのうちについてしまった災いや厄を払い、
健康で幸せな生活が送れるようにとの願いが込められています。

「雑穀ごはん+丸い夏野菜=夏越ごはん」で無病息災を祈る

「雑穀ごはん+丸い夏野菜=夏越ごはん」で無病息災を祈る

ご近所の神社で茅の輪くぐりをやっている場合はぜひ足を運びたいものですが、
おうちで気軽に「夏越の祓」の行事食を楽しんでみてはいかがでしょうか。

古くから伝わる伝統的な日本の行事である「夏越の祓」に合わせて食べることで
夏を元気に乗り切ろう! という、いわば「新・行事食」。

「夏越ごはん」の定義はとってもシンプルで、
・ごはん(できれば雑穀入り)に、茅の輪を連想させる「丸い夏野菜」を使うこと
これだけです。

雑穀ごはんと丸い夏野菜(茄子、ズッキーニ、トマトなど)さえあれば、
おうちで気軽に「夏越ごはん」を作り、家族の無病息災を祈ることができるのです。

ちなみに盛り付けは、ごはんの上に夏野菜をのっけるのが基本のスタイル。
ですが今回は、雑穀ごはんの美しさ(←ホントきれいな色ですよね♡)を楽しみたいのと
茅の輪くぐりの「8の字」を再現したかったので、このような形にしてみました。

食べるときに、カレーのようにごはんとラタトゥイユを一緒にして味わいます。

わが家のラタトゥイユ、もとは「コンフィ・ビヤルディ」

わが家のラタトゥイユ、もとは「コンフィ・ビヤルディ」

レミーのおいしいレストランが公開されて以来、「レミーのラタトゥイユ」として
世界中に(!?)知れ渡ったこの料理。

じつは、フランス人の三ツ星シェフ、ミシェル・ゲラールがかつて
伝統料理であるラタトゥイユに新解釈を加えた「Confit byaldi」を考案しており、
その魅力を知っていたアメリカの超有名な三ツ星シェフ、トーマス・ケラーが、
映画の中で再現したものです。

「夏越ごはん」を作りましょう。何はともあれ、雑穀ごはん!

「夏越ごはん」を作りましょう。何はともあれ、雑穀ごはん!

雑穀米は玄米、あわ、キビ、もち麦、黒米、キヌアなどを白米に混ぜ込んだもの。
食物繊維、ミネラル、ビタミン類が豊富で、プチプチした食感がおいしい健康米です。

さまざまな種類がありますが、わが家は十穀米を愛用しています。
白米にサッとプラスするだけなので、手軽でおいしいんです。

カレーをつくるときは必ず十穀米にしていますが、
ラタトゥイユにも非常〜に合うということを、今回実感しました。

「ラタトゥイユにはバゲットのほうが合うんじゃない?」と
思われる方もいるかもしれませんね。私も以前はそうしていました。

でもじつは、南仏の家庭ではラタトゥイユにごはんを合わせることが多いんです。
あちらでは、ごはんは「添え物」というか、「副菜」の扱いなので、
ごはんがメイン料理の横に添えられていて、さらにバゲットがつく、というのが普通。
中でもラタトゥイユは、トマト味のソースがごはんにからんでおいしいからなのでしょう、
「ラタトゥイユ+ごはん」は非常にポピュラーな食べ方なんです。

フランスの米は日本のお米とは種類も炊き方も違ってサラッとしています。
たしかにそれだとラタトゥイユに合いそう!と想像できますが、
なんのなんの! 今回初めて合わせてみた雑穀ごはんの香りや食感は
ラタトゥイユと抜群の相性だったんです!!!

ラタトゥイユの作り方:まずはソースを用意します

ラタトゥイユの作り方:まずはソースを用意します

1)にんじん、玉ねぎをみじん切りにします。

これは煮込み料理やソースの仕込みに必須の「ミルポワ」(イタリア語ではソフリット)
というベースになります。
玉ねぎ、にんじん、セロリなどを使うのが一般的です。

オリーブオイルでじっくり炒めて野菜の旨みを引き出します

オリーブオイルでじっくり炒めて野菜の旨みを引き出します

2)鍋にオリーブオイルをたっぷり入れ、まずは玉ねぎをじっくり炒めます。
しんなりしたらにんじんも加え、さらにじっくりと炒めて野菜の旨みを引き出します。

ミルポワの旨みがあればブイヨンなどは不要。塩だけでおいしくなりますよ!

パプリカ、ハーブ類も加えてさらにくったりと炒めます

パプリカ、ハーブ類も加えてさらにくったりと炒めます

3)角切りにしたパプリカと、
軽く刻んだハーブ類(タイムやローズマリーなど。なければドライでも)、
トマト(分量の一部のみ。大きさにもよりますが、パプリカの半量程度)、
塩小さじ1を入れてさらに炒めます。

ここでいったん火を止めて、蓋をして置いておきます。

主役になる夏野菜たちを薄くスライスします

主役になる夏野菜たちを薄くスライスします

4)緑と黄色のズッキーニ、茄子、トマトを薄く輪切りにします。

※端っこは細かく刻み、先ほどのソースの鍋に入れて一緒に煮込むとムダが出ません。

ちなみに、ズッキーニのスライスにはスライサーを使うと早いです。

極薄よりはやや厚めのほうが食べ応えがある気がします。

茄子もスライサーでやってよいのですが、
やわらかい野菜なので、どうしても端っこが欠けがち。
(並べていけばわからなくなるので気にならない方はスライサーで)

トマトは手切りしたほうが楽だと思います。

スライスした野菜をきれいに並べていきます

スライスした野菜をきれいに並べていきます

※このあたりで、オーブンを150度に予熱しておきましょう。

5)Staubの蓋を開け、先ほどの「端っこ野菜」をすべて刻んで混ぜ合わせます。
ソースの表面を木べらなどでならしておきます。

6)スライスした野菜は上の写真のようにいくつかまとめてパーツをつくり、
それをソースの上にそっと並べていきます。

外側一列を並べ終えたところです。
並べるとき、野菜をななめにしすぎず、ちょっと立て気味にするとたっぷり入りますよ!

あ、そうそう。レミーのラタトゥイユでは、ソースを炒めた後、
ブレンダーにかけてペースト状にしています。

が、私はこのまんまのほうが好き(&楽チン)なので、
くったりした野菜のまま、それをベースにしています。

7)野菜がきれいに並んだら、
上からオリーブオイルをたっぷり(大さじ3くらい)かけ、
塩(小さじ1程度)を上からまんべんなくふりかけ、
刻んだハーブ(上の写真ではローズマリーとオレガノとタイム)も散らします。

※スライス野菜が全部並びきらなかったら、サラダなどに活用します。

オーブンで加熱したらできあがり!

オーブンで加熱したらできあがり!

8)蓋をして(もしくはクッキングシートで落としぶたのようにして)
150度で40〜50分(=じっくり野菜の旨みを引き出す)
 →蓋を取って、210度で15分(=おいしい色味に)加熱します。

※実際に作るときには、この待ち時間で雑穀ごはんを炊くのがおすすめです。
パリッと焼いたチキン(塩とハーブでシンプルに!)とラタトゥイユも非常に相性がいいので、
そういったお肉系もここで用意しておくとよいと思います。

加熱温度や時間はオーブンにもよるので、お好みでどうぞ。

私はちょっと表面がしなっとして「焼き上がった!」という感じのほうが好きなので、
しっかりと焼いています。

盛り付けは、「茅の輪くぐり」をイメージして

盛り付けは、「茅の輪くぐり」をイメージして

盛り付けは、「めんどくさ〜い!」と思わずに、楽しみながら・・・がコツです。
それこそ、「家族が健康でいられますように」なんて願いながら
丁寧に夏野菜を並べていくといいんじゃないでしょうか^^

今回は「茅の輪くぐり」がアイデアのヒントなので、そこを意識。

ごはんの周りにずら〜っとラタトゥイユを並べて輪っかのように仕上げてもよいのですが、
もうひとひねりして、「茅の輪くぐり=8の字で茅の輪をくぐる」というところから
「8の字にも見える盛り付け」にしてみました。

最初にも書いたように、
「ごはんの上にのっける」という基本のスタイルで楽しむのもおすすめです。

ラタトゥイユは、まず鍋の下のソースをたっぷりと丸くお皿に並べ、
その上から主役の野菜を盛り付けます。

鍋の中でもともときれいに並んでいるので、フライ返しや手をうまく使って
(まだ熱いので、使い捨ての手袋をはめてやってもいいかも!)
まずは一段目を丸く盛り、その上にさらに数枚を並べて整えていく感じ。

※味見をしてみて、もしも塩味が足りなければ、お好みで塩を足してください。

雑穀ごはんにラタトゥイユをのせて召し上がれ♪

雑穀ごはんにラタトゥイユをのせて召し上がれ♪

コクと旨味、甘味がたっぷりで、「夏のおいしさ」がぎゅっと詰まったラタトゥイユ。
この味わいには、雑穀ごはんが本当〜〜によく合う!

こうして誕生した、満足感のあるおいしい「夏越ごはん」。

毎年この季節の定番になりそうです。

コツ・ポイント

ラタトゥイユをおいしくする秘訣は、最初に野菜をじっくり炒めること(=ミルポワ)ですが、
もうひとつ、ハーブの香りも必須だと思います。

ローズマリー、オレガノ、タイム。
これらは鉢植えでもよ〜く育つので、バルコニーやお庭に植えてみてはいかがでしょうか。

わが家のバルコニーガーデンはとっても狭いのですが、
食べられるものばかりを植えているので、私にとってはお宝のような場所です(笑)

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