馬油は「バーユ」または「マーユ」と読み、その名の通り「馬の油」のこと。動物性の天然油で、馬のたてがみやお腹の脂肪などを煮立てて抽出したものです。
その歴史は古く、約4000年前には中国騎馬民族の間で使われていたそうです。 西暦5~6世紀ごろに中国で書かれた「名医別録」という本には、火傷や切り傷をはじめ、さまざまな皮膚症状の治療に馬油が用いられていたと記されており、日本には約400年前に九州南部へと伝来したと言われています。
古くは皮膚症状の治療として、現代ではスキンケア用品として馬油が愛用されている理由には、脂肪酸の構成バランスが深く関係しています。
脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けることができ、一般的に動物性脂肪には飽和脂肪酸が、植物性脂肪には不飽和脂肪酸が多く含まれます。
しかし、馬油は他の動物性脂肪よりも不飽和脂肪酸の構成比率が高く、その構成バランスは人間の皮脂に非常によく似ています。そのため、馬油は人の肌に浸透しやすく、しっとりと馴染んでくれるのです。
馬油の使い方は、普段のスキンケアに馬油をプラスするだけでOK。洗顔・化粧水の後に、少量の馬油をお肌全体に馴染ませます。かさつきが気になる部位には、馬油を重ねづけするのも良いでしょう。
また、小鼻や口元など、マスク着用で乾燥しやすい部位の保湿や、おへその手入れにもおすすめです。おへそに使う場合には少量を付けて5~10分程度放置し、ティッシュや柔らかい布などで拭き取りましょう。
人の皮脂に近い馬油は、赤ちゃんからお年寄りまで年代を問わず使えるため、育児や介護のシーンでも活躍してくれるでしょう。
今回は、馬油の特徴やスキンケアのポイントについてご紹介しました。
高い浸透力でお肌にしっとりと馴染んでくれる馬油は、スキンケアの強い味方になってくれます。 馬油の独特な臭いが苦手という方は、不純物を取り除いた精製度の高い馬油を試してみるとよいでしょう。臭いが少なく、肌馴染みの良さを実感できるはずです。
【美容ライター】 富永ゆう
キレイになれる情報を求めて日々情報収集を行い、そのネタを美容コラムとして発信中。併せて、30代になってから結婚した経験をもとに、恋愛に関する体験談も執筆している。
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます