シオンはキク科アスター属の植物です。開花時期は9月から10月で紫色や白色の花を咲かせます。英名では「tatarian aster(タタリアンアスター)」と呼ばれ、日本ではシオンという呼び方のほかに鬼の醜草(オニノシコグサ)や十五野草(ジュウゴヤソウ)と呼ばれることもあります。古くから親しまれている花で、今昔物語集にも登場します。父親の死後、父の死を忘れるためにカンゾウ(ワスレグサ)を植えた兄と、父の死を忘れないためにシオンを植えた弟のお話です。お話の中で、シオンは思い出を忘れない花とされています。
シオンの花言葉は複数存在し、「追憶」「遠くの人を想う」「君を忘れない」などがあります。今昔物語集のエピソードがこれらの意味の由来となっているようです。少しもの悲しい意味を持つため、人に贈るといったような恋愛向きの花ではないかもしれませんが、大事にしたい意味を持つ花ですね。
シオンは宿根アスターと呼ばれる種類の仲間であり、毎年花を咲かせる宿根草という植物です。春や秋に苗を購入し、緩効性肥料を元肥として与えながら植えつけてあげましょう。ただし秋に植える場合は急激な寒さにより枯れてしまわないよう注意が必要です。また半年に一度薄めた液肥をあげてください。害虫や菌類による病気の被害にあうことがあるので、適宜薬剤を散布するとよいでしょう。
休憩の季節となる冬には地上部が枯れますが、根は生きています。そのため控えめに水やりをすることで、翌年も花が咲くことでしょう。
シオンを園芸で楽しみたい方はこちらのネット通販などから苗を購入できます。
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参考文献
美しい花言葉・花図鑑-彩りと物語を楽しむ-(ナツメ社・2015)
園芸大図鑑 あらゆる植物が育てられる全1000品種以上掲載 新装版(ブティック社・2020)
花のことば辞典 四季を楽しむ(講談社・2019)
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