包丁の刃の材質は、いくつか種類がありますが、ステンレス製と鋼(はがね)に大別できます。家庭で主に使用されているのは、サビにくく扱いやすいステンレス製の包丁です。ステンレス製の包丁は、お値段も手頃なものが多いので、切れ味が悪くなると、新しいものに交換しやすいというメリットもあります。
そんなステンレス製の包丁ですが、突然切れ味が悪くなってしまった場合、応急措置としては、陶器の底を砥石代わりに使うという方法が効果的です。陶器は、お茶碗やどんぶり茶碗など、底に糸底といわれる丸い部分があるものなら、なんでもOKです。包丁の研ぎ方も、糸底のザラザラした部分に包丁を当て、手前にサッと引くという作業を二度ほど繰り返すだけと、とても簡単です。手前に引く際には、力を入れすぎないことがコツになります。陶器は、ぐらぐらすると危険なのでしっかりと手で固定することもお忘れなく!
上記の陶器を砥石代わりに使って包丁を研ぐという方法は、応急措置としてすぐに切れ味を復活させる分には効果的ですが、残念ながら切れ味を長持ちさせることができません。
切れ味を長持ちさせたい場合は、やはり砥石を使って研ぐ必要があります。砥石は、人工と天然の2種類がありますが、家庭用の包丁を研ぐ場合は、お値段も手軽でホームセンターなどで入手しやすい人工の砥石をおすすめします。
さらに砥石は、目の細かさによって、荒砥、中砥、仕上げ砥の3種類がありますが、家庭で使用する場合は、中砥を選びましょう。
砥石が準備できたら、研ぎ方のコツとして以下のポイントを押さえておきましょう。
乾いた砥石で包丁を研ぐと、刃がかけてしまう怖れがあるため、あらかじめ砥石に十分に水を含ませておくことが重要なポイントになります。
包丁を研いでいる間に、砥石が動くのを防ぐために、布巾を濡らしたものを砥石の下に敷いておきます。
研ぎ方として最大のコツになります。包丁を砥石に当てる角度は、斜め45度がベストです。この角度を保った状態で、砥石に当てていない部分を10度~15度程度浮かせます。
実は研いでいる間にこの角度を保つことこそが、包丁の切れ味をよくするための最大のコツになります。
上記の角度を保ったまま、包丁の刃を前後に滑らせるように動かします。押す時に力を入れ、引くときに力を抜くことをコツとして押さえておきましょう。(ただし、包丁が、片刃の包丁の場合は、押すときに力を抜いて、引くときに力を入れることになります。)
上記の作業をしばらく繰り返すと、「かえり」と呼ばれる金属片が出てくるので、それを取り除きます。片刃の場合は、かえりを取り除けば、それで研ぐ作業は終了です。両刃の包丁の場合は、裏面も同じ要領で行います。
仕上げとして、野菜などを切って、切れ味が戻ったかどうかを確認し、切れ味が戻っていれば作業が全て完了します。包丁はよく洗って十分に乾燥させておきましょう。
包丁の研ぎ方についてご紹介しましたが、ご理解いただけたでしょうか?キッチンに切れ味が悪くなって出番のない包丁があれば、これを機にぜひ、切れ味を復活させましょう。
ライター:sion
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