縄文土器といえば、粘土。材料となる粘土を採取することから始めます。粘土になる土はどこにあるのでしょうか?
粘土層は、岩肌が見えている地層で見つけることができます。深さはまちまちですが、砂利層の下の方に位置していることが多く、川や、宅地を造成するために掘られた場所などを探すと見つけやすいです。(写真は山小屋を建てるために、掘り起こした土壌。一面が粘土層でした!)粘土層は密度が高いため、乾燥している時はシャベルの歯が立たないほど硬いです。水で濡らして手の上でしばらく練っていると粘り気が出て来るのが特徴です。
粘土層の土を採取したら、余計な砂利や小石をしっかりと取り除き、水を加えながらしっかりと練っていきます。
写真左は粘土層の土、右は粘土層ではない土。
どちらも丸くはなるのですが、粘り気のない土で土器の形を作ろうとすると、ポロポロと崩れてしまい、土器づくりには向きません。
練り上がった粘土で好きな形を作ります。ここではアクセサリーパーツの作り方のみご紹介させていただきます。
《ビーズ》
①粘土でお好みの大きさの球を作る
②①の中央に楊枝を刺して穴を開ける(穴のサイズはお好みで)。
③全体に柄をつける。
《葉っぱのモチーフ》
①粘土を葉っぱの形にする
②楊枝やヘラなどで葉脈を描く
《丸や三角形のモチーフ》
①粘土を好きな形にする
②縄をよったものを使って、表面に柄をのせる(これが縄文土器の名前の由来です)
①かまどを作る
地面に直径1メートル、深さ20センチほどの穴を掘り、掘り起こした土を穴の淵に積み上げておく。
②空焚き(30分)
かまどに雑木などを入れて火を起こし、30分ほどかまど内を温める。
③乾燥(1時間)
雑木がほぼ燃え尽き、熾火が残っている状態になったら、熾火を隅の方一か所にまとめ、窯の中央に土器や作品を並べます。土器は温度差に弱いので、徐々に熾火を近づけていきながら、中までしっかり乾かすと共に、土器内部の温度を上げていきます。
④本焼き(4時間〜)
土器がしっかり乾いたら、土器を覆うように雑木や薪を並べて火をつけます。土器の大きさにもよりますが、4時間程度焼いていきます。
⑤冷却(一晩)
窯の火は、4時間くらいで自然に鎮火させます。
その後、窯から急に作品を取り出すと、温度差によりヒビ割れてしまうので、窯の中が冷えるまでそのままにしておきます。
一晩経って、翌朝の窯の様子です。灰の中から、土器やパーツが顔を出しています。
コロンとした可愛らしいビーズがたくさん焼き上がりました。
葉っぱや形のパーツも焼き上がりました。
ブラシや歯ブラシなどを使って、灰やススを払い、綺麗にします。
焼き上がったパーツをアクセサリーに加工します。
オススメのアレンジ方法…
★縄文ビーズは、フープに通してピアスに。
★葉っぱのモチーフは、裏側にブローチピンを。
★形のモチーフにはイヤリングパーツをつけました。
完成です。家の周りの土から作ったモチーフが、アクセサリーに大変身。
縄文土器というだけあって、重くないの??とよく言われるのですが、時間をかけて水分を飛ばし、じっくり焼いているので、天然石などと比べると1つ1つのパーツはとても軽いのでアクセサリーパーツとしては◎。肌に馴染む色味なので、カジュアルコーデにも綺麗めコーデにも相性が良く、意外と使い勝手が良くお気に入りです。
縄文時代の遺跡からは、実は土器などの生活用品と共に、ピアスやアクセサリーなどの副葬品も数多く見つかっています。形は違えど、古代の方々も土器を焼く時に一緒にアクセサリーを作って身に付けていたかと思うと、なんだかワクワクしますね。実際に作ってみると、古代の歴史がぐんと身近に感じ、とても楽しい経験でした。
縄文土器を作り、作った土器でクッキー作りに挑戦した長男。A4のファイル1冊分にまとめました。課題や反省点も多く見つかったようなので、あらためて検証するそうです。
縄文土器でクッキング。お湯を沸かして、クッキーを焼きました。
火加減が難しかった。
出来上がった縄文風土器はどれもお気に入りです。
特別な材料を使わなくても、身近にあるものだけで立派な土器が作れちゃう。昔の人々は、身近なものを工夫して生活をより快適に楽しくする工夫をしていたんですね。作品が完成するまでには、土作りを試行錯誤し、野焼きを3回行いました。。。途中で割れてしまったり、雨で濡れてしまったりと、温度管理や時間管理が難しく、苦労の連続でした。今のようにお金を払えばなんでもできるし、手に入る時代だからこそ、苦労が支える、ものづくりの原点を大切にしたいと心から思いました。子どもたちだけでなく、私にとっても初めての挑戦、なかなか大変でしたが学びの多いひとときになりました。
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます