災害に備えるにあたって、まずは情報収集が大切です。自治体が発行しているハザードマップや防災情報などで、住んでいる地域やその周辺で起こりうる災害について情報収集することができます。
地域の避難経路や避難場所、災害時に拠点となる病院などを防災マップにまとめ、避難経路は子どもたちを連れて安全に避難できるルートかどうか、実際に歩いて点検しておきましょう。倒壊の危険がある古い家屋やブロック塀などがないか、段差など足元に注意が必要な場所はどこか、洪水や大雨の際に水が多く溜まったり水の勢いが増す窪地や狭い路地はないか、家族で一緒にチェックしながら歩いてみることをオススメします。
また、自治体などで行われる防災訓練やイベントは、万が一の時に支援が必要となる、子連れ家族が住んでいることを知ってもらえるチャンスです。積極的に参加して地域の方と顔見知りになっておきましょう。
幼稚園や保育園、小学校で避難訓練がありますが、自宅でもおもな災害を想定した避難訓練を家族で定期的に実施することをオススメします。
例えば、地震を想定した避難訓練。揺れを感じたら、窓ガラスや本棚などの背の高い家具から離れ、机の下や布団の下など、頭を守れる場所へ移動し、揺れがおさまるまで安全確保に努めます。赤ちゃんや子どもはママのお腹の下に隠すように守ってあげましょう。「○○の部屋にいる時に地震がきたら、どの場所に移動し、地震がおさまるまでどのように待機するか」をケースごとにシミュレーションしておくと、いざという時にスムーズに行動できます。室内に閉じ込められてしまわないよう、扉や窓を全開にしながら移動し、避難経路を確保しておくこともポイントです。
揺れが落ち着いたら周りの状況を確認し、頭を保護する防災頭巾やヘルメット、足を保護する靴を履かせ、避難バッグなどを出して、避難場所へ向かう準備をします。建物などの倒壊、避難者の混雑で、悪路が続く可能性も高いため、赤ちゃんを連れて出る時はベビーカーを使用せず抱っこ紐で移動するようにしましょう。自宅を離れる時は電気のブレーカーを落としておくと二次災害防止になるようです。
このような一連の流れを避難訓練として日常から確認しておくことで、万が一の時に落ち着いて行動できるようになります。
「日常持ち歩き用」は、いざという時どんな場所にいても必要になるものなので、普段の外出時のバッグにも常に備えておきたいものです。オムツやおしりふき、哺乳瓶など普段の持ち物に加えて、以下のものを日常使いのバッグに入れておくとよいでしょう。マスクは避難時の砂埃や感染対策に、スーパーの袋は応急手当や簡易オムツなど何かと便利に使えます。ホイッスルは万が一閉じ込められた時、外部へ存在を知らせる命綱になります。
1. 母子手帳
2. 健康保険証・子ども医療証
3. 常備薬
4. マスク
5. スーパーの袋
6. スマホ充電器
7. ホイッスル
「非常時用」とは、いわゆる避難バッグのことです。子どもの年齢によって準備するものは変わりますが、避難生活に必要になるものを、日頃からリュックサックなどにひとまとめにしておくと、災害時にスムーズに持ち出すことができます。大切なのは持って出掛けられること。充実していることも大事ですが、重量オーバーにならないよう、できるだけかさばらない仕様のものをピックアップしておくことをオススメします。自分で荷物を持てる年齢の子どもがいる場合は、子ども用リュックサックを準備しておきましょう。「非常時用」のバッグは玄関などの出入り口に近い場所に置いておくことが推奨されています。もし車を持っている場合は、車のトランクにも同じものを備えておくとベストです。
1. オムツ(1日分10枚ほど)
2. 衣類(着脱しやすいもの、軽量の防寒対策着も入れておく)
3. ミルク(キューブタイプが計量不要でコンパクト)
4. 哺乳瓶(使い捨てタイプ)
5. ベビーフード(容器一体型が便利)
6. ミネラルウォーター(赤ちゃんがいる方はミルクに使用することも考慮して多めに)
7. 食料品(赤ちゃん用おやつも)
8. ラジオ
9. 懐中電灯
10. ヘルメット
11. 生理用品
12. 救急セット(絆創膏、ガーゼ、消毒液など)
13. 衛生セット(除菌シート、マスク、おしりふき、ペーパー歯磨きなど)
14. アルミブランケット(1人につきひとつ)
15. ビニール袋
16. おしゃぶりやおちゃなど、これがあれば落ち着くというグッズ
「備蓄用」は、避難が長引いた場合に備えて「非常時用」とは別に準備しておくものです。一次避難時には持ち出せなくても、災害が落ち着いて自宅に取りに戻れる状態になった時に補充できるよう、最低3日分の分量を取り出しやすい場所にまとめて保管しておきましょう。
1. ミルク(キューブタイプなどかさばらないもの)
2. オムツ(圧縮袋に入れてストック)
3. おしりふき(手や身体を拭うのにも使えるので多めに)
4. 食料(長期保存が可能なもの)
5. おやつ(かさばらないもの)
6. ミネラルウォーターなどの飲み物
7. 衣類
8. タオル類
9. トイレットペーパーやティッシュペーパー
「非常時用」「備蓄用」の防災グッズは、食料の賞味期限やオムツや衣料のサイズを考慮して、子どもの成長と共に定期的な見直しが大切です。
いつ起こるかわからない災害への備え。とある調査では、やらなきゃいけないことはわかっているものの、十分に対策ができていないという人が7割以上いるというデータもあるようです。家族の命を守るためにも大切なことです。今から少しずつでも準備を進めていきましょう。
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