――カタログ通販やネット通販は便利ですが、家具のような大きな買い物をするのは勇気が必要かもしれません。通販で購入するメリットやデメリットを教えてください。
山田さん:わざわざ店舗に行かなくても、ご自宅など好きな場所で、デザインやサイズ、価格などの情報を比較検討できることが一番のメリットでしょう。リアルショップの場合は、売り場を歩き回り、場合によってはいくつもの店舗をはしごしなければ、商品の比較ができません。その都度、サイズなどをメモしながら回ることも手間ですし、店に行く時間もかかります。分からないことがあればメールで問い合わせもできますので、あまりデメリットは感じないと思います。
――カタログネット通販を利用する方の中には、「サイズ感や素材を把握しづらいのでは?」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
山田さん:サイズや素材については詳細な情報を明記していますし、室内に配置した写真も掲載しているため、どんな空間に合うのか、部屋全体のインテリアイメージも膨らませやすいと思います。「家具を搬入してみたら思っていたよりも大きかった」というケースはありますが、それは実店舗で家具を見てから購入しても起こりえることです。当社をはじめ、一般的なネット通販ではクーリングオフが効きますから、サイズオーダー品以外はお客様都合での返品が可能です。恐れずに購入していただきたいです。
――購入後に返品をされるお客様はどのくらいいらっしゃいますか?
山田さん:全体の1%にも満たないですね。戸建ての2階や3階に設置したいものの階段を持って上がれない、マンションの入口を通れないといった、搬入経路の問題で納品できなかったケースがほとんどです。梱包のサイズをお伝えし、搬入経路を事前に確認していただくようアナウンスをしておりますが、なかなかゼロにはなりませんね。
――インターネットで家具を購入するお客様は、どんな方が多いですか?
山田さん:主要な家具を、既にお持ちの方や購入済みの方がメインです。特に新築マンションを購入されたお客様は、オプションで作り付け家具を注文することが多いため、それ以外のソファやダイニングセットをインターネットで購入する方が多いようです。収納内部の小物類も、インターネットで買い揃える方をよく見かけますね。
【写真】LDKで大きな面積を占めるソファやダイニングセットは、じっくりと比較して自分に合う商品を選びたい。
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――「無料設置サービス」「無料引き取りサービス」について教えてください。
山田さん:ネット通販で購入する家具は「玄関先渡し」で組み立てが必要な商品も多いと思います。しかし、大型家具を自身で完成させるのは大変で、組み立てが甘くなりがちです。当社の大型家具は、当社の専門配達員が設置しております。(一部対象外の商品もあります)
また、当社では家具を「買い替える」と言うより、「アップグレードする」という感覚で販売しております。長く使える商品を作ることが私たち企業側の責任ですし、古い家具の処分についても、我々家具の販売店や製造元が考えるべき課題だという思いから「無料引き取りサービス」をスタートさせました。外に粗大ごみ放置するのは抵抗があるお客様が多く喜ばれております。
――暮らしのデザインでお薦めの商品を教えてください。
山田さん:当店では、天然木でつくられた商品を推奨しています。様々な樹種がありますが、最近はウォールナットやオーク、少しコストを抑えるならアルダーが人気です。色や素材感、木目の美しさをチェックする方も多いですね。
無垢材はコストが嵩みますし、家の湿気や乾燥により“反り”や“ねじれ”がおこり、酷ければ割れてしまうこともあるため、無垢材の薄いスライスを貼る「突板」でつくった家具がほとんどです。でも、家族が集まるLDKの家具は、こだわって天然木を取り入れる方が多いですね。
――今、売れているのがどんな商品ですか?
山田さん:4~5年ほど前から、「LDKには家具を置かずにすっきりと暮らしたい」という方が増えています。そのため、限られたスペースを有効に活用できる、ダイニングソファが非常に売れていますね。お子様を床で遊ばせるローライフが主流になっていることから、普段は低めで、食事中はテーブルの高さを調節して高めに設定できる、昇降式テーブルも人気があります。
また、LDKはできるだけシンプルにまとめ、収納は専用の小さな部屋を設ける方が増えています。書庫やウォークインクローゼット、ランドリールーム、靴箱など、限られたスペースを余すところなく活用し、整理しやすい部屋をつくるための収納用品も人気です。
【写真】収納家具は豊富なサイズと色展開が揃っているので、家の雰囲気に合うものを選びたい。
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――暮らしのデザインで販売する家具の特徴を教えてください。
山田さん:当社では、できるだけ日本国内で製造した家具を販売するようにしています。国産品であれば、例えば扉が傷ついてしまった際、扉だけオーダーして交換することが可能です。メンテナンスのしやすさに加え、海外製品は日本と異なる環境でつくられています。湿気が原因で合板の表面が剥がれるなど不具合出ることもありますので、作る環境と使う環境は同じ風土の方が安心です。
――国産で樹種にもこだわった家具を、どんな方に使っていただきたいですか?
山田さん:「小さな子どもがいるから」と、汚れることを気にして安価な家具をお使いの家庭も多いと思います。しかし、最近はメンテナンスをしやすい商品も増えていますし、お子様が小さなうちこそ、いい家具を使いながら子育てをしてほしいと考えています。何よりも、気に入った家具に囲まれて過ごすのは幸せなこと。一生モノの家具を見つけていただきたいですね。
新生活を始めるタイミングには、揃えなければならないものがたくさんあります。店舗をはしごしてお気に入りを見つけるもの楽しいでしょうが、一生モノだからこそ、サイズや材質など様々な情報をじっくりと比較検討できるネット通販も魅力があります。自宅で好きなだけ時間をかけながら、自分にとってベストな家具を見つけてみてはいかがでしょうか?
取材協力:プラス株式会社
斎藤若菜 住宅ライター
ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。
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