近場のドライブ旅行や帰省などをのぞき、飛行機などで旅行デビューするのにふさわしいのは生後6ヶ月ごろです。この時期は、ママが育児に少しずつ慣れてきて、赤ちゃんの生活リズムも整ってきたころ。首がすわり、なかにはおすわりできる子もいるので現地でのお世話がしやすくなります。
生後6ヶ月をおすすめするもうひとつの理由は、離乳食がまだあまり進んでいない時期だということ。一般的に離乳食は生後5、6ヶ月からスタートしますが、旅行先で離乳食を食べさせるのは手間がかかり大変。食べられるものがまだ少なく、体調を崩してしまうリスクもあります。海外だと衛生面も心配。離乳食は旅行が終わってから始めるか、もし始めていても旅行中は中断するほうが安心です。中断してもあまり支障がない離乳食初期の段階、つまり生後6ヶ月ごろが一番行きやすいというわけです。
【写真】首や腰がすわるとお世話はずいぶんラクに。抱っこでプールを楽しむこともできます
赤ちゃん連れなら、旅先はあたたかい場所が断然おすすめ。理由は、体調を崩しにくいからです。特に人気の旅先は、グアム、ハワイ、沖縄。どれも温暖な地域ですね。スキーリゾートなど寒い地域は、どうしても風邪を引きやすくなってしまうもの。気を使って外出を控えたりすれば、結局はパパとママもあまり楽しめません。0才代なら雪遊びもできないため、赤ちゃんにもメリットはほとんどないと言っていいでしょう。
また、あたたかい場所だと着替えなどの荷物も少なく、かさばらずにすみます。着替えは薄いTシャツや肌着、短いパンツなどで充分ですし、現地で洗濯してもすぐに乾きます。寒い地域だとさらに防寒着が必要になるため、おむつなどのお世話セット以上にかさばることになります。
【写真】はじめての海遊びは赤ちゃんにもいい刺激がいっぱい。ただし暑くなりすぎない午前中に訪れるのがおすすめです
赤ちゃん連れにとって、「ベビーカーが通れない」「建物にエレベーターがない」「トイレにおむつ交換台がない」など、予想外のトラブルやハプニングはつきもの。出産前に訪れたことがあっても、改めて気付かされることがたくさんあります。まったく初めての場所ならなおさら。もし旅先の絞り込みに迷ったら、パパやママが一度でも訪れたことがある場所にしましょう。なんとなく現地の雰囲気がつかめて、地理が頭の中に入っているだけでもずいぶん過ごしやすくなるはずです。
また、意外と大事なのは時差です。時差が大きいとせっかく整ってきた生活リズムが崩れやすくなり、夜の寝かしつけで苦労するケースも。国内旅行では問題ありませんが、海外の場合はフライト時間を気にするより時差が小さい場所を選ぶほうが、滞在中ごきげんな時間が長くなるかもしれません。そういった意味では、時差1時間のグアムが赤ちゃん連れだと最もおすすめ。ちなみにハワイは時差19時間ですが、日本を夜出発して朝到着する便を選ぶとフライト中に寝てくれやすいため、時差ボケを最小限にすることができますよ。
【写真】筆者は何度も訪れたことがあるオーストラリア・シドニーへ子連れ旅。親に土地勘があれば、ママと子どものふたり旅にもトライできるかも?
フライト選びでは、多少旅費が上がっても直行便にこだわってほしいところ。赤ちゃんを連れて飛行機を乗り継ぎするのは、想像以上に体力を消耗します。搭乗手続きをして、スーツケースを預け、搭乗まで待つ…。直行便なら1度ですむことが、乗り継ぎ便だとそれぞれ倍の手間がかかる場合があるからです。海外旅行はもちろん、国内でも沖縄の離島に行く場合など那覇を経由するより直行便を利用するほうが絶対にラク。国内で地方空港から国際空港までの乗り継ぎがどうしても必要な場合は、国際空港で前泊するなどスケジュールに余裕をもたせてみるのも手です。
旅行するタイミングと旅先選びは、赤ちゃん連れ旅行プランニングのスタート地点。これらを参考に、子どもが過ごしやすい&パパママの負担も軽くなる旅行プランを立ててみてください。
【写真】子連れだと、空港まで行くだけでも大変。直行便を選び、荷物を持って移動する手間をできるだけ省きたいところ
佐藤望美 エディター・ライター・翻訳家
女性誌、ママファッション誌、育児誌などで活動するフリーエディター・ライター。得意分野は育児、トラベル、ファッション、ライフスタイル、食。トラベルは子連れ旅行専門トラベルライターとして情報サイト「FOOTABY!」を運営するかたわら、さまざまな媒体にルポを執筆中。自身にも5才&1才の子どもがおり、国内外の子連れ旅行はすでに30回以上。
参照記事 https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1530/
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