ここで質問。みなさんは正しい半身浴の方法というものをご存知でしょうか? じつは、正確に知っている方は意外に少ないようです。「腰まで入ればいいんじゃない?」などと、曖昧に考えている方も多いのではないでしょうか?
半身浴は、38度から40度くらいのお湯に、みぞおちまで20分から30分程度浸ることが基本とされています。
まず、心臓からもっとも遠い足から腰にかけて順番にお湯をかけていき、38度から40度くらいのお湯にゆっくりとみぞおちまで浸ります。その際には、両手を使って交互に上半身にお湯をかけたり、リラックスをするために雑誌を読んだり、音楽を聴いたりしてもいいでしょう。香りを楽しむのであれば、入浴剤なども使用するとより身体をリラックスさせることができます。額や鼻の頭に汗がにじんできたら、しっかりと全身が温まってきた証拠。ゆっくりとお風呂から出ましょう。
これだけでも十分に身体を温めることができるのですが、髪や身体を洗った後、最後に3分間ほど肩まで浸かる全身浴を行うと、さらに身体を温めることができます。
半身浴での注意点は肩を冷やさないこと。血行が悪くなり肩こりなどの原因になる可能性もあります。風呂場を温めたり、肩にタオルをかけたりして対処します。
また、半身浴をするとたくさん汗をかくので、入浴前の水分補給は忘れずにしましょう。
半身浴と全身浴の大きなちがいは「肺や心臓にかかる負担を減らせる」ということ。その一番の原因は水圧です。じつは、肩まで浸かる全身浴は、私たちが想像しているよりも多くの水圧が身体にかかっています。その水圧が腹部を圧迫すると、横隔膜を押し上げ、肺はその分小さくなって、当然息苦しくなってしまいます。そうすると、心臓に血液が集中するため膨らんでしまい、平常時よりも心臓に大きな負担がかかってしまうのです。
半身浴では、上半身に水圧がかかる心配がないため、肺や心臓への負担が少なく、同時に新陳代謝も高まるため、冷え性の改善効果も得ることができるでしょう。さらに「肩こりや頭痛の緩和」「痔の症状の緩和」「胃腸の活発化」などのさまざまな健康効果を期待することができます。
【栄養士ライター】スズキ
栄養士養成施設を卒業後、栄養士の資格を取得し食品会社に勤務。食品会社を退職後は、自宅で料理教室を開き栄養学上正しい料理を広めています。現在は料理教室の運営の傍らタウン誌などで記事を執筆するなど、フードライターとして執筆を中心とした活動も行っています。NO.070
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