研究に7年という月日を費やした「すいおう」には、鉄分・ビタミンB2・ビタミンKなどが豊富に含まれています。なかでも、ポリフェノール、ルテインという2つの注目成分も含有されています。
◆ポリフェノール
ポリフェノールとは、有機化合物の総称。自然界にはイソフラボン、タンニン、アントシアニン、カテキンなど約5000種類があるといわれています。
「すいおう」に含まれているポリフェノールの数値は、ほうれん草の2.5倍、ブロッコリー、キャベツ、レタスの約5倍ともいわれています。またポリフェノールには、視覚機能の改善、アンチエイジング、血流の改善、肝機能の向上、生活習慣病の予防や改善、肌の引き締めといった働きがあります。
◆ルテイン
ルテインは高い抗酸化作用をもっているカロテノイドの一種で、緑黄色野菜などに多く含まれています。人間の目の中にある黄斑部や水晶体、皮膚などにも存在しており、これらの部位を正常に機能させるために欠かせない成分です。
「すいおう」に含まれているルテインの量は、ケールの約2倍、エンサイの約3倍、ブロッコリーにいたっては約10倍と、他の野菜と比較しても大量のルテインを含んでいます。
また、目の機能の向上や改善、美肌や炎症抑制などの働きがあります。
この他にも「すいおう」には、カルシウム、鉄分、ビタミンB1などの成分が数多く含まれています。
上記で「すいおう」そのものの成分についてくわしく紹介してきましたが、他の食品と合わせて食べた場合には、さまざまなよい作用をもたらします。ここでは、学会で発表された例なども踏まえて解説していきましょう。
◆血糖値上昇抑制作用
通常の食事と一緒に「すいおう」の加工食品を食べた場合、食後の血糖値の上昇を抑制させる作用が学会で発表されました。特に、食後30分の血糖値は約10mg/dlほど変わってきます。
◆血圧上昇抑制作用
こちらは動物実験。「すいおう」を粉末にしたものを餌に混ぜて高血圧の動物に与えた結果、最大で約30mmHg(ミリエーチジー)の血圧の上昇を抑制していたことがわかりました。これは、学術論文でも報告されています。
◆肝脂肪蓄積抑制作用
同じく粉末にした「すいおう」を餌に混ぜて動物に与えてみると、肝臓の中の総コレステロールと中性脂肪が最大で約100mgも抑えられることが学会において発表されています。
その他にも、美白作用、骨粗鬆症改善作用、抗酸化作用などが認められています。このように「すいおう」は、私たちの健康を維持するためのさまざまな働きを秘めています。ぜひ、食生活に取り入れて、健康な生活を送るためのきっかけにしてみてください。
【栄養士ライター】スズキ
栄養士養成施設を卒業後、栄養士の資格を取得し食品会社に勤務。食品会社を退職後は、自宅で料理教室を開き栄養学上正しい料理を広めています。現在は料理教室の運営の傍らタウン誌などで記事を執筆するなど、フードライターとして執筆を中心とした活動も行っています。NO.056
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