ある女性が飼っていた猫の親子の話です。彼女は知り合いから親猫と、その猫が生んだばかりの子猫2匹、合計3匹を引き取って一緒に暮らしていました。
しばらくたったある日、母猫が外に出たまま帰って来ない日がありました。心配になって家の周りを捜索すると、家の近くの道路のアスファルトに、その猫の毛と思われる茶色の毛がたくさん張り付いているのを見つけました。
おそらく車に轢かれてしまったのでしょう。彼女は胸が潰れる思いで猫の遺体がないか、周囲をくまなく探しましたが見つかりません。
保健所や警察にも連絡し、怪我をした猫が収容されていないか、猫の死体が持ち込まれていないかを問い合わせましたが、どちらも「ない」という回答でした。
もしかしたら、生きているかも知れない。どこかで傷が癒えるのを隠れて待っているのでは…。
彼女はそう信じて必死で近所を探し回ったそうです。
しかし猫は見つかりませんでした。
10日ばかり過ぎたある日、彼女はふと思いついて、事故があった現場付近を子猫2匹をカゴに入れて一緒に連れて歩き、親猫の名前を呼んで探してみたそうです。
外に出て不安になった子猫はニャーニャーと鳴いていました。するとその子猫の鳴き声を聞いて、近くの民家の軒下から母猫が前足で這って出て来たそうです。母猫は道路を横断中に車に轢かれ、骨盤を骨折してそのまま近くの民家に逃げ込んでいたのでした。
彼女はすぐに母猫を抱き上げて動物病院へ連れて行き、適切な処置をしたおかげで、その猫はそれから12年も長生きし、子猫とともに幸せな生涯を送ったそうです。
いかがですか。大怪我をして10日間も飲まず食わずで生き延びた猫の驚異的な体力もさることながら、自分の子猫の鳴き声を聞きつけて怪我をしているのに這って出て来た母猫の愛情。素晴らしいですよね。
果たして同じことを人間の母親もできるでしょうか。猫の愛情はこんなに深い!母猫が子猫を愛する奇跡のエピソードでした。
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