1. 「耐震」…揺れに耐えること
柱や壁などの骨組みや壁面を強化することで、地震の揺れに対抗します。建物自体の強度を高める方法のため、建物の“しなり”は考慮されておらず、地面からの揺れがダイレクトに伝わってしまうというデメリットがあります。
2. 「制震」…揺れを制御すること
外壁と内壁の間に「制震ダンパー(振動軽減装置)」を設置することで地震の揺れを吸収し、振動を抑えます。建物に“しなり”を持たせるため繰り返しの揺れに強く、高層ビルなどの高い建物に適しています。
3. 「免震」…揺れから免れること
建物と地面の間にエネルギーを吸収する鉄球や積層ゴム製の「免震装置」を設置し、地面と切り離すことで建物に地震の揺れを伝えません。基礎から大きな工事が必要なためコストが高く、広い土地が必要だというデメリットがあります。
3つの工法はどれも建物の損壊を防ぐのに優れていますが、中でも近年「免震」に注目が集まっています。
2011年に発生した東日本大震災では、免震構造のビルは他のビルに比べて最大で3分の一の揺れに抑えていたという結果が出ました。
また、熊本地震の際には、熊本県内にあったマンションやホテル、市庁舎、病院など約20棟の免震建物には、特に大きな被害が無かったと報告されています。
一般の住宅を建てる際、まずはしっかりとした強度を確保することが大切です。
建築基準法では「数百年に1度発生する地震に対して倒壊・崩壊しない強度」とされている耐震等級1以上への適合が義務付けられています。
さらに、住宅性能表示では、耐震等級2(等級1の1.25倍の強度)や等級3(等級1の1.5倍の強度)というランクがあります。このような“耐震性”を確保したうえで「制震」か「免震」をプラスするのが安心です。現在は「耐震」と「制震」を組み合わせる工法が多くなっています。
(※写真はイメージです)
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