「理想通りの出産じゃなかった」、「産後すぐに赤ちゃんのお世話が始まって、どうすればいいかわからない」、「もしかしたら私は育児に向いていないのかも」と、産後すぐのママを襲うのもマタニティブルー。産後2・3日の間に最も起こりやすく、2から3週間以内に収まることが多いとされています。これは、出産によるホルモン分泌の急激な変化によるもの。「私はハードな仕事に耐えてきたから大丈夫!」と思っている人でもかかってしまう恐れのあるものなのです。
多くの人は時間の経過とともに収まっていきますが、約10%のママは、その後産後うつにかかるという話も。初めての育児は慣れないことばかり。出産による体のダメージも残る中で赤ちゃんのお世話が始まります。最初は、2・3時間おきの授乳やオムツ替え、抱っこに明け暮れる毎日になるといえます。自分の思うように物事を進めることは難しいですし、生まれたての赤ちゃんとは意思疎通もできません。そんな中でブルーな気持ちにならない人の方が少ないともいえそうです。少しでも気晴らしができて、育児が楽しめるようになるためには、どうしたらいいのでしょうか。
各自治体では、生後2・3か月の赤ちゃんをもつママの自宅に、保健師や助産師が訪問します。そこで、赤ちゃんの発育の状態を見たり、自治体が提供している育児サービスについての案内をしてくれます。約1時間ほどですが、この機会をうまく使いましょう。初対面の相手に個人的なことを話すことに抵抗を感じるかもしれませんが、保健師・助産師は育児のプロ。産後の女性の揺らぐ心理を理解してくれます。誰かに話しをすることで心が落ち着いたり、「こんなことを考えてしまうのは自分だけではないんだ」と思えたりすることは大きな救いになりそうです。また、専門家に話を聞いてもらいたい場合は、カウンセリングを行っている病院や大学の紹介も受けられます。産後の女性を専門で対象とする機関もありますので、ぜひ利用してみましょう。
Facebookは知り合いが多いから逆に面倒…という方は、匿名でTwitterのアカウントを取ってみてはいかがでしょう。多くの女性が「ママアカウント」という、本名とは別のアカウントを取得し、Twitterで交流しています。「○○1ヶ月女の子」、「○○3ヶ月男子育児中」など、月齢・性別を公表しているので、積極的にフォローしてみましょう。また「#201701baby」など、同じ月齢の赤ちゃんをもつママたちがハッシュタグを使ってツイートしているので、それに参加することもできます。中には「ツイオフ」といって、月に一度、たとえば11月生まれだったら毎月11日にTwitter上でオフ会をしているママたちも。「いま授乳の間隔どれくらい?」とアンケートを取ったり、「うちの子全然寝てくれないんだけど、どうしてる?」とか、気軽に悩みを相談しあっています。特に夜間の授乳は、孤独を感じやすいものですが、Twitterでは同じようなママがたくさんいますので、心強い味方になってくれると思います。
空き時間を使って妊娠期を振り返るダイアリーをつけてみるのもおすすめです。心が安定しない時期に、過去を振り返って思い出を整理することで、今を客観的に見ることができます。初めて妊娠がわかった時の気持ち、夫や親に連絡した時の相手の反応、名づけの候補と理由、友人たちからのお祝い、出産のために準備したもの、わが子への想い…。写真や、お祝いの手紙などをスクラップするのも楽しいでしょう。世界にたった一冊の、家族のはじまりの本が完成すれば、将来、子どもと一緒に読む楽しみが増えそうですね。初めての出産・育児は、決して楽しいことばかりではありません。周囲からは、子どもがいるということだけで幸せだと思われがちですが、「いま自分はつらいんだ」と口に出すのは悪いことではありません。少しでも自分の気持ちが楽になる方法を見つけていきましょう。
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