産前産後の休業期間中の収入を補う大切なお金として出産手当金が支給されます。契約社員やパート等であっても健康保険に加入していれば支給されます。支給額は1日につき、「支給開始前12カ月間の各標準報酬月額の平均額÷30」の3分の2で、支給期間は、出産日以前42日より出産日後56日までとなっています。ただし振込まれるのは申請してから数ヶ月後なので、余裕資金を手元に置いておく必要があることに注意しておきましょう。
出産した時に健康保険から出産育児一時金が支給されます。出産育児費用として1児につき一律42万円(※)です。一旦立て替えしてから請求する方法と、健康保険から直接病院に支払われる「直接支払制度」を選択できます。出産予定の病院であらかじめ手続き方法を確認しておくとよいですね。なお出産費用が42万円に満たなかった場合でも、差額分が支給されます。
※産科医療補償制度対象出産でない場合は40.4万円
育児休業期間中の生活をサポートしてくれる雇用保険からもらえるお金です。原則、支給される期間は赤ちゃんが1歳になるまでですが、保育園が見つからないなどのやむを得ない事情がある場合は1歳6カ月まで受けられます。
支給額は1日につき、「育休開始前6カ月の賃金合計÷180」に対して180日目までは67%、181日目以降は50%で、2カ月ごとに支給されます(手続きも2カ月ごとに必要)。
また、ママとパパが両方育休をとれば、原則1歳2カ月まで取得可能となる嬉しい制度もあります(パパ・ママ育休プラス制度)。
妊娠中に重度のつわりなどのため会社を連続3日以上休んだ場合、傷病手当金が支給されます(自宅療養の場合は、医師の診断書が必要です)。支給額は1日につき、「支給開始前12カ月間の各標準報酬月額の平均額÷30」の3分の2で、支給期間は欠勤4日目から最長1年6カ月となります。ただ、出産手当金も対象となる場合、出産手当金が優先となり、二つの手当は同時に支給されません。なお傷病手当金が出産手当金より多い場合は、その差額が支給されます。
◆出産手当金◆
(98日間分の場合)「支給開始前12カ月間の各標準報酬月額の平均額」が15万円であったとすると
・15万円÷30×2/3=3,333円(小数点第1位を四捨五入)
・3,333円×98日間= 326,634円
◆出産育児一時金◆
42万円
◆育児休業給付金◆
(1年間分の場合)「育休開始前6カ月間の賃金合計」が90万円であったとすると
・90万円÷180=5,000円
・5,000円×180日×67%+(5,000円×185日×50%)=1,065,500円
◆傷病手当金◆
(30日間分の場合)「支給開始前12カ月間の各標準報酬月額の平均額」が15万円であったとすると
・15万円÷30×2/3=3,333円(小数点第1位を四捨五入)
・3,333円×30日間= 99,990円
このようにいろいろな公的制度がありますが、産休・育休中の収入はそれまでよりは少なくなり、マタニティ用品や赤ちゃん用品などの支出が増えますので、産休に入るまでに、計画的にお金を貯めて備えておくことを心掛けましょう。
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