長期にわたる返済期間中、毎月いくらなら返し続けていけるかをまず考えましょう。
目安は、今の住居費(家賃など)にマイホーム購入のためにしている毎月の貯蓄額を加えた金額から、固定資産税などの税金や、さらにマンションであれば管理費や修繕積立金など、マイホームを取得することで新たにかかることになるコストの分を引いた金額です。
ここで気をつけたいのは、借りてよいのは「返し続けていける額」であり、「金融機関が貸してくれる額」ではないこと。金融機関から提示される「借入可能額」は、一般的に「返し続けていける額」よりも高いことが多いものです。「こんなにも貸してくれる」と喜ばずに、あくまで自分の家計で「返し続けていける額」を基本に考えることが重要です。
「たくさん借りたい」「毎月の返済額を減らしたい」などの理由で、収入がなくなる年齢まで長期間の返済で住宅ローンを組む人も多くいます。まとまった資金ができたときに繰り上げ返済をすれば大丈夫、と考えていても、人生何が起こるかわかりません。気がついたら返済が進まず、70歳時に残債1,000万以上・・・なんてことになったら老後の生活が大変ですね。
したがって返済年数は、定年退職など現在の収入が途絶える、または減る時期までとしておくように心掛けましょう。
特に自営業の方は、いつまでも働けると考えて完済年齢を高齢に設定しないようご注意ください。また収入が途絶えてしまう病気のリスクは、高齢になればなるほど高まるものです。
またマイホームの資金計画には、借入額の他に、自己資金がいくらか考える必要があります。
貯蓄額に、親などからの援助があればその金額を加えて自己資金を割り出します。手持ちの貯蓄を全てマイホームの自己資金にまわしてしまわないよう注意しましょう。少なくとも生活費3〜6ヵ月分ほどの緊急予備資金と、近い将来に必要な教育費などは、確保しておきたいものです。
この自己資金から、マイホーム購入の際にかかる、登記費用や住宅ローンの事務手数料、火災保険等の諸費用を引いた金額が、物件の頭金となります。この頭金とローン借入額を足した金額が、マイホーム予算となるのですね。
新築物件の諸費用は物件価格の3〜7%、中古物件の場合は、物件価格の6〜10%が目安ですので、マイホーム予算は次の計算式で割り出すことができます。
(「無理なく返せる額から計算した住宅ローン借入額」+「自己資金」)÷(1+諸費用の割合)
計算例
たとえば【1】の「返し続けていける額」が月々8万円(元利均等毎月返済)、【2】の「返し続けられる年数」が30年の場合、固定金利1.5%での借入可能額は2,318万円となります。
無理なく返せる額から計算した住宅ローン借入額:2,318万円
自己資金:800万円
諸費用の割合:5%
上記の場合のマイホーム予算
(2,318万円+800万円)÷(1+5%)=3,118万円÷1.05=2,970万円
マイホーム購入で後悔しないためにはしっかりとした資金計画を立てることが不可欠です。
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