赤ちゃんは、1日1リットル近いミルクを必要とします。当然、母乳で赤ちゃんを育てているママにとっては、毎日それだけ体内の水分が失われていることになります。人間が1日に必要な水分摂取量は1.5リットル前後ですから、授乳中のママはそれより多くの水分が必要となります。どれだけ必要かは個人差がありますが、目安としては冬場で約2リットル、夏場の場合は、3リットル~4リットルといったところです。ただし、いくら喉がかわいたからといっても冷たい水を一気に飲むのはおすすめできません。胃腸が急速に冷えると体全体の冷えにつながり、乳管が詰まって母乳の出が悪くなる恐れがあるからです。水分は、暖かいものをなるべくこまめに飲む方がよいでしょう。また、確かに、水分補給は大切ですが、何リットルでも大量に飲めばよいというものでもありません。水分を摂りすぎると母乳がですぎて困るという事態にもなりかねませんし、過度な水分補給はむくみの原因にもなります。様子を見ながら、自分にとって適切な水分補給量を見極めることが大切です。
体によいといわれるミネラルウォーターですが、赤ちゃんの飲料水や粉ミルクの材料には向いていません。赤ちゃんの消化器官は、未発達なため、少量のミネラルでも胃腸の負担となってしまうからです。一方、消化器官が発達した大人であれば軟水のミネラルウォーターなどは、特に問題はありません。しかし、ミネラルが大量に含まれている硬水の場合は、大人でも胃腸の負担となり、場合によっては下痢や便秘の原因になってしまう場合もあります。特に、授乳中のママは、育児のストレスなどから気づかないうちに体力や免疫力が落ちてしまっている場合があるので注意が必要です。また、軟水でも海外製のものは殺菌が不十分なものがあるので、もしミネラルウォーターを飲むのであれば日本製のものを選ぶ方がよいでしょう。
夏の暑い日には、授乳中のママは脱水症状を起こしやすいので、水分補給には特に注意が必要です。また母乳の質を下げないためにも、失われた水分はこまめに補給する必要があります。しかしそうはいっても、1日に水だけを何リットルも飲むのはなかなか苦しいものです。そういう場合は、たんぽぽ茶やハーブティなど、ノンカフェインのお茶を代用すればよいでしょう。それならば、体に負担をかけずに水分補給が行えます。こうしたお茶には、イライラをおさめるリラックス効果もあるので、育児に疲れ気味なママには一石二鳥です。その他にも、スポーツドリンクや経口補水液なども消化吸収がよく、夏の水分補給にはおすすめです。ただし、経口補水液は塩分が含まれているので、がぶ飲みは避け、汗を大量にかいた時に少しずつ補給するようにしましょう。一方、カフェインの多いコーヒーや緑茶は利尿作用が高く、逆に水分を失ってしまう結果になるので水分補給にはおすすめできません。それに、母乳を通じてカフェインを赤ちゃんが摂取すると興奮状態に陥り、情緒不安定になってしまいます。もちろんアルコールの摂取は厳禁です。赤ちゃんは肝機能が未発達なため、アルコール入りの母乳を飲むとうまく分解ができず、発達障害や学習障害を引き起こす危険性があります。
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