ミョウガはショウガ科ショウガ属の多年草です。まずは、その効能から紹介しましょう。ミョウガには、アルファピネンとカリウムが含まれています。アルファピネンはヒノキにも含まれている精油成分で、独特の香りはこの成分によるものです。大脳皮質を刺激し、食欲増進、発汗作用・解毒作用などの効果が期待できます。また、夏バテ防止、頭をシャキッとさせて眠気を覚ます、呼吸を整える、血液の循環を促進して腰痛・肩こりを緩和させる、といった効能もあるようです。
カリウムは体内の余分な塩分を排出するので、高血圧予防、筋肉の動きを良くする、むくみ解消等の効能があります。他にも、抗炎症作用や抗菌作用、鎮静作用、鎮痛作用、さらにホルモンのバランスを整える効果もあり生理不順、更年期障害、生理痛や冷え性にも有効です。
料理の味を引き締める独特の香りを持ったミョウガは、素麺や冷奴の薬味など、脇役に徹することが多いですよね。しかし、いろいろな食材と相性が良いので、たまには主役級の扱いもしてあげましょう。
【独特の香りを活かしたレシピ】
丸ごと甘酢に漬けてピクルスにすると、甘酸っぱい爽やかな香りが口に広がります。また、食べごたえたっぷりな豚肉巻き、さっぱりとして食が進む炊き込みご飯もおすすめです。ミョウガをたっぷり入れたサラダやナムル、ミョウガがメインの卵とじや、ちらし寿司、刻んでスープや味噌汁の具にするなど、バラエティに富んだ調理法がたくさんあります。天ぷらにしても良いですよ。
【ミョウガの調理のポイント】
ミョウガの香りは揮発性が高いので、使う直前に刻むようにしましょう。刻んで時間が経つと、すがすがしい風味はかなり弱ってしまいます。刻んだら、アクを抜くためにサッと水に晒します。長時間晒すと香りも薬効成分もなくなってしまうので、「サッ」と行うのがポイントです。甘酢等に漬ける時は軽く湯通しすると、赤みが増して色鮮やかになります。
パック売りされているもののほとんどはハウス栽培されたものです。ふっくらと丸みのあるものを選んでください。自生のミョウガは、花が咲く前のものを収穫しましょう。保存する場合は、乾燥しないようにラップで包むか、ポリ袋に入れる、または新聞紙で包んで冷蔵庫の野菜室に入れるようにしましょう。
食卓に夏の香りを運んでくれるミョウガは香りが勝負です。その香りが飛ばないうちに、なるべく早めに食べるようにしましょう。
【栄養士ライター】スズキ
栄養士養成施設を卒業後、栄養士の資格を取得し食品会社に勤務。食品会社を退職後は、自宅で料理教室を開き栄養学上正しい料理を広めています。現在は料理教室の運営の傍らタウン誌などで記事を執筆するなど、フードライターとして執筆を中心とした活動も行っています。
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