高校でも大学でもそうですが、合格したら期限までに必ず入学納付金というものを支払わなくてはいけません。この入学納付金を支払わなかった場合は入学の意思がないものと扱われ入学は取り消しになります。
通常は滑り止めの学校の試験を受けて本命の学校の結果発表を待ちます。しかしこの結果発表の前に滑り止めの学校の納付期限が来る事が良くあります。すると20万~40万円の費用が発生することになります。学校によっては一部返金などといった措置をしてくれる場合もありますが、返ってこない事の方が多いです。
この無駄金を防ぐ為には子供が受験校を決める前に親子で計画を立てないと行けないのです。子供に好きな学校を受けていいよと子供任せでは無駄金が発生します。
習い事とは塾のような勉強ではなく、スイミングや書道、ダンス、アトリエ、ピアノなどの芸術、スポーツ系のお稽古事を指します。周りのみんながやっているから、友達に誘われたから、子どもがやりたがったから、子供には多才になって欲しいと思ってという理由で幼児期、小学生の頃から習い事を習慣化させていませんか?
アクサダイレクト生命保険が2013年より継続して行っている「子どものおけいこ事に関する調査」によると、子どものおけいこ事について母親の約6割が「費用がかさむ」と悩んでおり、平均月額も12,761円と3回連続減少傾向にあることが明らかになりました。
この調査は0~9歳の子どもを持つ25~44歳の母親2,080人を対象にインターネット調査にて実施した結果です。9歳までといえば小学校の低学年です。低学年の子供にこんなにお金がかかるとは、この結果に私などは驚いてしまいます。
しかしこんなに習い事が必要なのでしょうか?習い事がダメというわけではありません。本当に必要なものなのでしょうか?という事です。
実際に母親の約6割が「費用がかさむ」事に悩んで他の支出を削るといっております。自分の子供の為にという気持ちは良くわかりますが、子供が小学生のうちまでが大学進学までの教育費の本当の貯め時です。
中学、高校ともなると出費が多くてなかなか貯められません。この時期は習い事よりも貯め時なのです。
塾というものが私の最寄りの駅でも20件位あります。中学生の子供の友達もほとんどが塾通いしているといいます。(私の家で行かせていません)それもそうです。今の塾事情は首都圏だけでも見ると
【小学生通塾率】
・東京都 57.7%(全国1位)
・神奈川県 56.9%(全国2位)
・千葉県 51.9%(全国8位)
・埼玉県 47.3%(全国17位)
(※ 全国平均 47.3%)
【中学生通塾率】
・神奈川県 74.1%(全国1位)
・東京都 69.0%(全国6位)
・埼玉県 67.4%(全国8位)
・千葉県 67.0%(全国9位)
(※ 全国平均 61.1%)
(出典元:「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」文部科学省)
となっております。首都圏に限ると小学生で6割、中学生で7割が塾通いしていることがわかります。神奈川の中学生なんかは1000人生徒がいたら塾に行っていない子は259人と少数派です。ライバルが多すぎますね。
公開されているなかで最新版の文部科学省「子供の学習費調査」における公立小学校の塾にかかる平均費用は平均 52,183円です。公立中学校の塾にかかる平均費用は平均で204,583円となっています。(年額)
小学生と中学生での平均合計で9年間約90万円です。
2人いたら約180万円の学外学習費になります。
しかし問題は塾に行ったら成績が上がるのか?費用対効果はどうなのかというところだと思います。サンプル数は少ないですがリビング新聞のウェブサイトで調査がありました。2013年6月15日から10日間、男女78人の回答となります。学習塾へ通って、「とても成績が上がった」11%、「まあ成績が上がった」58%と69%の人が上がったと答えております。しかし31%の人が「成績が横ばい」「成績が下がった」という事も忘れてはなりません。
結局は本人次第になってしまうのです。また塾との相性というものもあります。塾に入れれば必ず成績が上がるという訳ではないのです。しかも「とても成績が上がった」11%は費用対効果があったといっても良いと思いますが、「まあ成績が上がった」58%という結果は費用対効果が薄いと感じざるを得ません。
なぜなら頑張っている子というレベルで見ると家庭教育だけの子でも同程度の数はいるからです。すると「とても成績が上がった」というのが塾に行く最大のメリットだと思いますが、約1割しか本当の費用対効果を生み出しておりません。それなら思い切って塾に行かせないというのもありだと思うのですがいかがでしょうか?
なぜ私が教育費の無駄遣いを警告するのかというと子供には奨学金という名の借金を背負って社会に出てほしくないという親心があります。
大学進学者の奨学金の利用率は独立行政法人日本学生支援機構が2016年3月29日に発表した【「平成26年度学生生活調査」】の内容では51.3%と過半数を超えています。
これは卒業後に子供たちが自分で支払う借金となります。平均借入額は奨学金の借入総額は平均312.9万円 「返済が苦しい」4割となっています。こちらは中央労福協(労働者福祉中央協議会)が2016年2月29日に発表した結果です。
実際に奨学金を抱えた新社会人の前途は大変です。完済予定期間は約18年となっています。
40歳まで返済が続く予定となります。
雑誌、メディア等で活躍している節約アドバイザーのヨースケ城山です。
給料そのままで「月5万円」節約作戦!!ごま書房新社など著書多数。
結婚、マイホーム購入、子育てといったライフイベントにも影響が続くのが奨学金です。子供には最高の教育を受けさせてやりたいという思いは私も同じですが子供に借金をさせてまで最高の教育を受けさせたいとは思いません。出来る範囲での教育費しか出せないのが現状なのです。
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