急変時とは大黒柱のリストラ、病気といった不測の事態についてである。大黒柱の死亡については団体信用生命保険に加入していれば住宅ローンが相殺されて住宅ローンは残らない。しかしリストラや病気は待ってはくれない。家族や親せきから援助してもらったりしながら耐え忍ぶしかない。また離婚が原因で妻に自宅を譲り、自分がローンを払い、アパートも借りるという生活を送る人も増えている。そうなると行き詰るのも時間の問題だ。
これを回避する方法は簡単である。住宅ローンの返済比率を下げておき、いざとなった時にも耐えられるだけの月額返済額に設定しておくことだ。ギリギリでは急変時は乗り越えられない、ワンランク下の物件で良いので余裕を持った月額返済額にしておくことをお勧めしたい。その為にも当初支払額のままでずっと行くのではなく、住宅ローンの借り換え時等に月額返済額を減らしていく工夫がメンテナンスとしては必要となってきます。
「繰り上げ返済はお得」という言葉、誰もが聞いたことがあるはずです。しかしこれは高金利時代のお話です。今の様な低金利の時代は必ずしもお得とは言えません。借入金額2000万円、元利均等方式 30年返済 借入1年後に100万円繰り上げ返済で計算してみると金利3%では利息の削減効果は130万円もありました。しかし金利1%なら30万円の削減効果しかありません。10年後に100万円返済だと仮定しても金利3%なら80万円の削減効果ですが、金利1%なら20万円の削減効果しかありません。
毎年繰り上げ返済が出来るとは限りませんので無理して繰り上げ返済して教育費がショートしてしまうリスクなども考えると低金利で組めた住宅ローンの場合は繰り上げ返済をしないでキャッシュで貯めるという方が現実的ではないでしょうか?
月額支払額も大事ですが総支払額はもっと大事です。それには住宅ローンの借り換えの見直しをお勧めいたします。はっきりとしたデータはありませんが、借り換え回数は平均2回から3回位というのが多いようです。それだけ住宅ローンへの意識が皆様の中に高いという結果と言えるでしょう。
もちろん借り換えするのには諸費用が必要ですが、それを考慮したとしても借り換えによって総返済額を減らしていくという事が非常に有効な考え方になります。もちろん1回も借り換えたことのない人という方も多くて、その一番の理由が「面倒くさい」というものです。住宅ローンは何十年も付き合うものですからメンテナンスは欠かすことが出来ません。
単純に言えば資金力に余力があれば変動金利、余裕がなければ固定金利が良いと思います。
言うまでもなく変動金利の方が金利は安く借りられます。しかし金利上昇リスクがあるのでいざという時に月額支払額を下げることが出来る余裕資金が必要です。それが準備出来るのであれば変動金利をお勧めいたします。
とてもそんな余裕がないというのであれば固定金利が安心です。少し資金的に余裕が出てきたと思った時でも繰り上げ返済はせずに借り換えなどをして固定金利から変動金利へ変更するなど臨機応変に対応すれば総支払額を減らすことが可能です。
住宅ローンには償還表というものがございます。しっかり見た人は少ないのではないのでしょうか?この償還表を見ると毎月の元本分、利息分なども記載されております。また5年後、10年後などの住宅ローン残高もわかります。これを常に意識して下さい。
自分の貯金の額は知っていても住宅ローン残高を意識している人は少ないと思います。毎月の利息がどれだけかかっているかを知っている人は必ず総返済額を減らすことが出来ます。毎月住宅ローンの利息で4万円も払っているとしたらどんな気持ちになりますか?くやしいですよね。
この利息を退治するために常に毎年の借入残高、毎月の利息分を意識して見てください。知ることがメンテナンスの第1歩になります。
大手銀行の住宅ローン担当者の話によると、住宅ローンの平均返済期間は15年以上20年未満ぐらいだそうです。当初の返済期間は25年以上~35年未満で借りていてそれを短縮して完済しております。もちろん定年退職時の退職金で完済という方も多いのですが、出来れば退職前に完済しておいて退職金は老後資金に充てたいものですね。
この記事を書いたのは?メディア、コラムなどで活躍中の節約アドバイザーヨースケ城山です。
給料そのままで「月5万円」節約作戦!など著書多数
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