「穂希はとにかく遊ぶ子でした。気づいたらピューと外に飛び出していっちゃうんです。わが家は武蔵野の自然豊かな環境にあったので、土にふれ、木々とたわむれ、子どもの自由な発想を形にしながら遊んでいたのだと思います。
さんざん遊んでいたせいか、よく食べるし、夜はコテンと寝てしまう。育てやすかったです。運動神経のよさも、生活リズムも、心の健康も、外遊びのおかげでうまくまわっていたのかもしれません。」
「子どもがしたいことを、したいようにさせる。これは子育ての中で、私が常に思っていたことです」
「親ですから「わが子にはこうあってほしい」という思いは必ずあります。でも、それは絶対に子どもに聞こえる場で言ってはいけないと思うんです。子どもは聞いていないようでちゃんと聞いていて、「自分はダメだ」と思い込むものですから。」
「スポーツは、確かに子どもの心と体と、そして夢を育てる力があると思います。でも、スポーツをやらせれば自然に心が育つ、というものではないと思うのです。
たとえば、ある程度の年齢になると「うちの子、サッカーの才能がないのよ」と言う親は少なくありませ
ん。「別のスポーツをやらせようか、勉強に集中させようか」と親は考えますが、それは子ども自身が決めるべきことです。本人が続けたいなら、ずっとベンチでもいいじゃないですか。親が勝手に見切るのはおかしい。
どんなにうまくても、プロになれる子はひとにぎりです。それでも、スポーツを通じて得たものは、その
先の人生できっと役に立ちます。下手でも練習を続けたがんばりや、仲間との楽しい時間、そういうことが
一生の財産になるのです。
逆に、本人が「やめたい」と言うなら、無理に続けさせる必要もありません。ほかにやりたいことがあるならそれを応援し、ないなら見つかるまで待つしかないです。人は好きなことでないとがんばれませんか
ら。
苦手を克服させる? それは考えたことありませんでした(笑)。穂希には「苦手」があったのかな? 好きなことばかりさせていたので、苦手に気づかなかったんだと思います。」
穂希さんを見守り続けてきた満壽子さんによる、初のエッセイ。思い出の写真、穂希さんとの対談、母親の回想に対して「そのとき、私はこう思った」という穂希さん自身によるコラムも収録。子育て中のママ必読の書です。
『チャンスの波に乗りなさい』(徳間書店)
Como6月号ではリオ五輪に向け、憧れアスリートの強さの秘密を大研究。スポーツで子どもの体と心を強く大きく育てたいママ、必読です。
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