地域によって冠婚葬祭のマナーは異なっており、配偶者と出身地が異なる場合、特に気をつけなければなりません。配偶者の親族に手伝いをしてもらい、配偶者の出身地のマナーに合わせる必要があります。特に、地域による関西と関東、宗教によって異なっています。
香典返しは、四十九日の忌が明けてから香典返しを贈ります。最近では、通夜や葬儀当日に渡すことが、多くなりました。しかし、忌みが明けてから香典返しを持参し、挨拶をするのが習わしです。そして、関西では遠方に限らず、忌みが明けてから宅配便で送るか、または挨拶状と共に香典返しを持参することが多く見受けられます。
また香典を受け取ることを断る葬家もありますが、今後のおつきあいを考えると、故人を偲ぶ気持ちとして受け取りましょう。香典を断ると言うことは、今までのつきあいがあったのに今後のつきあいをしないということと、相手が捉えかねません。
同居の家族・別居している親族の場合も、香典を頂戴した場合は、【親しき仲にも礼儀あり】とされるよう、同様に香典返しを贈ります。家族や親族の場合、故人と血縁で繋がった特別な間柄なので、今後も、家族として親族としてのお付き合いがあることから、仰々しい香典返しにならないようにしましょう。
はじめに仏式のマナーをご紹介します。
香典返しの熨斗には、結び目がほどけず繰り返さないという意味がある【結び切り】を使用します。また結び目が強く結ばれ末永いおつきあいを願うという意味がある【あわじ結び】を使用することもあります。一般的には、黒と白の結び切りの水引を使用しますが、関西から西日本では、黄色と白の水引を使用することもあります。
表書きにも一般的には、【志】ですが、関西では【満中陰志】とすることがあります。
いままで、仏式の香典返しについてご紹介してきました。葬儀を行う葬家が、仏教以外のキリスト教や神教の場合があります。その場合、香典返しのマナーで同じことは、どの宗教であっても忌みが明けてから贈ることが習わしです。
しかし、香典返しの風習は、本来、仏式の習慣であり、本来キリスト教や神教には香典返しの習慣はありません。そこで、香典返しに代わるものを贈ります。そして、宗教によって、忌みが明ける日数が異なります。
・葬儀がキリスト教式の場合
キリスト教式の場合、忌みが明ける三十日を過ぎてから、香典返しに代わるものを贈ります。そして、熨斗には、黒白の結び切りの水引を使用し、表書きには、【志】に加え【偲び草】とします。
・葬儀が神式の場合
神式の場合、神式の忌みである「五十日祭」を過ぎてから、香典返しに代わるものを贈ります。そして、熨斗は、黒白の結び切りの水引を使用し、表書きは、【偲び草】とします。
現在では、火葬だけ、火葬しても散骨を行うためお墓を作らないということがあります。家族葬というのもあります。しかし、葬儀の香典も故人が生前これだけ多くの人に親しまれていたという最後のセレモニーです。故人を偲び葬儀に参列してくださった方々が、親族であっても同居の家族であっても、今後も葬家がもてなすという形は変わりません。
香典返しは【半返し】というのが一般的です。他の参列された方と同様の香典返しで良いとされています。故人と血縁姻戚関係にある親族ですので、仰々しい香典返しは必要ありませんが、葬儀の後、故人との思い出はたくさん共有しているはずです。香典返しとともに、故人との思い出を共有することが、葬儀に参列してくださった御礼となるはずです。
人の死は、悲しいものです。しかし、死は平等に皆にやってきます。だからこそ生前に楽しい思い出を共有しておくことが大切です。
弔事は、突然やってきます。その時に悲しみで慌ててしまわないように、マナーをあらかじめ学んでおくと、慌てず大人の対応を行うことができます。地域や宗教で異なっていることをお伝えできたでしょうか。自分の家族や地域のことを知り、大人のマナーを学んでいきましょう。
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