実は猫は、フェロモンを分泌する部位がたくさんあります。猫の頬、アゴ、額、しっぽの付け根、足の裏、肛門の周囲、横腹など複数の場所から匂いを分泌します。そして分泌する部位によって、意味や機能に違いがあると考えられているのです。
猫がよくやる、頬や額、しっぽなどで、家のなかの家具や飼い主の足をグリグリする仕草は、自分の縄張りや、親子、好きなモノ、飼い主など、心を許せる空間や相手への臭いつけ行為です。
この匂いは「安心のフェロモン」といわれています。猫は、自分の「安心のフェロモン」を嗅ぐと、それだけでリラックス、心を落ち着かせることができるのです。
猫は自分が不安や恐怖を感じたときは足の裏や肛門の周囲から匂いを分泌します。これは「不安のフェロモン」です。人間なら「冷や汗」にあたるフェロモンがこちらです。
猫は、「不安のフェロモン」を嗅ぐだけで、警戒して恐怖を感じます。動物病院に連れて行った時、猫が待合い室でミャオミャオと鳴くのは、まわりに残されたいろんな猫の「不安のフェロモン」の臭いを感知するから。
病院から帰宅したら、キャリーバッグや飼い主の服に着いた「不安のフェロモン」は拭き取るようにしてあげましょう。
いつもは粗相をしない愛猫が家のあちこちに尿マーキングをする場合は、何らかのストレスを感じているサインです。嫌いなライバル猫が家のまわりをうろついているとか、隣の家の工事の音がうるさくて怖いとか、または飼い主が留守がちでストレスが高まっているなどいろんなケースが考えられます。
猫は理由無く尿でマーキングはしません。理解せずに、「またオシッコをして!」と厳しくしかると、猫はますます情緒不安定になって、尿マーキングをくり返すこともあります。猫が尿マーキングをする時は、飼い主は早急に原因を解明してあげる必要があります。
いかがですか。猫が出す匂い、フェロモンや尿には言葉のしゃべれない猫の気持ちがたくさん詰まっています。飼い主の方が、猫の行動をよく理解して、猫の気持ちを汲み取ってあげて下さいね。
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