江戸時代初期の話です。彦根藩二代目藩主、井伊直孝が鷹狩りの帰りに、夕立に見舞われました。雨宿り場所を探し困っていると、豪徳寺の前で寺の和尚さんが飼っていたネコ(タマという名前だったらしい)が、こちらを見つめ、手招きするような仕草をするのです。 そこで井伊直孝はお寺の門をくぐり、雨宿りしながら説法を聞いていると、いきなり轟音と共に稲光が!なんと、今しがた通った道に雷が落ちたのでした。 命拾いした直孝は猫に大変感謝し、荒れてボロボロだったお寺の再建を約束。これが縁で、豪徳寺を井伊家の菩提寺にしたそうです。あの歴史上有名な桜田門外の変で暗殺された老中・井伊直弼のお墓がここ世田谷にあるのも、そういうご縁なのだとか。
また、死後に祭られた猫のタマにちなんで、片手をあげた猫の像を造ったところ人気を呼んだのが、招き猫のルーツとなったと言われています。 ちなみに豪徳寺では、招き猫ではなく、招福猫児(まねぎねこ)と書くようです。 これが全国的に広がって、いつしか猫は福を招く=招き猫が定着していきました。
豪徳寺では、勿論招き猫も売られています。大きさも大小様々。一番小さいサイズで300円、特大サイズが5000円です。境内の右奥にある招福殿と、山門横のお寺指定の花屋さん「山崎商店」で分けていただくことができます。 こちらの招き猫は、願いが叶ったらお寺に返すのが約束事になっています。参道の左手にある「招福観音堂」の奥に招き猫の奉納所があるのですが、なんと2000体以上の招き猫が奉納されていて、とても圧巻です。きっと外国人が知ったら大喜びの写真スポットになるのではないでしょうか…。
右手を上げている招き猫はお金や幸運を呼び、左手を上げている猫は人を呼ぶのだそう。両手を挙げている招き猫もあるそうです。そして、手の高さを耳より高く上げているものは遠方の福を招き、耳より低いもの近場の福を招くと言われています。
いかがですか。この豪徳寺、最寄り駅は世田谷線「宮の坂駅」が近いので、東京では数少ない路面電車の世田谷線を利用するのがオススメです。周辺も招き猫由来のグッズや和菓子を売るお店があり、ちょっとした招き猫ストリート。都内でプチトリップするのに最適な場所です。 豪徳寺の三重塔をバックに写真を撮れば、気分は京都♡東京と思えない静かさに癒されます。
愛猫家の皆さん、ぜひ一度、招き猫の発祥の地、豪徳寺に出掛けてみて下さいね♪
(記事bzp00343)
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