山田ズーニーさんは、小論文のプロフェッショナル。1984年にベネッセコーポレーションに入社され、編集長として小論文の指導に従事されてきました。
現在は、文章表現・コミュニケーションインストラクターとして独立。数々の講演や執筆活動をされています。
はじめて「伝わる・揺さぶる!文章を書く」を読んだとき、なぜか絶対に男性だと思ったんですよね。というのも、つっこみどころがないくらい超・論理的。文体が「である」調だったのも、その原因かも?
ズーニーさんは、伝わる文章を書くためにもっとも大切なことを「考えること」だと言っています。
書こうとするよりも、考えようとすること。書き方よりも、考え方。本当はみんな、書き方を知らないんじゃないんです。
考える方法を知らないだけなんです。
先ほど超・論理的とお伝えしましたが、本書の中には以下のように書かれています。
豊かな表現力という幻想—中略—「文章の善し悪しは、とらえどころがないものだ」という、妙な思い込みを長い間持ってしまった。
引用:「伝わる・揺さぶる!文章を書く」山田ズーニー
つまり、「豊かな表現力」というのは、それぞれのセンスというような曖昧なものではない。
表現力は、ある程度、論理的に身に付けることができるんだということです。
どのように考えていけば、表現力を身につけられるのでしょうか。本書の中では、7つの要件を押さえようと書かれています。
もっとも言いたいことを考えずに、なんとなくテーマやゴールに向かって文章を書き始めてしまう人ってけっこう多いんです。
わたしも、ライターとしてアシスタントさんやサポートライターさんを採用している身なのですが「落とし所はどこなんだろう?」とモヤっと始まって、モヤっと終わってしまう文章を書く人は、少なくありません。
目標設定も大事ですよね。なんのために書いているのか、作者が把握していない文章で、読み手の心が動くわけがありません。
読む人にどう思ってほしいのか。そして、どんな行動をとってほしいのでしょうか。
ここでは、論点にそって終始一貫した文章を書くことがポイントになります。論点とは、どんな「問い」を立てているか、ということだそうです。
何を解決したいから、文章を書くのでしょうか。
たとえば、今読んでいただいているこの記事なら、わたしが立てている「問い」は、「文章力をアップしたいと考える読者さんの役に立つ本はどれだろう?」そして「どうすればその本の魅力が伝わるだろう?」などでしょうか。
誰に伝えるか。それによって、文体も言い回しも変わりますよね。
5才の子どもと、30才の友だち、50才の目上の方に対して同じ言葉遣いをする人は少ないはず。相手を目の前にしていれば、伝え方も自然と変えているはずです。文章でも同じように、伝える相手を意識してくださいね。
読者に信頼されているかどうか、というのも書くために重要なポイントなんです。せっかく文章を書いても、不信感を持たれていたら読んでもらえませんよね。
信用できない人の話は、聞かないのが人間。「あなた誰なの?」で、終わってしまうと悲しいですよね。
たとえば、この記事内では、わたしのライター歴を公開したり、ズーニーさんの経歴を紹介することで「書くことに精通している人」ということを伝えています。
「知識と経験のある人の話なら、聞いてみようかな」と思うものですよね。
個人的な感想では、なかなか人は動きません。
よっぽど説得力のある人なら、ちょっとおすすめすれば相手の行動をうながすことができますが、たいてい、誰かに何か行動してもらおうと思うと、根拠を示す必要があります。
根本思想とは、書き手の価値観や生き方です。ズーニーさんはこのように書かれています。
尊敬、侮蔑、感謝、憎しみ、怒り、依存、エゴなど、文章を支える想いは、言葉に書かずとも、如実に表れてしまう。文章は、この点で甘くない。自分の想いや生き方にうそのない文章を書くこと。
引用:「伝わる・揺さぶる!文章を書く」山田ズーニー
文章を書くのって、生き様をさらけ出すようなものなのかも……。
ちょっと怖いけど、だからこそ、文章でわかり合えること、伝え合えることもあるんですよね。
Yururila読者の皆さん全員と、物理的に出会うことはできないけれど、こうして文章で出会うことができます。そして、わたしらしく物事を伝えることができるんです。なんだかロマンチックですね。
これまで、学校や職場で「考え方」を学ぶ機会なんてなかった!という人がほとんどではないでしょうか。
「伝わる・揺さぶる!文章を書く」の中には、7つの要件それぞれについて、どのように深めて、固めていけばよいのか、詳しく書かれています。
考えるという作業は、方法としてはシンプルだけど、奥が深くて、はじめは骨が折れるかもしれません。でも、考え方を身につければ、文章力アップだけじゃなく、話すチカラや聴くチカラも身につくんですよ。
コミュニケーション全般がスキルアップするということ!
サービス業で働く女性なら、お客さんとの会話も、いっそう弾むこと間違なしです。ぜひ、読んで、参考にしてみてくださいね♡
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