秋になるとさんまのお供として出回る「すだち」。ゆずやレモンよりは手に取る頻度が低いかもしれませんが、さんまが旬の間は青果売り場に必ず並んでいます。
かぼすやシークヮーサー、青ゆずなど、色や形の似た柑橘もありますが、すだちは少し青いような、ライムに似た香気が特徴です。
それぞれの柑橘は風味が少しずつ違いますので、今回はすだちを使ってください。1/4カットがおすすめです。
梨は一般的な豊水を使いましたが、どの品種でもOKです。
今回は1/8カットの串切りにしました。すだちと接触する面積が広いほど香気を楽しめますから、さらに半分に切っても。
すだち1/4個で梨1つにちょうどくらいでした。
まず、口に入れた瞬間は酸味だけを感じます。あれっ、酸っぱいだけ?失敗?と戸惑いながら食べ進むと、次の瞬間に急展開が。
梨の果汁の軽い甘みに、すだちの少し青い酸味がからみ、鼻先に芳醇な香気が抜けていくのです。
なるほど、梨はこのままでもじゅうぶんにおいしいけれど、敢えて言うなら酸味が「足りなかった」のね……。これは新しい宇宙にたどり着いてしまったかも……。
梨があまりに素晴らしかったので、夏から秋に楽しめるほかの果物とすだちの相性も試してみました。まず、盛夏から初秋まで楽しめる芳醇フルーツの代表格、桃。1/4カットにして、8ミリ幅程度にスライスしました。すだち1/4カットを絞ります。
口に入れた瞬間からすだちの酸味はありません。やわらかく熟した桃の果肉からは果汁が溢れており、それが先に舌に触れるのです。
やや間があって、その桃の濃密な甘さを、すだちのドライながらも柔らかいすっぱさが引き立て始めます。スイカに塩をかけるときのような、引き立て合いの関係と言えます。
続いて、流通量がそれほど多くないせいか、店頭でもそう頻繁には見かけない隠れた秋の美味、いちじくを試します。今回は皮をつけたまま8ミリ幅にスライスしました。
いちじくのとろりとした密度の高い甘さに、方向性がまったく違うすだちの青い酸味が加わり、大人のデザートふうな一皿に。
たとえば、クリームパスタを食べたあとにこれが出てきたら、その場のみんなが褒めちぎるでしょう。
なお、皮のえぐみが気になるかもしれないので、手間でなければ皮はむいてください。
「りんご×すだち」は「必要な酸味の方向が違う」という結果に。
「ぶどう(巨峰)×すだち」。ぶどうは 「そもそも酸味が不要なタイプのピュアな甘み」でした。
「柿×すだち」もいまひとつ。酸味が不要なタイプの果物なんですね。
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