さっそくですが、こちらは天然のブリです。予想は当たっていましたか?
天然か養殖かを見分ける方法は簡単。パッケージに書いてあるのですぐわかります。
しかし、仮にパッケージを見なくても見分ける方法はいくつかあると思います。
まず、トップの写真を見て、この魚はブリですが、そこまで大きな個体ではないことがわかります。おそらくギリギリブリです。日によって、スーパーによってはヤズやハマチとして売っている場合もあるかもしれません。
切り身の左側が魚の背中側で、右側が腹側になります。つまり、背から腹の切り身にしてもこのサイズにしかならないというわけです。
次に、腹側を見ます。腹側は、背側に比べて脂がのっており、その個体の特徴が出ます。お肉の霜降りと同じように、サシのように脂は白っぽい感じがします。今回の切り身は脂が少ない方だと思いますが、そもそも大きな魚ではないため、相応の脂のりだと判断しました。
ここで天然と養殖の違いが出ます。同じ大きさのブリであれば、天然より養殖の方が脂がのっており、全体に白っぽい身をしています。
どういった味を好むかは個人の嗜好によるので、正解はありませんが、大きさや脂のりで、料理の向き不向きも出てくると思います。
今回の切り身は、刺身でも食べられるものを購入していますが、ヅケ風にした上で、煮物にしようかなぁと思います。
写真を見ると、右側に皮があり、左に行くと身があります。その間にちょっとだけ白い線が見えませんか? これも皮と身の間の脂になります。
大きい個体になると、この皮目の脂が5mm程度になるものもあります。
これは感覚的なものですが、天然の大きな個体の皮目の脂は分厚くなりますが、養殖の個体は大きさによって皮目の脂の厚さに大きな差異はないような気がします。
身の中で三角形の形をした部分、ここは血合(ちあい)と呼ばれています。捌いてすぐは赤っぽい色をしていますが、時間がたつと茶色っぽくなります。
ここを見ると、捌かれてからどのくらいの時間がたったか、どんな場所で保存されていたかなどの参考になります。
ここにも天然と養殖で違いが出る場合があります。天然のブリの血合にサシが入ることはありませんが、養殖だとこの血合にもサシが入る場合があります。回転寿司のブリを頼むと、気づくことがあるかもしれません。
これまで、たくさんの魚を食べてきていますが、おいしい可能性が高いのは、天然で大きな個体、もしくは小さくてもアジやイワシなどだと思います。
ただ、天然の大型魚はいつもあるわけではないですし、値段もそれなりになります。また、小さな魚は値段が安くても、管理状態が必ずしもよい状態であるわけではありません。
買いたい気持ちと陳列された魚の状態が一致するのは、時の運。常に魚を買いたいと思っている私でさえ、そうなのですから、仕方なく魚を買う人が思いがけずおいしい魚と出会うのは…スーパーでは難しいのかもしれません。
牛肉や豚肉、鶏肉はこれまでの需要から予測される量を供給できる仕組みがあるのかもしれません。ただ、魚は、特に天然魚はそうはいきません。海や天候が相手です。
肉類の流通がスタンダードとなるのであれば、魚のそれが生きる道は、急速な冷凍による需要と供給のバランス調整、加工による付加価値向上、漁場の選択と集中と柔軟化…こんなことが必要になるのかなと思います。
ただ、おいしい魚が食べたいだけですが、そのおいしい魚が食卓に届く過程を考えると、贅沢なことを言っているような気もします。
天然魚を食べることが天然魚の未来につながるのであれば、喜んでこれからも天然魚を選んで食べたいと思います。
本当においしい魚、いつものおいしさをいつでも提供してくれる魚、どちらも我々にとって必要な魚に間違いありません。
子どもの頃のように、また漁に連れて行ってもらい、いろいろな感情を持ちたいなと思う今日この頃。
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…
完
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