ツヅラフジ科のつる性落葉木本である「アオツヅラフジ」は、都会の道端でよく見かけます。
撮影時期は、7月の2週目で、雑草として自生していました。
この場所では、植え込みの植物の上を這い、そこで清楚で可愛い花を咲かせ、さらに高いフェンスに絡みながら茂っていき、多くの花を咲かせていますよ。
緑色の細いつるは、左から右巻きに他の物に巻きつき、長さは2~4mになるほど伸びます。若いつるには細かい毛が密生しているのが特徴です。
草のようですが、木の仲間であり、樹齢を重ねると自立して低木状になることもあります。
柔軟かつ耐久性があり、乾燥させたものは手籠や背負い籠、薩摩焼の花瓶や酒器の取っ手に利用されます。
葉は長さ3~12cmの薄い緑色で、つるから互い違いに生じます。縁にギザギザはなく、基本は広い卵形ですが、色々な形の葉が混在しています。画像の中の葉も、丸いものと、そうでないものがありますよね。
アオツヅラフジはさまざまな形の葉を持つため、葉だけで識別するのは難しいです。
アオツヅラフジは雌雄異株で、夏の7~8月に円錐花序が枝先と葉腋から出て、淡黄色から黄白色の小さな花を多数つけます。
花は萼片と花弁が各6枚あり、萼片は外側に小さいものが3枚、内側に大きいものが3枚つきます。花弁は先端が2裂し、萼片よりも短いです。雄花には6本の雄しべがあり、雌花の柱頭は6個あります。
クリーム色をした小さな花が円錐状に集まって咲いていますが、拡大してみましたよ。
雌雄異株で雌株には雌花が、雄株には雄花が咲き、いずれも直径3mmほど。
色も控えめで、とても小さくて、目立たないお花ですね。道端で沢山開花していても、道行く人は、気にもとめていない様子ですよ。
雌花の後にできる果実は直径6~8mmの球形で、ブドウのような房状になり、水分が多く、熟すと濃い藍色になって表面に粉を吹きます。とても、美味しそうな果実をつけます。
つぶすと紫黒色の汁が出ます。この実は『毒』を多く含んでおり、毎年誤食による中毒事故が発生しています。
この植物には、有毒成分のトリロビン他、人体に影響のある有毒成分を含んでおり、誤飲すると腎不全、呼吸中枢麻痺、心臓麻痺など重篤な症状を引き起こすそうです。
よく似た植物に「ツヅラフジ」(別名「オオツヅラフジ」)があり、アオツヅラフジと比べて葉やつるが大きいのが特徴です。つるの長さは最大で10m、太さは3cmほどまで成長します。アオツヅラフジと同様に、実は、有毒でお子様が口にしないように注意が必要です。
株全体に毒性があるため庭に植える例は少ないのですが、このように、ごく普通に雑草として自生もしています。
清楚な可愛いお花を咲かせる、蔓性の雑草「アオツヅラフジ(青葛藤)」を調べたことを、まとめさせていただきました。お子様やペットがいる方は、気をつけてあげてくださいね。
こちらの情報が誰かの助けになりますように・・・
最後まで読んでくださりありがとうございます。
•「アオツヅラフジ」!名前がなんだか美しいですが、地方により、「チンチンカヅラ」「ピンピンカヅラ」と呼ばれるそうです。なんとも面白い名前ですね(笑)!
美しい名、面白い別名もありますが、毒草ですので、ご注意くださいね!
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