傲慢の権化、守銭奴、女にだらしない、といいところはあるの！？と言いたくなる実業家のダンテ。彼はお金にまつわるセリフを多く残しています。
①【彫刻がいくらしたと思っているんだ】
ソラがヘラパレスのシンボルである彫刻に落下し、彫刻が血まみれになったときのセリフです。
貧しく親がいないソラのことを気にかける様子は一切なく、ダンテが気になるのは高額な彫刻のことだけ。選民意識の高さを表すセリフです。
ちなみに、この彫刻は結婚と貞節を司る守護神ヘラ。ヘラは嫉妬深く、夫の浮気相手に苛烈な罰を与えた、とされています。
ダンテ自身はためらいなく不倫をするものの、自分を捨てて他の男と結婚・妊娠したスリョンには憎しみを抱いています。照らし合わせると興味深いですよね。
②【真実は我々が作る】
ソラの死体を遺棄したときに、ヘラパレスの住人たちに発したセリフです。
金と権力があれば偽りも真実にできる、と堂々と言い放つダンテ。自分の完璧な人生には、汚点があってはならないのです。
③【貧しい連中は少し優しくすればなびく】
庶民を馬鹿にするセリフも、さらっと口にします。
捨て駒にすることなんて、朝めし前。ダンテにとって、貧乏人は踏みつけても構わない存在なのです。
④【私は投資家なので価値を見極めて投資します。あなたが私の手を握るか足を引っ張るか。見ていますよ】
ダンテは金の力で都合の悪い事実をもみ消してきました。相手を見て金を積み、相手が裏切れば躊躇なく報復に出ます。
それでいて、お金を受け取る人をせせら笑っているからタチが悪い。
シーズン1のラストでは議員と手を組むシーンもあり、さらに悪どくなる予感が漂います。
財団の後継者であるソジンは、強烈な存在感を放つ悪女。親の力で欲しいものを手にしてきたけれど、本当に欲しいものは得られなかった孤独な女性でもありました。
①【私ならあなたに翼をあげられる】
ロナの恋人であったユンチョルを略奪したときのセリフ。お金や権力の偉大さを知り尽くしているから出てきたセリフです。
逆に言うと、お金や権力で他人の翼をへし折ることもできるわけで……。いいセリフ風に見えて怖い一言です。
②【手に入らないから欲しくなり、それを愛と錯覚した。愚かだったわ】
親に反対されながらもユンチョルと結婚したソジンですが、夫婦関係は冷え切っていました。生まれ育ちが大きく異なる2人には、埋められない溝があったのでしょうか。
夫からの愛を感じられず不満を募らせるソジンは、再び他人の男を誘惑します。
ダンテとの不倫関係に本気になったのは、本望だったかのか、誤算だったのか。愛に飢えたソジンはダンテの「愛してる」という言葉に釣られ、不倫にどっぷりハマっていくのです。
③【あの子はあなたみたいな負け犬にはしない】
ソジンは夫に言ってはいけないセリフを連発します。夫に向かって負け犬は、アウトでしょ……。
ソジンは財団の後継者の座を得るために努力し、娘にも同じようにトップであることを求めました。そのためには卑怯な手段も厭いません。
娘をトップに押し上げることが愛情だと疑わず、ソジンの歪んだ愛情は娘を追い詰めていきました。
④【自分ができなかったことを娘に強要しているのよ。娘の気持ちは考えず。自分の欲を満たそうとしてるの】
ソジンがユニに放ったセリフです。「それは自分でしょ！」と突っ込んだ人も多かったのでは？
ソジンの厄介な性格は、父親との関係が大きいようです。父から姉妹で競わされ、自分は道具扱いされていると思っていました。
その辛さを味わっているはずなのに、娘には厳しい命令ばかり。自分が愛を与えられない状況で頑張ってきたからこそ、娘の弱さにイラつき、父親に甘やかされる娘に嫉妬したのかもしれません。
印象的だったのが、声を失った娘にケーキを買ってきたシーン。
物を買い与えて上辺の優しい言葉をかけることしかできないのです。多分、自分がそれ以上のことを親にしてもらったことがないから。
個人的に、好きにはなれないけれど、憎みきれないキャラクターです。
悪役のセリフって、不思議な魅力がありますよね。セリフの背景を想像すると、ドラマの違った見方もできそうです。
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