まず超初心者の私が直面した問題。それは登場人物の名前が覚えられない!
別に大して長いわけでも、発音が難しいわけでもないのに、名前が覚えられないまま物語は進み、置いてけぼり状態に。
物語中盤まで、脳内では演じている俳優似の日本人俳優の名前で呼んでいました(笑)
(さやか・まゆみ・かんな・いっせい…サイコパスや奥さんなど。共感していただける方がいらしたら嬉しいです)
そこで私なりに考えた原因は、
①フルネーム呼びが多いため、姓だけ・名前だけだと一瞬誰のことなのかわからない
②そもそも点の区切りの前後どちらが姓なのかわからない
③家族なのに姓が違う
超初歩的なことですが、普段韓ドラを見ない私にとっては初めて感じた疑問。
そこで韓国の氏名について調べたところ、
・韓国の姓は日本と同じで先
・韓国姓は約270種(日本は約30万種)そのうち5種類の姓が人口の4割以上を占めるため、フルネームで呼ぶことが多い
・韓国では女性が結婚しても姓は未婚の時のまま
・子どもは代々父親の姓を継ぐ
とのことでした!
韓国では夫婦別姓だということを、全く知りませんでした。
なるほど、だから母親と子どもの姓が違ったのか…これを理解してから、大分登場人物の名前が覚えられるようになりました。
次に気になったのは、やたらと画面に映り込む商品たち。
序盤は気にしていなかったのですが、どの家にいっても同じコーヒーマシン。(ポーションをセットして入れるタイプのもの)
使ってるスマホがみんな同じ。(韓国メーカーの2つに折れるタイプや横に開くタイプのものが多い)
コーヒーマシンに至っては、ポーションをセットするところから抽出して飲むまでのストロークをやけにじっくり描写するので、だんだん不思議に思えてきました。
極めつけは、ある場所で出されたコーヒーに対して、「こんなもの飲めるか」と言い放ったチュ・ダンテが、自宅でこのコーヒーマシンで入れたコーヒーを飲んでいたこと。
こういうタイプの人って、豆から挽いたようなのしか飲まないんじゃ(偏見)
不思議だったので、これについても調べてみたところ、これまた韓国ならではの理由が!
なんと、韓国のテレビは番組途中にCMが流れないんだそうです。
その代わり、「Product Placement(プロダクトプレイスメント)」、略してPPLと呼ばれる間接広告が使われているんだとか。
まさにコーヒーマシンやスマホはその間接広告にあたり、ドラマでじっくり映すことによる宣伝効果アップの狙いがあるそうです。
ただ、最近では1時間番組だったら30分に1回など、途中でCMを入れることが可能に。
日本では細かくCMが入るのが普通なので、このシステムには驚きです。
『ペントハウス』では、度々ナイフなどの凶器や血しぶきなどの描写があります。
ストーリー上、かなりグロッキーな場面もあるため、教育上の配慮のためかと思っていましたが、どうにもモザイクのかかる物やタイミングに疑問が…
①殴ろうと手にした棒のようなものにモザイク
②料理中に使っていたナイフにモザイク
③登場人物が着ているセーターのキャラクターにモザイク
④登場人物が持っているカバンにモザイク
これらについて調べたところ、
①②→韓国では実際凶器でないものや、犯行に使用していない場面でも、「殺意」を持って手にしている場合には凶器とみなしモザイクをかけるんだそうです。
②のシーンでは、殺意を持って相手を睨んでいる間はモザイクがかかり、その前後はかかっていません。
バッチリ見えていたものにいきなりモザイクがかかるって、不思議な気分です。
③④→先述した「PPL(間接広告)」に関係が!
スポンサーの協賛商品以外の商品やキャラクター・ロゴには、スポンサーへの配慮でモザイクをかけるんだそうです。
それにしても、イ弁護士が持っていた犬やウサギのバッグの顔部分にまでモザイクがかかっていたのには、ついつい笑ってしまいました。
55階の住人、イ・ギュジンとコ・サンア夫婦がギュジンの母親に叱られるシーン。
仁王立ちする義母に対し、もう許してくださいと訴えるサンアは、夫と共に床に座った状態で両手を挙げて辛そうにしています。
日本では見たことのない光景でしたので、これも韓国ならではの風習かなにかなのでしょうか?
こちらも調べてみたところ、韓国ドラマではよくある描写だそうで、日本でいう「おしおき」なんだとか。
他の学園ドラマでは、先生が生徒に反省させるため、机の上に座り両手をあげるポーズをとらせる、なんてシーンもよくあるそうです。
たしかに長時間両手を上げ続けるのは地味に辛そうですね…。
学校での試験を目前に控え、家で勉強する双子の妹ソッキョンに「疲れたでしょう、飲みなさい」と優しく渡す母親のスリョン。渡したのは紫色のパッケージで小さめのA5ノートくらいの大きさのパウチ。
これなんだろう?と疑問に思っていると、次のシーンでそのパウチの上部からチューチュー中身を吸っている双子の兄ソクフンの姿が。
え?!なにこれそのまま吸うやつ?!
次の日の朝、試験当日だからと娘のロナに同じ紫色パウチを渡す母親のユニ。
するとやっぱり上からチューチュー吸って飲むロナ。
なんだこれ…と興味深々で調べてみましたが、全く同じものを見つけることはできませんでした。
どうやら韓国ではパウチタイプの飲料が人気で、コンビニの定番商品なんだとか。氷の入ったカップを一緒に購入し、そこに注いで飲むのがおすすめとのこと。
ペントハウスの作中では直接飲んでいたので、「補薬」と呼ばれる滋養強壮剤かもしれません。
こちらは漢方薬に近いもので、かなりクセのある味がするとのこと。
韓国ドラマでは、夜遅くまで勉強している子どもに「これを飲んで頑張るのよ!」と補薬を渡すシーンはあるあるなんだそうです。
そして作品を通して強く感じたのが、「女同士の喧嘩が激しい」!!
罵り合い→ヒステリックに叫び合い→髪の毛を掴む→押し倒して殴りかかる(物が壊れる)
だいたいこのパターンです。(画像では凄い形相で首絞めてますが…)
因縁のライバル関係にある、オ・ユニとチョン・ソジンの過去の傷害事件も、オ・ユニが一方的に傷つけられたのかと思いきや、オ・ユニもかなり手を出してます。このシーンはかなりの長尺だったこともあり衝撃的でした…。
他にも、オ・ユニの娘ロナは貧しさと才能を理由にペントハウスの子どもたちからいじめを受けます。日本のドラマだったら黙って耐えていそうなところ、このロナはめちゃくちゃ言い返すし手も出します。黙って耐えることがいいことでは絶対にないので、このロナの行動を見てスカッとするかといえば、実はそうでもありません。(個人の感想です)
ロナもなかなか挑発的なことを言いますし、物を壊したりもするので…。
相手は大体鼻血出してます。
絶対的にいちゃもんつけてきているほうが悪いのですが。
この「女同士の喧嘩が激しい」というのも韓ドラではよくあることらしく、まさに韓ドラあるある。
実際にも、女性同士の喧嘩で髪の毛をひっぱるのはよくあることらしいです。
ここまで、韓ドラ初心者が感じた日本との違い、韓ドラあるあるについてお伝えしてきましたが、他にも気になることが満載!
・クセ強キャラが多すぎ
・顔に付いた傷はだいたい次の日には治る
・興奮するとだいたい机の上の物を払い落とす
・男女問わず毎回誰かが泣いている
・ゴルフクラブは物を壊すもの
・セレブが集う最高級マンションなのに簡単に不法侵入できちゃう
これら含め、全てがエッセンスとなって物語に引き込まれてしまう…そんな感覚を覚えました。
これが韓ドラ沼かぁ、ハマる人が多い理由がわかった気がします。
この感覚は、2001年に大ヒットした、24時間リアルタイムで進行するあの米ドラマにハマった時に似ている気がします。
予測できない展開、誰かがいつどうなるかわからないハラハラ感、いい意味でも悪い意味でも期待を裏切ってくる脚本…こんなサスペンスドラマに興味のある方、必見です!
© SBS
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます