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プレスリリース

25歳の化学技術者・村木風海率いるCRRA、プライム上場の東海理化などから累計1億円を調達。日本初※のDAC企業として産業用中型CO2回収装置の商用化へ

2025年11月より、国内外投資家と2.5億円規模の追加調達を開始。独自DAC技術と次世代CO2吸収剤を基盤に、2030年売上高56億円の事業成長を目指す。


低コスト型産業用中型DACモジュール『ひやっしーパパ』 ※製品イメージ


「地球を守り、火星を拓く」をスローガンに研究開発を推進する、炭素回収技術研究機構株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役機構長:村木風海、以下『CRRA』)は、累計1億円を超える資金調達を実現したことをお知らせいたします。本調達は、エクイティ(J-KISS型新株予約権を含む)およびデットファイナンスを組み合わせたもので、プライム市場上場企業の株式会社東海理化を含む、70名を超える個人・法人投資家からの出資を受けたものです。

 CRRAは、CO2分野に特化した民間独立系の研究開発機関として、国内で初めて小型DAC(Direct Air Capture: CO2直接空気回収)装置の開発・量産・社会実装を一体で実現した組織です。世界最小級の小型DAC技術を既に実用化している技術力を基盤に、今回の調達を通じて、独自開発した次世代型CO2吸収剤『CXシリーズ』および低コスト型産業用中型DACモジュール『ひやっしーパパ』の社会実装を加速させてまいります。

▶︎「DAC」定義について
弊社では、「DAC(Direct Air Capture)」と呼ぶ場合、それは「大気中の CO2 を直接捕集・回収する技術」を意味します。
つまり、工場や排ガス、燃焼排気など「ポイントソース」からの CO2 分離・回収技術は、ここでいう DAC に含みません。
なお、CO2 分離膜や排ガス回収のための膜技術・分離技術を用いた事業があったとしても、それが「空気中の CO2 を直接回収する仕組み」を前提としないかぎり、弊社では DACとは別カテゴリと見なしています。

▶︎タイトル「日本初のDAC企業」の表記につきまして
弊社の前身法人(一般社団法人炭素回収技術研究機構)は2020年に設立され、DACを中心とした事業を営利目的で推進する法人として活動を開始しております。一般社団法人は利益分配を行うことができないという点で営利性に制限がございますが、「営利事業自体は行うことができる法人」です。設立当時、国内にDAC技術を事業化する企業体は当社グループ以外に存在しておりません。また、一般社団法人炭素回収技術研究機構は当社の持株会社であり、当社設立時に当社に対して事業譲渡を行っております。

※自社調べ
調査年月:2025年12月
調査対象:「DAC(Direct Air Capture)=大気中のCO2を直接捕集・回収する技術」を前提とし、工場排ガス・燃焼排気等のポイントソース由来のCO2回収を除外したうえで、2020年時点において、国内で当該技術を用いて営利事業活動をしていた企業体(法人)の有無を調査

背景 ー CRRAが目指す”小型分散化”

 気候変動の解決策には、CO2排出量を実質的にマイナスへ導く「ネガティブエミッション技術」の導入が不可欠です。なかでも、大気中のCO2を人為的に直接回収できる唯一の技術であるDAC(Direct Air Capture)は、今後の対策を支える重要な手法と言えます。CRRA機構長・村木はこの技術特性に早くから注目し、2010年から世界のDAC黎明期と同時期に研究をスタート。その後CRRAとしても、約10年にわたり基盤技術の開発を継続してきました。

 従来、CO2を直接回収するDAC装置は大型プラント規模が主流でしたが、大型設備だけでは普及が進みにくいという課題がありました。こうした状況を受け、CRRAは日常の生活空間にも設置できるDACが世界普及のカギになると判断し、小型化に挑戦。その結果、スーツケースサイズの世界最小級CO2回収装置『ひやっしー』の開発に成功しました。弊社はこのように、小型DAC装置の開発・量産・社会実装を国内で最も早く実現した、日本におけるDAC研究開発の先導的機関の立ち位置を確立してまいりました。

 小型分散化はCRRAのコアコンセプトです。1機あたりの回収量は大型装置より小さいものの、複数台の並列運用により、小型でも総回収量を大型と同等レベルまでスケールできます。さらに、小型DACには、生活圏に直接置けるという大型装置にはない利点があり、空気質改善や教材利用などの実用性に加えて“自分の手でCO2を回収する体験”を通じて社会的な意識変容を促す効果があります。

 CRRAは、こうした小型分散型DACを起点とした新たなCO2回収モデルの構築に取り組み、社会実装に向けた仕組みづくりを進めてきました。

事業用モデル『ひやっしーパパ』の概要

 こうした技術と経験をもとに新たに誕生するのが、事業用DAC装置『ひやっしーパパ』です。

 小型モデル『ひやっしー』で培った設計思想を継承しながら、CO2の回収量を大幅に拡張。それでもなお、従来のDAC装置と比較すれば著しくコンパクトであり、CRRAが掲げる“CO2回収の小型分散化”の理念を具現化したモデルとなっています。

『ひやっしーパパ』の性能を支える中核技術が、CRRA独自開発の次世代型CO2吸収剤【アミン修飾メソポーラスシリカ*】です。

 多数の規則的な細孔を持つ多孔質構造に、アミン官能基**を高密度かつ安定的に導入。これにより、CO2を効率的かつ選択的に吸着し、吸収性能と長期耐久性の両立を実現しています。

 従来のアミン系液体吸収剤に見られた、空気中の水分との共吸着による性能低下の課題についても、官能基構造の最適化によって選択性を向上させ、大幅な改善を達成しました。



▲アミン修飾メソポーラスシリカ 構造式イメージ(知財保護の観点から詳細な官能基の構造は省略しております)

 現在、本材料については国際特許出願の準備を進めており、詳細情報は今後、段階的に開示を行っていく予定です。

 これまで多孔質材料の合成には高温処理や煩雑なプロセスが求められてきましたが、CRRAが確立した新規プロセスでは、環境負荷に配慮した低温ワンポット合成***を実現しています。反応工程全体を単一容器内で一括して行うことで、プロセスの簡略化とエネルギー使用の抑制を両立させ、合成段階におけるCO2排出への配慮も取り入れています。



▲ 『CXシリーズ』のCGイメージ。ナノスケールのシリカのトンネル内にCO2だけを選択的に保持する“腕”がついており、自在に離すことも可能。25年12月現在、CO2吸収で色変化するバージョンも開発中

 これらの技術の結集により、『ひやっしーパパ』は事業規模でのCO2回収をより現実的かつ持続可能なものに近づける、CRRAのフラッグシップモデルとして位置づけられます。
文中用語解説(注釈)
*メソポーラスシリカ:
数nmレベルの規則的な細孔(メソ孔)を多数有する、シリカ(SiO2)を基盤とした多孔質材料。

**官能基(functional group):
化学物質の性質や反応性を特徴づける構造単位。特定の機能性を付与する役割を担う。

***ワンポット合成(one-pot synthesis):
複数の化学反応を、容器を移さず一つの反応系内で連続的に進行させる合成手法。工程の簡略化や環境負荷の低減につながる。
『ひやっしーパパ』スペック

『ひやっしーパパ』が実現する3つの競争優位性


回収したCO2は自社利用と販売の双方で価値化が可能に
【収益性】脱炭素はコスト、という常識を覆す「売炭素」モデル 回収したCO2を自社利用と販売の双方で価値化できる「売炭素」モデルにより従来コストとされてきた脱炭素を企業の経済価値へ転換できます。
 CO2調達側は製造CO2への依存を減らせるため供給リスクが低下し、DAC由来CO2の需要が安定することで装置導入の投資回収性も高まります。




高効率・低コストでCO2回収を叶える吸収剤・CXシリーズ
【技術優位性】独自開発の次世代型CO2吸収剤 独自合成したアミン修飾メソポーラスシリカを、吸収剤に採用。吸着したCO2を60℃という低温で脱離できるため、高効率・低コストでのCO2回収を可能にします。この吸収剤は、医療における麻酔時のCO2吸収剤用途用など医療・産業用途での外販も計画しています。




CO2需要産業への小型DAC導入イメージ
【市場戦略】未開拓の小型DAC市場をターゲット 海外の競合が大規模プラント開発を進めるなか、CRRAは小型分散型モデルで未開拓市場を狙います。TCFD開示義務を負うプライム上場企業、飲料・酒造・施設園芸(農業)などCO2需要をもつ産業や食品・飲料などの生産工場を主要ターゲットとし、定量的な脱炭素施策として導入を推進します。




コメント

代表取締役機構長・CEO 村木 風海 私たちCRRA研究員は、熱狂的な“CO2マニア”として、これまで並々ならぬ情熱を注ぎ、研究を推進してまいりました。
 CO2回収を“どこか遠くの話”で終わらせず、街全体がCO2を回収する--そんな“どこでもCO2回収”の世界を実現すること。
 それが私たちの目指す未来です。

 今回発表した『ひやっしーパパ』は、これまで市場にほとんど存在しなかった中型レンジの産業用CO2回収装置であり、その思想を体現した商用第1号機となります。
 中核となるのは、独自開発の固体吸収剤「アミン修飾メソポーラスシリカ」。従来の液体アミンを凌駕する吸着性能と耐久性を持ち、しかも低温でのワンポット合成が可能。材料科学と反応工学の融合により、社会実装の現実性を大きく前進させました。
 CRRAはこれまでに1億円のシード資金を調達し、現在は2.5億円のポストシードラウンドに挑戦中です。社会実装を共に推し進めてくださる投資家の皆様に、改めて深く感謝申し上げます。
 そしてこの飽くなき化学の挑戦に、新たな仲間として加わってくださる方々との出会いを、心より楽しみにしております。

 引き続き、ご支援・ご声援を賜りますよう、機構を代表して謹んでお願い申し上げます。




CRRA機構長・村木風海

代表取締役専務・COO 笹原 隆史 弊社が手がける『ひやっしー』や『ひやっしーパパ』などの小型DAC装置は、より多くの企業、市民がDACという先端テクノロジーにアクセスできるコミュニケーションツールと捉えています。
 これらの装置が市場に流通し、認知度が向上することで、DAC市場全体を拡大させることに寄与すると確信しています。そのなかでも弊社のDAC装置は、CO2の資源化、貨幣価値化を通じて私たちの生活をより豊かにするものです。

 CO2は地球温暖化を引き起こす悪ではない。
 私たちが生まれながらに共にある、貴重な資源の一つである、と皆が実感できる世界を目指し、邁進します。



CRRA専務・笹原隆史

今後の展開

 今回の調達資金によりシード期を完了し、新たにポストシードフェーズへ移行します。今後は『ひやっしーパパ』初号機の製造とPoC(概念実証)を実施するため、年度内を目処に2.5億円規模の資金調達を計画しており、国内外の投資家との協議を進めています。

 その先には、回収したCO2からエチレンを合成し、それをもとにアミノ酸や石油代替燃料などの化成品を生み出す「CO2利活用」や 、CO2回収量に応じてデジタル通貨を付与する「CO2経済圏」の構築を目指しています。

【本件に関するお問い合わせ先】

炭素回収技術研究機構株式会社(CRRA)
広報情報分析局(PRISM)情報戦略部
info@crra.jp

【会社概要】

会社名:炭素回収技術研究機構株式会社(CRRA)
    Carbon Recovering Research Agency
URL:https://www.crra.jp/
所在地:〒135-0064 東京都江東区青海2-7-4
役員構成:代表取締役機構長・CEO 村木風海
     代表取締役専務・COO 笹原隆史
創 立:2017年10月5日
法人化:2020年4月7日(前身の社団法人の設立日)
設 立:2024年5月7日(当会社の設立日)
資本金:50,000,000円
事業内容:DAC装置の開発・販売、CO2吸収剤の研究と商用化、クリーンCO2の販売など

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