コラム

知らなきゃ損する！人気の「株主優待」の意外な盲点と選び方

更新日：2017.10.28

「子どもの教育資金、足りるかしら？」「老後はどうしよう？」…など、お金の不安は尽きないもの。ファイナンシャルプランナーとして数多くの相談に答えてきた畠中雅子先生が、そんな不安とサヨナラするための心得をアドバイスします！

いつまでもあると思うな、そのサービス！

「私自身、いくつかの株を持っていますが、実はここ数年で買っている株は株主優待狙いなので、あまり売ることはありません。最近は若い人でも株主優待狙いで株を買って、外食などは優待券でオトクに楽しんでいる人をよく見かけますね。

私もいくつか食品系や外食系の株は持っていて、なかには株主優待セットとして、食事券がもらえる会社もあるので、おなかをすかせたうちの高校生の息子は、おこづかいがなくなると、そういった食事券を使って、タダで外食しています。

しかし、株主優待に関して気をつけたいことがひとつ。それは、株主優待制度というのは永久ではないということです。

たとえば、ある食品会社では、株主サービスとして自社の商品を使った料理をホテルで試食してもらう食事会がありました。しかし密封容器を持ってやってくる人たちがいて、あっという間に料理がなくなってしまう。クレームがふえて、結局、そのサービスはなくなってしまいました。
ファイナンシャルプランナーの間でも有名なサービスでしたが、私も一度も行かないままでした。

また株主総会の通知には、昨年まであった手土産がなくなると書いてあることはよくあります。手土産がなくなったというので、株主総会の出席者が昨年の１／３ぐらいになったという会社もありましたね。

ですから株主優待でこういうサービスが受けられるとか、株主総会で手土産がもらえると聞いても、それは未来永劫ではないということ。いまは、どちらかというと株主優待は縮小方向なので、優待狙いで株を買うなら、よく中身を確認したほうがいいですね。

そして私が注意しているのは、株主優待券がお米にかえられるものにすること。
優待券が送られてくると、そこに封筒が同封されています。たとえば北海道に住んでいる人が名古屋にあるお店の株主優待券を持っていてもそこに行けません。そんなときは優待券をその専用封筒に入れて返すと、お米や海産物、クオカードなどリストにあるものと交換してくれる会社が多いのです。
だから私も、いま持っている食品系の株は、ほとんどお米にかえられるものにしています」

“もうける”より“応援する”投資もおすすめです

「最近は被災地復興ファンドや地方の特産品のファンドを１口数万円から買える、マイクロ投資にも興味をもっています。産地の小規模の会社や事業を守るといった基金を募集する目的がはっきりしていて、そのファンドを買うと1万円の食事券がもらえるなど、投資家特典もあります。

先日は“牡蠣ファンド”と“珈琲ファンド”を買いましたが、これからも応援したい企業のファンドを少しずつ買ってみようかなと思っています。
３～５万円と少額で社会貢献に投資できるので、若いママたちにもぴったりだと思いますよ」

※畠中雅子著『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）より

畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集　子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、『どっちがお得？定年後のお金』（高橋書店）など著書多数。

取材・文／池田純子

Profile畠中雅子

ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集　子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。

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