コラム

そんなに私、迷惑ですか？既婚女性たちが妊娠中に受けた職場や街中での「マタハラ」

更新日：2017.10.28

妊娠した女性が職場などで肉体的・精神的な嫌がらせを受ける「マタハラ」が問題となっています。職場ではなくても、妊娠をきっかけに、心ない言動に傷ついたり、ショックを受けたりした経験のある人は多いのではないでしょうか？今回は子どものいる既婚女性100人に、妊娠中に体験した「マタハラ」的な行為を聞いてみました。

「妊娠したら休めていいね～」のイヤミ

別にサボるために妊娠したわけじゃありません。休んでるからって、怠けているわけじゃないのに～！

・「『女の人はいいよね、なんでも子ども優先、て言えば、許されると思っている』と同僚の男性に言われた。確かに、通院とかでたくさん休んでいるのは事実だけど、好きで休んでいるわけではない」

・「モテない友人に妊娠を報告すると『じゃあもう働かなくていいんだ、羨ましい』と言われた」

・「妊娠を機に、産休ではなく、身体のことを考えて退職を選んだ私。理由は、販売職だったため激務で、夜遅くまで残業もあったから。しかし、担当営業（50代男性）に、『出産直前まで働いて産休に入った子はみんな安産。すぐ辞めちゃって家でダラダラしていた子はみんな難産だったよ』と言われました。ダラダラするために辞めるんじゃないのにー」

電車やバスで席を譲ってもらえない＆暴言

電車やバスで席を譲ってもらえないのは、お腹が大きい時は辛いですよね。それなのに、吐き捨てるように暴言を浴びせられると、とても悲しくなります。日本は子どもを産んではいけない国なのですか？

・「バスに乗っている時、席を譲ってもらえなくて、そのまま貧血になり倒れました。バスは混んでいて40代くらいの女性が多かったです。倒れて意識が戻った後『今の子は体が弱いのね』と、他人に言われた言葉が今でも忘れられません」

・「とにかく電車やバスで席を譲ってくれない人がほんとうに多くて、ちょっと切なくなります」

・「健診に向かうためのバス車内にて。臨月だったし、満席でもなかったので、空いた席に座らせてもらっていました。後に乗り込んできたおばあさんが一言。『腹がでかいくらいで座って……年寄りのほうがいたわられてない日本は終わっちまってるね』と。いや、空いてますから、他の席……」

・「第一子妊娠中、何が気に食わなかったのかわかりませんが、地下鉄である男性から『妊婦だからって席を譲ってもらえると思うなよ！』と言われました。確かに仕事帰りだったし、疲れた顔で立っていたかもしれませんが……。怖かったので、すぐ車両を移動しました」

・「お腹が出てきた頃にバスに乗ったとき、知らない男性から『腹がじゃま』と言われました。当時はとても悲しい思いをしましたが、周りの女性たちが慰めてくれました」

「仕事への影響を考えて！」無関係な人から説教

どこの職場にも必ず１人はいます、メーワクそうな顔をしてくる人。そういう人に限って、直接利害関係はなかったりしますよね。確かにみんなに助けてもらうかもしれませんが、本人も気を遣っているし努力もしているのに……。

・「1人目を妊娠した時に教員の仕事をしていたのですが、保護者から『教師は妊娠する時期を計画的に考えて欲しい』と言われました」

・「職場で妊娠が分かって、つわりがあったのですが仕事を頑張っていました。でも、職場のお局さんに重い物を運ばされたりして……。周りの他の人が気を使って手伝ってくれたりするとすぐ『病気でもないのに周りの人を巻き込んで気を使わせないでくれる？』と言われました」

・「妊娠中、職場で『子供が産まれたら、みんなが迷惑するのは、分かってるよね？働かせてもらえるのありがたく思わないとね～』と言われました」

違法ですよ！妊娠理由の解雇

今は妊婦さんでも働いている人はたくさんいると思いますが、本人の意思に反して、辞めさせられたエピソードです。ちなみに妊娠を理由に従業員を解雇することは違法ですから、もし解雇を言い渡された場合は、あきらめないでしかるべき所へ相談を。

・「5つ上の女の先輩に、私が産休を取って仕事復帰したいと伝えると『ここの仕事、産休から復帰して、やってもらう仕事なんて全くないしな』と言われたことです。お陰さまで退職させられました」

・「職場で切迫早産になり休みたいといったら、退職でいいからそのかわり入社時に受けた研修費を払えと請求されました。休業したいと言ったのに診断書を出しても長く休むなら退職扱いになる、研修費用を払わなければ弁護士と話してもらうと脅され、結局研修費を払って退職しました」

・「『妊婦は流産したりして危ないし、重たい物を持てないから会社辞めてね』とアルバイトしていた会社に言われ退職しました」

何が気に入らない？マタニティバッジを攻撃！

こういうことがあるから、「マタニティバッジを付けたくない」という妊婦さんがいるんですね。女性からしてみればバッジを付けていてくれたほうが席も譲りやすくていいと思うのですが、オジさんたちの価値観は違うのでしょうか？

・「妊娠８カ月目のとき。電車から降りる際、少々酔った男性と接触、転倒。周りの人が手を貸してくれましたが、その男性に『なんだお前！ただのデブだろ！』とマークをちぎられてしまいました。あとで駅員さんに言いましたが、その場に本人がいないと警察に連絡できないと言われました。仕方なくもう一度マークをもらいました」

・「マタニティバッジをかばんにつけて満員電車で立っていたら、前で座っていた男性に『席譲れって言われてる気分や』と言われました。『たとえ倒れてもお前の席にはすわらねーから安心しろ』と言ってやりました」

日本の社会はマイノリティ（少数派）には冷たいと言います。妊婦さんも同じように、差別の対象になることもあるようですね。満員電車や長時間労働など厳しい環境で生きている人が多いのはわかりますが、誰もが一度はお母さんのお腹の中にいたことを考えて、ちょっとだけ譲ることを考えていきたいですね。

文／吉田直子
※暮らしニスタ編集部が既婚子持ち女性100人を対象に行ったアンケート調査より

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