子供の咳が止まらない? 嘔吐や熱の対応や体験談を紹介【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2018/11/23
更新日:2019/03/22
子供の咳が止まらない? 嘔吐や熱の対応や体験談を紹介【小児科医監修】
監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長

この記事では、長引く子供の咳について解説しています。子供の咳が止まらないと、「重い病気にかかったのでは?」と心配になりますよね。でも子供は大人よりも咳が長引きやすく、止まりにくいのです。咳に嘔吐や熱が伴うときは、必ず受診しましょう。また、咳がひどくて呼吸が苦しそう、咳で夜も眠れないときは、なるべく早く病院へ連れていってください。

子供の咳の原因と種類

子供は痰をたくさん作るけれど、上手に出せないから咳が長引きがち

のどや気管支はとても敏感で、何かで刺激を受けると、その刺激が脳の咳中枢に伝わります。すると大量に息を吸い込んで、のどの奥の声門を閉じます。声門は声を出す場所ですが、ここを閉じることで空気が外に出ないようにします。そしておなかの筋肉に力を入れて、横隔膜を上に押し上げ、肺を空気でパンパンにします。肺の中の圧力が高まったところで、一気に声門を開いて空気を外に出そうとするのが「咳」の正体です。

咳をすることで肺の中にたまった空気を勢いよく出し、気管にある痰などの異物を出して体を守ります。ちなみに痰のもとは気道で作られ、ウイルスなどをやっつけようとする免疫物質が含まれています。

子供は大人以上に痰を作るけれども、大人のように上手に咳で痰を外に出せないため、咳が長引きやすいのです。

コンコンという乾いた咳は「のど風邪」のことが多い

 子供の咳が止まらないときに、一番多い原因はのどに炎症が起こる「のどかぜ」でしょう。コンコンと乾いた咳が出る「のどかぜ」は、1週間~10日程度でよくなる場合がほとんどです。

ゴホンゴホン、ウォンウォン――犬の遠吠えのような咳は要注意

ただしのどの中でも声門あたりに炎症が起こる「クループ症候群」(急性咽頭炎)になると、空気が通りにくく、犬の遠吠えやあざらしの鳴き声のようだと表現される特徴のある咳が出たり、呼吸がしにくくなったりします。「クループ症候群」は急激に悪化したり、呼吸困難を起こしたりする心配があります。「ふつうの咳とちょっと違う」と思ったら、必ず受診しましょう。

気管支が狭くなるとゼーゼーという咳が

のどの下にある気管支やその奥の細気管支が異物や炎症で刺激を受けると「気管支炎」「細気管支炎」になります。「気管支炎」や「細気管支炎」はかぜの症状に引き続いて起こることが多いでしょう。

アレルギー反応で気管支の筋肉が縮まって起こるのが「喘息」です。大人よりも細い気管内に痰がたまって、気管支が狭くなって呼吸がゼーゼーする、咳が出るのは喘息様気管支炎と言います。

その他、百日ぜき、肺炎やインフルエンザ、結核などの病気が原因で、咳が止まらないこともあります。

誤嚥で咳が止まらないことも

 たとえばご飯を口いっぱいほおばったりしたときなどにむせたり、咳こんだり。食べたものなど、異物が気管支に入ったとき(気管支異物)も、咳が出ます。この場合の咳は突然出始めるのが特徴で、「のどかぜ」の咳のように、何日も続くことは、あまりありません。ただし飲み込んだものの大きさによっては、気道に詰まって呼吸困難になることもあるので注意が必要です。

熱や嘔吐がある、夜中に咳が出る、夜中だけ咳が止まらないということも

水分や食事がとれていれば、心配ないことが多い

 一般的に、コンコンと乾いた咳以外に症状がない場合は家で様子を見ていいでしょう。ゼロゼロ、ゴホゴホのような痰がからんだ湿った咳は要注意です。

 咳が止まらないときは、熱はないか、嘔吐はないかなど、咳以外の症状もチェックしましょう。熱があっても、水分や食事がとれているならあまり心配ありません。喘息の場合など、咳とともに嘔吐することがあります。

 また「日中はあまり出ないのに、夜中になると咳が出る、咳が止まらない」ということもよくあります。なぜかというと、咳反射は布団の中に入って、体が温まると出やすくなるのです。また布団などのホコリを吸い込むことも、咳の出やすさにつながるのでしょう。

子供の咳が止まらないとき、病院に連れていく目安は?

<こんなときは、しばらく様子を見てもだいじょうぶ>

・朝や夜など、気温が下がるタイミングで軽い咳が出る

・咳は出るけれど、他に症状がなくて、比較的食欲も元気もある。

<こんなときは、かかりつけ医を受診しましょう>

・咳が止まらないだけでなく、熱や嘔吐など、ほかの症状もあり

・咳が出始めると、なかなか止まらず、長く続く

・咳が止まらないだけでなく、咳をした後「ヒューッ」という音がする

・咳が日ごとに激しくなってくる

・咳が止まらず、10日以上続いている。

<こんなときは危険! 夜中でも受診しましょう>

・ウォッ、ウォッなど、犬の遠吠えやアザラシのような鳴き声のような咳が止まらない

・顔を前に突き出すようにして、咳をする

・激しい咳が止まらず、夜も眠れない

・咳が止まらないだけでなく、突然、声もかれてきた

・突然、ゼーゼー、ヒューヒューと言い出した

・呼吸が苦しそうで、小鼻がピクピクとしている

・呼びかけに反応がなく、唇が紫色になっている

咳が止まらず、夜中も眠れないときは薬を使うことも

咳の種類や原因で、対応は異なる

「のどかぜ」のほとんどはウイルスが原因なので、特効薬はありません。咳が止まらずつらそうなときは、痰を柔らかくして出しやすくする薬(末梢性鎮咳剤)が処方されることがあります。

湿った咳の出る「気管支炎」の場合は、咳を止めるために薬を使うのではなく、「せきを出させて、痰を出す」薬が処方されます。

「クループ症候群」で咳が止まらない場合は、喉頭のむくみをやわらげる薬を吸入します。

「喘息」の場合は、抗アレルギー薬、吸入ステロイド薬などを使って、咳が出る発作を予防したり改善したりします。

子供の咳が止まらないときの注意点は?

●加湿&換気で、のどにやさしい環境づくり

 室内の空気が乾燥していると、咳が出やすくなります。洗濯ものを室内に干す、加湿器を使うなどして、50%ぐらいに湿度を保つよう心がけましょう。また寒い日でも、数時間おきに窓を開けて、部屋の空気を入れ替えてください。

 タバコの煙はのどを刺激して、咳が出やすくなる、咳が止まらなくなるので、ぜひ禁煙を!

●上半身を起こす

 かぜをひいたり、体調が悪いと、「寝かせておかなくちゃ」と思いがちですが、横になると余計に咳が出やすくなります。枕やクッションを背中にあてて、上半身を少し起こすようにすると楽になるでしょう。

●のどを刺激する食べ物は避けよう

 ビスケットなどのボソボソとした食べ物、みかんなど酸味の強い食べ物、冷たい物、熱い物がのどの刺激になって、咳が止まらなくなることもあります。咳が出るときは、のどごしのいいものを食べさせましょう。のどの乾燥を防ぐためにも、こまめな水分補給も大事です。

●咳で痰をうまく出せないときは

 病原体を退治するために、気道から分泌されるのが痰。子供の場合、咳で痰を上手に出せないこともあります。咳をしているときに、背中をさすったり、軽く叩いてあげると痰が出やすくなります。

●ぐったりしていなければ、お風呂に入れたほうが痰が出やすい

 咳が止まらないと、体力を消耗します。そのため昔は、咳が止まらないときは、お風呂には入れないようにしていました。しかし現在は、子供がぐったりとしていないのであれば、お風呂もOK。お風呂で湿った空気を吸わせると、痰も出やすくなるでしょう。

子供の咳にどう対処した? 先輩ママの体験談

2歳過ぎてから、風邪をひくと咳が止まらない! 2歳7ヶ月で喘息と診断された(3歳・女の子)

1歳1ヶ月のときに、鼻風邪をひきましたが、6日ほどで自然に完治しました。

1歳9ヶ月のときに、咳、鼻水、熱が出て、機嫌も悪く夜も寝ないので2日後に小児科受診し、このときは3日で完治。ところが2歳を過ぎてから、風邪をひくと、朝方とくに咳がひどくなるように。何度か受診しましたが、きちんと喘息の診断がついたのは2歳7ヶ月の時。その際に自宅吸入器を1ヶ月半近く借りました。

普段は喘息の症状や発作はありませんが、鼻風邪や咳の風邪になると治りかけの頃には喘息が必ず出て、呼吸がヒューヒューなります。とりあえず呼吸音がする時は、すぐ小児科連れて行って吸入してもらって喘息薬を出してもらってます。

冬場は喘息発作が出にくいように、乾燥に気をつけて加湿器つけるなどしています。

「風邪の咳がなかなか止まらない!」と思ったら、アレルギーだった!(3歳・男の子)

2歳ごろのことです。初めは咳の他、微熱、鼻水もあったので、風邪かなと思い、受診。薬をもらいました。その後、2週間ぐらいで他の症状はおさまったのに、咳だけが残ったのです。咳は痰のからむような音から、乾いたような、コンコンという音に変わりました。とくにしゃべるときと、寝ているときが咳が出やすかったです。咳で起きてしまい、夜熟睡できないことも。咳の出方は日によって違いましたが、そんな症状がトータル3週間ほど続きました。

最初は風邪薬をもらっていたのですが、咳だけになってからアレルギーの薬をもらい、2ヶ月経ってもよくならないので、セカンドオピニオンを求め、違う病院へいきました。そこで血液検査をして、アレルギー体質であること、ハウスダスト・ダニアレルギーの値が高いことを知りました。

その病院にはアレルギー専門の看護師さんもおり、「いまの薬に加えて毎日吸入をしましょう」と、吸入用の薬をもらいました。その薬を足してから、1週間くらいで症状はおさまってきました。

今でも月に1回程度、病院で診察してもらっています。吸入の頻度ややめるタイミングなど、相談して決めています。ホームケアでは、アレルギーをおさえるために、極力ホコリ等ないよう掃除すること、息子の布団だけでもダニをとる掃除機を極力かけることを意識しています。

監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長
信州大学医学部卒。東大病院、愛育病院勤務などを経て、90年に鈴木こどもクリニック(東京都墨田区)を開院。地域の子どもたちの頼りになるかかりつけ医として、「ぞうさん先生」のニックネームで親しまれている。

あなたにおすすめ

注目コラム