子宮外妊娠とは?その原因と症状は?子宮外妊娠になる確率はどのくらい?痛みはあるの? 次の妊娠への影響は?

 専門家監修
公開日:2017/11/21
子宮外妊娠とは?その原因と症状は?子宮外妊娠になる確率はどのくらい?痛みはあるの? 次の妊娠への影響は?
監修
天神尚子先生
三鷹レディースクリニック 院長

子宮外妊娠という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。子宮外妊娠は、医学的に正しくは異所性妊娠といい、妊娠のごく初期に起きるトラブルの一つ。原因は何なのか、どんな症状があるのか、ほうっておくとどうなるかなどについて、ご説明します。

子宮外妊娠とは?発生する確率は?

子宮外妊娠とは、本来着床するべき子宮内膜以外のところに受精卵が着床してしまうことです。医学的には異所性妊娠といい、全妊娠のうちおよそ1%ほどの確率で起こります。確率としては低いのですが、不妊治療で体外受精による妊娠に至る人が増えている今、やや増加傾向にあるのは事実です。

子宮内膜以外のところに着床する場所として最も多いのが、卵巣と子宮をつないでいる卵管で起こる「卵管妊娠」で、子宮外妊娠の9割にあたります。それ以外には、ごくまれですが腹膜や卵巣、子宮頸管でも起こります。

子宮外妊娠の原因は?

卵管に着床してしまう大きな原因の一つに、卵管内や卵管の周囲の癒着があります。そのため、受精卵が子宮に到達できないのです。癒着を起こしてしまう原因として今増えているのは、性感染症であるクラミジアの炎症です。クラミジアに気づかずほうっておくと、子宮付属器炎といって卵巣と卵管が炎症を起こし、ひどい場合は腹膜炎を起こして卵管が詰まり、卵管の癒着を起こして不妊の原因になることもあります。女性のクラミジア感染は自覚症状がないことが多く、知らない間に感染していることもあり、注意が必要です。

そのほか、子宮内膜症や卵巣や卵管の手術をしたことがある場合にも、癒着を起こしやすくなります。

子宮外妊娠すると腹痛などの痛みはあるの?

子宮外妊娠の症状は主に、下腹部の痛みや出血です。ただ、以前は激しい痛みや出血から子宮外妊娠がわかることがありましたが、最近では妊娠検査薬によって早い時期に妊娠がわかるようになったため、激しい痛みや出血で発覚することは少なくなりました。実際は、少量の出血があるものの、生理が来たと思ってそのままにしているうちに、生理がこないことから婦人科を受診してわかるケース、あるいはそのままほうっておいて痛みや少量の出血が見られてからわかるケースなどがあります。

妊娠検査薬で陽性でも、子宮外妊娠の場合はある?

子宮外妊娠でも妊娠検査薬では陽性反応が出てしまいます。

妊娠検査薬は、尿中にあるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンに反応すると「陽性」になります。hCGは、受精卵が着床してから初めて体内でつくられるホルモンです。ですから受精卵が着床してさえいれば、その場所が卵管であっても、子宮内膜であっても、陽性反応が出るのです。妊娠検査薬で陽性反応が出たら、自己判断せず、早めに産婦人科を受診をして正常な妊娠であるかどうかを確かめる必要があります。

子宮外妊娠でもつわりはあるの?

子宮外妊娠であるかどうかは、だいたい妊娠6週目ごろまでにはわかります。つわりの多くは一般的に妊娠5、6週くらいから始まるため、子宮外妊娠であっても、つわりの症状が見られる人はいるでしょう。

子宮外妊娠だと流産してしまうの?

子宮外妊娠とわかったら、残念ながら妊娠は継続しません。妊娠8週ごろまでには、多くが流産に至ります。これを「卵管流産」と言います。自然に流産してしまうこともありますが、注意が必要なのは、卵管破裂を起こす場合です。子宮外妊娠をほうっておくと、狭い卵管内で破裂を起こすことがあり、出血からショック状態を起こし、非常に危険な状態になります。ただ、妊娠検査薬によって早めに妊娠がわかることが増えているため、最近では卵管破裂を起こすケースは少なくなってきています。卵管破裂を避けるためにも、生理が1週間程度遅れていたら、早めに産婦人科を受診しましょう。子宮外妊娠は早期に発見できれば、体への負担は少なくて済むのです。

子宮外妊娠だと絶対に手術が必要?

すべての子宮外妊娠に手術が必要なわけではありません。症状の度合いや、子宮外妊娠が起きている場所などによっても違います。

卵管破裂を起こした場合はもちろん、お腹の中で大量に出血している場合などは手術を行います。お腹の中に血液がたまると吐き気がしたり、お腹を押すと痛みを感じ、手を離すとさらに痛みを感じることなどから手術の有無を判断します。

子宮外妊娠だった場合、その後の妊娠・出産に影響する?

子宮外妊娠を経験しても、その後、自然妊娠することはできます。妊娠の可能性が低くなるということはないので、安心してください。手術で卵管を切除した場合でも、もう一方の卵管があれば、妊娠は可能です。ただ、次の妊娠でも子宮外妊娠になる可能性がないわけではありません。子宮外妊娠は、自分では予防することができないので、もしも妊娠検査薬で陽性反応が出たら、正常妊娠かどうか確かめるためにも、早めに産婦人科を受診しましょう。

取材&文/樋口由夏

監修
天神尚子先生
三鷹レディースクリニック 院長
日本医科大学付属病院、同大学産婦人科を経て、2004年に現クリニックを開院。年齢によって異なる女性のライフステージを考慮した治療を行っています。2人の子育てをした経験からくるアドバイスは頼りになると評判です。

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