赤ちゃんの蕁麻疹ができる原因・症状と対処法【症例写真付&医師監修】


加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
赤ちゃんの体に突然、赤くて大きめの発疹がいくつも出て、ママを驚かせる蕁麻疹(じんましん)。なぜできるのか、できたときはどうしたらいいのかを詳しく知っておきましょう。そして、いざというとき、慌てず対応できるようにしておきたいですね。
目次
蕁麻疹ってそもそもなに?
蕁麻疹とは?
いきなり、体のあちらこちらに、痒みの強い赤い発疹(膨疹・ぼうしん)が出ます。原因はさまざまありますが、放っておいてもたいてい2~3時間くらい、長くても1日で症状はおさまり、もとの肌に戻ります。
赤ちゃんの蕁麻疹の症状を写真で確認!
赤ちゃんの蕁麻疹 その症状は?
膨疹(ぼうしん)と呼ばれる赤い発疹が、突然、体中のいろいろなところに出て、強い痒みを感じます。発疹は、大きさや形はさまざまですが、ふくらみがあって赤く盛り上がり、周囲の皮膚との境目がはっきりしていることが特徴です。発疹は一見ひどく見えますが、何もしなくても2~3時間程度、長くても1日たてば消えることがほとんどです。
写真で見る赤ちゃんの蕁麻疹
蕁麻疹はおなかや背中、腕や足などあらゆる部位に出ます。
まだら模様に見えることも
赤い地図のような、まだらに浮き上がった蕁麻疹。おなか、腕、足など、体のどこにでも出ます。
体の一部にボツボツが
境目がはっきりして赤く盛り上がった、典型的な蕁麻疹。おなかなど体の一部だけに出て、短時間で消えることもあります。
虫刺されと間違えそうな蕁麻疹
赤くブツブツした蕁麻疹は、一見、虫指されかと思ってしまいそうです。
赤い発疹が全身に
おなかから足、わきの下まで、全身に蕁麻疹が出ています。
卵アレルギーが原因?
卵を食べたあと、おなか、足、わきの下、おしりとあらゆる場所に発疹が出ました。
赤ちゃんに蕁麻疹ができる原因は?
蕁麻疹は皮膚のマスト細胞が刺激によりヒスタミンなどの化学伝達物質を放出することにより、血管の拡張(赤み)、血漿成分の漏出(膨らみ)、痒みを生じるものです。
原因はさまざまで、一般に知られている食品を食べてから数分から数時間以内に出現する蕁麻疹は10%以下と言われています。
原因のわからない蕁麻疹が一番多く、赤ちゃんや幼児の場合は、細菌及びウィルス感染に伴う一過性のものが多いです。
蕁麻疹に種類がある?
原因や誘因がはっきしりしているものと、不明のものがあります。不明なものの中には、感染症に伴うものが赤ちゃんや幼児では多いです。
原因が特定できる蕁麻疹には、アレルギー性蕁麻疹、機械的摩擦、圧迫、寒冷、温熱、日光、発汗などによる蕁麻疹があります。
お風呂に入ると蕁麻疹がでるのはなぜ?対応方法は?
お風呂の温度差で蕁麻疹が出ることも
お風呂に入ったり運動するなどで体が温まったときや、気温の低い場所から高い場所に移動したときの温度差が原因となって、蕁麻疹が出ることがあります。これを「温熱蕁麻疹」といいます。急に皮膚が温まることで、ヒスタミンという痒みの元が放出されて蕁麻疹が起こるため、痒みが強いのが特徴です。
お風呂や運動によって温熱蕁麻疹が出たときは、冷たいタオルなどで皮膚のほてりを冷ましましょう。かいてしまうと皮膚を傷つけ、そこに雑菌がついて化膿することがあるため、かかないように注意しながら様子を見ます。蕁麻疹がなかなかおさまらない、痒みが強くて我慢できない、などのときは、皮膚科を受診しましょう。
蕁麻疹が痒くない場合もある?
痒くない蕁麻疹とは
蕁麻疹は、痒みが強いのが特徴ですが、これはアレルギー性蕁麻疹の場合です。なかには痒みがそれほどないこともあります。非アレルギー性で、皮膚がこすれたり何かで圧迫されたときや、日光に当たったことが原因で起こる蕁麻疹の場合は、痒みがほとんどないか、あっても軽いことが多いのです。
蕁麻疹が繰り返されるときの原因と対応方法
蕁麻疹が繰り返される原因の特定
赤ちゃんが蕁麻疹を繰り返すときは、その原因が何かをつきとめたいものです。赤ちゃんに蕁麻疹が出たら、その前に何を食べたか、1~2日前までさかのぼって思い出してメモしておきましょう。肌にふれたもので、蕁麻疹の原因になりそうなものもメモしておきます。蕁麻疹を繰り返したら、メモの中から共通要因はないか探るとともに、受診したときに医師に伝えて下さい。離乳食を始めて繰り返し蕁麻疹が出るときは、皮膚科を受診しましょう。赤ちゃんの場合、卵と牛乳による蕁麻疹が多いです。摂取する度に出現するので、お母さんが気づくことが多いです。プリックテスト(皮膚に小さい傷をつけて試薬をたらし15分後に判定する検査)で、原因を確定できます。
蕁麻疹ができたときの対応方法
熱を持った蕁麻疹は、痒みを止めることが第一
まず、痒みを止めてあげましょう。蕁麻疹は熱くほてっているので、冷たくしぼったタオルを当てるなどして、冷やしてあげます。そして、蕁麻疹がおさまるまで、しばらく静かに過ごさせましょう。
蕁麻疹がひいたら入浴もOKです。ただ、体があたたまると痒くなるので、お湯はぬるめにしてサッと入るか、できればシャワーにしておきましょう。皮膚を刺激することも痒みを誘うので、体を洗うときや水分を取るときは、ゴシゴシこすらないよう注意します。
病院には行ったほうがいいの?
蕁麻疹で病院へ行くときの目安
顔に出た蕁麻疹は要注意!
蕁麻疹は出る部位によっては、重症になることがあります。特に唇や鼻の中など、粘膜がはれていたり、声がかすれたりいつもと違ったりするときは、気道にも蕁麻疹が出ていて、呼吸困難を起こす恐れがあります。また、蕁麻疹が顔に出て、目や口の中がはれているときも要注意。これらの場合は、大至急病院へ行きましょう。
蕁麻疹が短時間で消えても、全身状態をチェックしたほうが安心です。程度にかかわらず、蕁麻疹が出たときは小児科か皮膚科を必ず受診しましょう。蕁麻疹の原因と思われる食品や薬などがあるときは、受診の際に必ず医師に伝えてください。
蕁麻疹の治療内容
赤ちゃんの蕁麻疹の治療には、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の飲み薬が使われます。発疹は出ますが、塗り薬は補助的に用いるため、必要に応じて処方されます。
取材・文/村田弥生
写真協力/育児雑誌『Baby-mo』の全国読者のみなさん
一部写真出典/『はじめてのママ&パパの病気とホームケア』(主婦の友社刊)

加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
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