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「アレ…何だっけ?」がなくなる!更年期の物忘れの改善と対策【薬剤師解説】

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「アレ…何だっけ?」がなくなる!更年期の物忘れの改善と対策【薬剤師解説】

物忘れがひどくなるのは、加齢に伴って脳に変化が生じるためです。

加齢に伴い、からだだけでなく脳も老化するため、神経細胞の機能低下や、脳の血流量低下、さらには活性酸素によってダメージを受けることで、物忘れが起こりやすくなります。

それ以外に、40〜50代の更年期では、ホルモンバランスの乱れも物忘れの一因です。

物忘れがひどくなった……原因は一体なに?

1.更年期によるホルモンバランスの低下

40代になると物忘れがひどくなる要因のひとつに、更年期によるホルモンバランスの低下があります。

更年期は、女性特有のものだと思われがちですが、男性にも起こります。ただ、関与するホルモンや発生機序が少し異なります。

女性は、更年期になると女性ホルモンのエストロゲンが減少します。すると、神経伝達物質が不足してしまい、海馬の働きが低下することで物忘れが起こりやすいといわれています。

一方で男性は、男性ホルモンのテストステロンが減少することで、性欲減退や集中力の低下などの症状とともに、物忘れの症状も出てきやすくなるのです。

2.疲労やストレスでも記憶力は落ちる 

ホルモンは、過度のストレスや過労が原因で減少することもあります。また、強いストレスを受けると自律神経も乱れ、記憶力に悪影響を及ぼしてしまいます。

強いストレスにより、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの濃度が上昇すると、記憶を司る海馬にも影響し、記憶力の低下が起こるのです。

更年期の物忘れの改善と対策

物忘れは、中年以降に誰にでもあることです。出来事の一部を思い出そうとしても思い出せなかったり、物事が上手く覚えられなくなったりします。しかし、認知症との違いは、忘れてしまったことを自分で認識できることです。

ただし、物忘れが増えてきた場合は、軽度認知症の予備軍かもしれませんので、早めに生活習慣の改善を行いましょう。対策や予防法をご紹介します。

1.脳活に取り組む

認知機能のトレーニングは、脳に刺激を与えてくれます。特別なことをするわけではなく、人との会話をしたり、趣味や仕事に打ち込んだりするのもおすすめです。

毎日コツコツやりたい人は、脳活用のパズルやアプリなどを用いてもいいでしょう。

2.適度な運動をする

適度な運動をすることで血流が改善すると、酸素や栄養素が脳にしっかり届けられます。脳が活性化すると、認知機能の低下を予防することにつながります。

適度な運動としては、手軽にできる有酸素運動がおすすめです。30分程度のウォーキングやスクワット、音楽に合わせたダンスなどもいいでしょう。

3.食事内容を工夫し、よく噛んで食べる

食事は毎日のことなので、脳に送るエネルギーをしっかりと摂取しましょう。

まず、よく噛んで食べることが大切。噛むこと自体が脳への刺激になりますし、血糖値の上昇を抑制する効果も期待できます。血糖値が高いと、記憶力の低下につながるため、糖尿病にならないような食事を心がけましょう。

記憶力に効果的な食品としては、オメガ3脂肪酸やDHAといったナッツ類や青魚に含まれる成分があります。また、緑黄色野菜に含まれるビタミンなどもおすすめです。

4.適度な睡眠をとる

睡眠は、疲れの回復だけでなく、脳のメンテナンスをする役割もあります。

寝不足だと、疲れが回復しないだけでなく、脳が情報や記憶を整理することもできなくなり、認知機能の低下につながります。一方で、寝過ぎもよくありませんので、7時間程度の睡眠が理想的です。

記事を読む⇒【更年期】5分間のリンパマッサージで免疫力UP!若さと元気をキープ♡

 

更年期の諸症状は漢方薬で改善! 

更年期の物忘れには、漢方薬の使用もおすすめです。漢方薬は、物忘れ外来や認知症外来などでも自然由来の治療薬として使われています。

漢方薬のなかには、神経の緊張を緩めることにより、ストレスや睡眠の質の改善に働きかけるものもあります。また、胃腸機能を高めて血液を増やし、血流を良くして脳や全身に栄養を届けることにより、気力回復や脳の活性化に働きかける漢方薬もあるのです。
さらに、「オンジ(遠志)」という生薬は、中年以降の物忘れに効果があるとされています。イトヒメハギの根の部分の生薬で、精神を安定させてくれ、健忘にも効果があるようです。
オンジが含まれている漢方薬は2つあります。

<物忘れにお悩みの方におすすめの漢方薬>

・加味帰脾湯(かみきひとう)
オンジを含めた14種類の生薬からできている漢方薬です。
消化器の働きを助けるとともに、不足している血(けつ)を補うことで体力を回復させ、脳の血流を促して認知症に働きかけます。また、気を巡らせることで精神を安定させ、不眠や不安にも用いられます。

・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
オンジを含めた12種類の生薬からできている漢方薬です。
気と血の両方を補うことで消化器の働きを高め、栄養を全身に行き渡らせて体力低下や疲労倦怠、食欲不振などを改善します。食欲や意欲は認知機能とも関わりがあることから、高齢者の虚弱による認知症に対して有効であったという研究結果もあります。

漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

▶「あんしん漢方」を詳しく見てみる

積極的な脳活を心がけよう

物忘れは、年のせいだと軽視されがちですが、放っておくと認知症につながるかもしれません。
日常生活でも、物忘れがひどくならないように、積極的に人と会話をしたり、趣味に熱中したり、交流会に参加するなど、脳に刺激を与えて過ごしましょう。

<この記事を書いた人>

薬剤師 相田 彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。
総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
▶あんしん漢方(オンラインAI漢方)

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